
指標「SDGs評価」の算出方法
1人の回答者に対して10社を示し、「あなたは各社がSDGs(持続的な開発目標)への取り組みをしていると思いますか」との問いに対し、それぞれ「本格的に取り組んでいる」、「少し取り組んでいる」、「どちらともいえない」、「あまり取り組んでいない」、「全く取り組んでいない」、「名前も知らない」の5中からあてはまる選択肢を選んでもらった。
その各社の回答結果をもとに、以下の式から「SDGs評価(点)」を算出した。
SDGs評価(点)=「本格的に取り組んでいる(%)」+「少し取り組んでいる(%)」/2-「あまり取り組んでいない(%)」/2-「全く取り組んでいない(%)」
なお、設問の補足説明として『SDGs(持続可能な開発目標)とは、「貧困に終止符を打ち、持続可能な未来を追求する」ことを掲げて2015年の国際サミットで採択された世界共通の目標です。2030年までに地球規模の課題を解決するための17の目標(ゴール)に向けて、各企業でも様々な取り組みが行われています。』と記載している。
SDGs評価の高い企業ランキング100
1位~20位

最も評価が高かった企業はトヨタ自動車で21.5点となり、6年連続1位となった。同社はSDGsに「本格的に取り組んでいる」の回答が15.0%、「少し取り組んでいる」が20.1%と、計35.1%の回答者が同社の取組を評価しており、この割合は300社の中で最も多い。
2位はサントリーで21.0点。同社の順位は2023年は2位、2024年は7位で推移している。なお、「本格的に取り組んでいる」との回答は15.6%で、1位のトヨタ自動車を上回っており、300社中最も回答者割合が高くなっている。
3位はユニクロで18.4点となった。同社は2023年が15.9点(6位)、2024年は17.4点(5位)と、点数・順位が上昇している。
4位の花王は前年よりひとつだけ順位を下げたが、「紙・化学・繊維」の業種グループの中では前年に引き続いて最も評価が高い。
5位のセブン-イレブンから10位の住友林業まではいずれも前年より点数が大きく増加し、順位も上昇している。
6位のキリンビールは「作る責任、使う責任」が前年の6.0%から7.8%へと急増している。
7位のキユーピーは「貧困をなくす」が全社2位(前年3位)、「飢餓をゼロに」は4位(同6位)といずれも評価が高まっている。また、同社は17ゴールのうち1つ以上を選んだ人が44.2%を占めており、これは全社の中で最も多い(前年は22位)。
8位のパナソニックは前年14位から上昇。「質の高い教育をみんなに」が6位(同31位)、「安全な水とトイレをすべての人に」も6位(同87位)、「気候変動に具体的な対策を」は13位(同106位)と大きく評価を上げている。なお、同社は17ゴールの合計点は85.6点で、これは4位と高い。
9位のカゴメは前年24位からの急上昇。「飢餓をゼロに」が9位(同14位)、「陸の豊かさも守ろう」が8位(同5位)、「じぇんだ平等を実現しよう」が19位(同51位)などの評価が高い。
10位の住友林業は、建設・不動段グループで最も評価が高く、前年28位からの上昇となった。「住み続けられるまちづくりを」は16.7%(前年は11.0%)で初の全国1位(同4位)となった。
11位から20位の中では、18位のEPSONが前年の118位からの急上昇となった。「本格的に取り組んでいる」との評価した人が10.5%(同8.7%)、「少し取り組んでいる」が15.8%(同12.1%)の合計26.3%(同18.8%)と、前年より大幅に増加している。
「作る責任、使う責任」が10.9%(同4.7%)で3位と評価が高くなっているのが特徴的だ。
同じく18位のスズキも前年の132位からの急上昇で、伸び幅は全企業の中で最も大きい。自動車製造業ではトヨタ、ホンダに次いで3番目に高い。
「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」が10.5%(同6.9%)の14位(同33位)と評価が前年より高くなっている。また、「産業と技術革新の基盤をつくろう」も12.0%(同8.0%)の6位(同32位)と急上昇していることが、SDGs評価の上昇につながったようだ。
21位~50位

21位から50位の中では、21位のスターバックス(前年は51位、27位のシャープ(同93位)、28位の味の素AGF(同48位)、30位のコスモ石油(同73位)、31位のアイリスオーヤマ(同77位)、ハウス食品(同82位)、34位のマツダ(同54位)、オムロン(同133位)、リコー(同162位)、38位の大王製紙(同90位)、41位の日本航空(同75位)、47位のブリヂストン(同87位)などの評価が高くなっている。
