「都道府県魅力度ランキング」で知られている「地域ブランド調査」は、全国3万人以上の消費者を対象に「魅力度」のみならず、「その地域にどのような魅力があるか」についても調査も行っている。
そこで今回は、地域ブランド調査2022の地域資源に関する調査結果より、「食事がおいしい都道府県ランキング」について解説をする。(連載:地域ブランド分析第7弾)
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食事がおいしい都道府県ランキング
大差をつけて北海道が1位に
1位は北海道がランクイン。魅力度ランキングでも14年連続で1位に輝いており、圧倒的な評価を誇る。
今回の調査でも、回答者の約46%が「食事がおいしい」と回答しており、2位とは10ポイント以上の差をつけている。
ウニやホタテ、イクラなどの海鮮や、ザンギやジンギスカンなどにお肉、さらにはソフトクリームなどのスイーツも豊富で、まさに「食材の宝庫」といえる。
豊富な人気グルメ 福岡県が2位
2位は福岡県で、回答者の3人に1人は食事がおいしいと評価した。
豚骨ラーメンに、もつ鍋、水炊き、明太子などの定番グルメをはじめ、ごぼうの天ぷらをトッピングした「ごぼ天うどん」や、ごはんに鶏肉などの具材を混ぜた「かしわめし」などローカルフードも魅力的で、目移りするほどのグルメが立ち並ぶ。
食いだおれの街 大阪府が3位
3位の大阪府は、言わずと知れた「食いだおれの街」。たこ焼きやお好み焼きなどの粉もんグルメをはじめ、串カツや肉吸いなど、独自の食文化も有する。また、オムライスやホルモン料理など、大阪発祥の定番グルメも多い。
下位の都道府県に共通する特徴とは
「食事がおいしい」と回答した割合を赤色の濃さで示している
下位に多い海なし県
日本には全部で8つの海なし県(内陸県)があるが、食事がおいしい都道府県ランキングの下位8県のうち、5県は海なし県がランクインしている。
やはり島国である日本の特徴として、新鮮な海産物が手に入らないハンデの大きさがランキングに表れているかもしれないが、そんな海なし県でも工夫を重ねることで、独自の食文化を生み出している。
例えば、埼玉県は小麦の主要生産県で、全国有数のうどん王国であり、麺の幅が5cm以上もある「こうのす川幅うどん」や、コシが強く つけ汁で食べる「武蔵野うどん」など特徴的なうどんがあるほか、埼玉県が発祥のうどんチェーン店「山田うどん」は埼玉県民のソウルフードとなっている。
同じく海なし県の奈良県は、「日本の食文化発祥の地」ともいわれ、茶、清酒、まんじゅう、豆腐など、奈良にルーツを持つ食材は多い。
各地の食文化は地理的要素に大きく影響を受けるが、その影響を上手く利用した食文化が日本には多くあふれている。この地域性こそが日本の食文化の醍醐味といえるだろう。
連載:地域ブランド調査分析レポート
第1弾「都道府県魅力度ランキングの結果分析」
第2弾「魅力度ランキング伸び1位は和歌山県」
第3弾「札幌市が魅力度1位」・市区町村魅力度ランキング
第4弾「佐賀県