味の素AGFは14.6点で前年の13.0点から1.6点の上昇。同社は「全く取り組んでいない」が1.2%、「あまり取り組んでいない」が2.7%と否定的な意見が少ないのが特徴的だ。「すべての人に健康と福祉を」が9.9%(同6.2%)で12位(同52位)と評価が高い。
アイリスオーヤマは「作る責任、使う責任」が10.3%(同7.8%)で7位(同14位)の評価が高まっている。
シャープも同様に「作る責任、使う責任」が10.0%(同6.1%)で11位(同69位)と上昇している
日本航空(JAL)は「平和と攻勢をすべての人に」が3.4%(同3.0%)で6位(同18位)より上昇した。
ブリジストンは17ゴールの中では「産業と技術革新の基盤をつくろう」が10.6%(同9.3%)で20位(同21位)と高いが、ESGの項目で「スポーツや文化活動に熱心」は」7.0%(同6.0%)で16位(同26位)と評価されている。
51位~100位

51位から100位までの中には順位を大きく上げている企業が多く含まれている。
ユニ・チャームは13.0点で52位と、前年の10.4点で135位からの上昇。「ジェンダー平等を実現しよう」が7.1%(前年3.9%)と全社で3位という高い評価になっている。
54位の三菱重工は12.9点(同9.6点)で前年の160位から上昇。「産業と技術革新の基盤をつくろう」が11.5%(同8.3%)で12位(同29位)と評価が高まっている。
69位の小岩井乳業は138位からの大幅上昇。「陸の豊かさを守ろう」が4.6%(同3.9%)で3位(同11位)と評価が高い。
98位の日本生命は前年の188位からの大幅アップ。「パートナーシップで目標を達成しよう」が3.2%(同2.8%)で8位(同23位)と評価が高くなっている。
そのほか、52位の三菱電機(同113位)、54位の富士通(同129位)、JT(日本たばこ)も54位(同139位)、59位の三菱地所(同112位)、64位のソフトバンク(同130位)、三井不動産(同171位)、79位の東京ガス(同141位)、ミサワホーム(同148位)、85位のヤフー(同150位)、95位のYKK(同146位)などが大きくSDGs評価を高めている。
調査概要
調査概要
企業版SDGs調査2025の調査対象は業界別に売り上げ規模の大きな企業と、SDGsやESGに積極的に取り組んでいる企業を中心に、ブランド総合研究所が独自に300社を選出しました。
回答者は20代から60代以上までの年代別(5区分)で同数ずつ回収するとともに、世代ごとに男女均等となるように回収。合計3万人の回答を集めた。1人の回答者は10社に対して評価を行ったため、300社を30グループに分けて調査を実施。すなわち各社の評価対象人数は1000人ずつです。
ただし、集計にあたり、回答内容の信頼性の低いレコードを除く(クリーニング)ことにより、調査精度を高めるようにした結果、有効回答数は25,165人となりました(1社当たり839人)。
SDGs調査の特設ページ
・調査方法 企業版SDGs調査(第6回)
・調査方法 インターネット調査
・調査対象 登録調査モニター(20歳以上)から年代・性別に均等に回収
・調査票 300社を10社ずつ30の調査票に分けて作成
・総回収数 計30,000人 (各社1,000人となるように回収した)
・有効回答数 計25,165人 (不完全回答および信頼性の低い回答は集計対象外とした)
・調査時期 2025年5月29日~6月2日
・調査項目 SDGs意識: 購入・利用時のSDGs意識
SDGs評価: SDGs取組評価、ゴール別評価、情報入手経路、ESG活動
企業評価: 企業認知度、好感度、利用経験、就職意欲、投資意欲
回答者属性: 年齢、性別、婚姻、子供の有無、世帯年収、居住形態など
調査報告書のご案内
・報告書冊子 (価格は税込)
基本セット:165,000円 総合報告書+個別報告書+データCD
総合報告書: 99,000円 A4判 約160ページ
総合報告書デジタル版:99,000円 (冊子のPDFおよび各社データのExcelデータ(個別除く))
個別報告書: 55,000円 A4判 約25ページ (3年分の結果付)
・個別調査パッケージ(価格は税込)
追加調査パッケージ: 385,000円
特定企業(3社まで)の具体的なSDGsへの取組について、具体的な評価を行う
お得な追加調査のパッケージです。また、調査対象に含まれていない企業でも、
企業版SDGs調査と同様の追加調査を行い、300社の結果と比較することができます。
・報告会・セミナー (価格は税込。交通費、報告書は別途)
調査結果を基にセミナーまたは研修会を実施: 110,000円
申し込みはお申し込みフォームから
2025年調査での調査対象企業一覧(全300社)
■建設・不動産(18社)
大林組、鹿島建設、清水建設、住友不動産、住友林業、積水ハウス、大成建設、大東建託、大和ハウス工業、竹中工務店、東急不動産、トヨタホーム、パナソニックホームズ、ミサワホーム、三井不動産、三菱地所、森トラスト、森ビル
(五十音順)
■機械・金属(30社)
IHI、アイシン、荏原製作所、クボタ、神戸製鋼所、コマツ、スズキ、SUBARU、 住友重機械工業、住友電気工業、JFEスチール、ダイキン工業、ダイハツ工業、デンソー、トヨタ自動車、豊田自動織機、トヨタ紡織、日産自動車、日本軽金属、日本製鉄、日立建機、プロテリアル(日立金属)、本田技研工業(ホンダ)、マツダ、三菱自動車工業、三菱重工、ヤマハ、ヤマハ発動機、YKK、YKK AP
(五十音順)
■電機・電子(32社)
アイリスオーヤマ、アルプスアルパイン、アンリツ、NEC、EPSON、オムロン、オリンパス、カシオ計算機、キーエンス、キヤノン、京セラ、コニカミノルタ、島津製作所、シャープ、セイコー、ソニー、TDK、テルモ、デンソーテン、東京エレクトロン、東芝、日本IBM、パイオニア、パナソニック、日立製作所、富士通、富士電機、三菱電機、ミネベアミツミ、村田製作所、横河電機、リコー
(五十音順)
■紙・化学・繊維(39社)
旭化成、アシックス、アストラゼネカ、エーザイ、AGC、王子製紙、大塚製薬、オンワード、花王、カネカ、サラヤ、塩野義製薬、資生堂、住友化学、住友ゴム工業、積水化学工業、第一三共、大王製紙、武田薬品工業、田辺三菱製薬、帝人、DIC、東レ、TOTO、日本ガイシ、日本製紙、久光製薬、ファンケル、富士フイルム、ブリヂストン、ミズノ、三井化学、三菱ケミカル、三菱マテリアル、UBE(宇部興産)、ユニ・チャーム、横浜ゴム、LIXIL、ワコール
(五十音順)
■飲料・食品(35社)
アサヒビール、味の素、味の素AGF、伊藤園、おやつカンパニー、カゴメ、カルビー、カルピス、キッコーマン、キユーピー、キリンビール、小岩井乳業、サッポロビール、サントリー、JT(日本たばこ産業)、日清オイリオ、日清食品、日清製粉、ニッスイ、日本ハム、日本コカ・コーラ、ニチレイ、ネスレ日本、ハウス食品、不二製油、マルハニチロ、三菱食品、明治、森永製菓、森永乳業、ヤクルト、山崎製パン、UCC上島珈琲、雪印メグミルク、ロッテ
(五十音順)
■エネルギー(19社)
出光興産、岩谷産業、INPEX、ENEOS、大阪ガス、沖縄電力、関西電力、九州電力、コスモ石油、四国電力、中国電力、中部電力、電源開発(J-POWER)、東京ガス、東京電力、東邦ガス、東北電力、北陸電力、北海道電力
(五十音順)
■輸送(37社)
アート引越センター、ANA(全日空)、大塚倉庫、小田急電鉄、近畿日本鉄道、京王電鉄、京成電鉄、京阪電気鉄道、京浜急行電鉄、相模鉄道、佐川急便、JTB、JR九州、JR四国、JR東海、JR西日本、JR東日本、JR北海道、商船三井、西濃運輸、西武鉄道、東急電鉄、東京地下鉄(東京メトロ)、東武鉄道、名古屋鉄道、西日本鉄道、日本通運、日本郵政、日本郵船、日本航空(JAL)、日本旅行、阪急電鉄、阪神電気鉄道、三菱倉庫、ヤマト運輸、ロジスティード(日立物流)
(五十音順)
■流通・飲食(36社)
イオン、伊藤忠商事、イトーヨーカドー、オイシックス、ケーズデンキ、コジマ、しまむら、ジャパネットたかた、すかいらーく、スターバックス、住友商事、セブン‐イレブン、全国生活協同組合(生協)、双日、ZOZO、大丸松坂屋百貨店、高島屋、ドトールコーヒー、ニトリ、日本マクドナルド、ビックカメラ、ファミリーマート、平和堂、マルイ、丸紅、三井物産、三越伊勢丹、三菱商事、無印良品、モスバーガー、ヤマダデンキ、ユニクロ、ヨークベニマル、ロイヤルホスト、ローソン、ワークマン
(五十音順)
■金融(20社)
SMBC日興証券、オリックス、かんぽ生命保険、住友生命、ソニー生命、ソニー損保、損保ジャパン、第一生命、大和証券、東京海上、日本生命、野村證券、みずほ銀行、三井住友海上、三井住友信託銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、明治安田生命、ゆうちょ銀行、りそな銀行
(五十音順)
■情報・教育・その他(34社)
Apple Japan、アドベンチャーワールド、アマゾンジャパン、NTT、NTTデータ、NTTドコモ、オリエンタルランド、Google Japan、KDDI、コナミ、サイバーエージェント、セコム、ソフトバンク、大日本印刷(DNP)、DeNA、DMM.com、電通、TOPPAN(凸版印刷)、トレンドマイクロ、日本マイクロソフト、任天堂、ネクソン、ハウステンボス、博報堂、バンダイナムコ、BIPROGY(日本ユニシス)、ベネッセ、メルカリ、星野リゾート、ヤフー、やる気スイッチ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、楽天、リクルート
(五十音順)
※回答者が答えやすい用に、原則として正式社名ではなく、消費者に定着しているブランド名、名称等を優先した。
ホールディングスではなく、事業会社を対象とした。法人格も割愛した。
社名が広く認知されている名称等と異なる場合は、カッコで補記した。
※「個別調査パッケージ」では、ご指定の企業以外を対象に追加調査が可能です。
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SDGs評価はトヨタ1位も前年より低下。サントリー、ユニクロは高評価(2025年)
・第6回企業版SDGs調査2025結果概要
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・「第6回企業版SDGs調査2025」の調査の目的と評価項目
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・調査結果概要(全300社)
消費者によるSDGs評価はトヨタが1位。イオンが2位浮上(企業版SDGs調査2024)
・業界グループ別SDGs評価【電機・電子】
ソニー、パナソニック、セイコー、消費者が評価するSDGs活動
・業界グループ別SDGs評価【建設・不動産】
住友林業や積水ハウス、建設・不動産業界のSDGs活動に対する消費者の評価
・業界グループ別SDGs評価【紙・化学・繊維】
花王は好感度が全企業1位、資生堂は女性活躍で1位。企業の評価に特徴
・業界グループ別SDGs評価【飲料・食品】
SDGs評価はサントリーが4連覇、山崎パンは急上昇。味の素やキユーピーは好感度高い
・業界グループ別SDGs評価【機械・金属】
トヨタ自動車が全300社中1位、企業そのものの認知度も影響する機械・金属業界のSDGs評価
・業界グループ別SDGs評価【エネルギー】
エネルギー業界はSDGs活動を知らない! 業界内評価はENEOSが1位
・業界グループ別SDGs評価【運輸・交通】
ヤマト運輸がSDGs評価トップ、JR東日本やANAが就職意欲度で高評価
・業界グループ別SDGs評価【流通・飲食】
SDGs評価ではイオンが3連覇、利用経験度はコンビニ各社が上位も利用状況で違い
・業界グループ別SDGs評価【金融】
SDGs評価ではオリックスが1位、みずほ銀行は急上昇。認知度では企業名が先行する傾向
・業界グループ別SDGs評価【情報・教育・その他】
全企業の中で最も伸びたNTTドコモがSDGs評価1位。投資意欲では過去と未来で企業に違い
企業評価項目別ランキング(2024年)
・好感度ランキング
好感度は花王が大躍進の1位。味の素、キユーピーが続き、リクルートや山崎製パンが急上昇
・就職意欲度ランキング(近日公開予定)
・投資してみたい企業ランキング(近日公開予定)
SDGs17ゴール別ランキング(2024年)
①「貧困をなくす」「飢餓をゼロに」「すべての人に健康と福祉を」
②「質の高い教育をみんなに」「ジェンダー平等を実現しよう」「安全な水とトイレを世界中に」
③「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」「働きがいも、経済成長も」「産業と技術革新の基盤をつくろう」
④「人や国の不平等をなくそう」「住み続けられる街づくりを」「作る責任、使う責任」
⑤「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさも守ろう」
⑥「平和と公正をすべての人に」「パートナーシップで目標を達成しよう」「17ゴール評価の合計」
企業評価ランキング紹介記事一覧
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株式会社ブランド総合研究所
Tel. 03-3539-3011(代) Fax.03-3539-3013
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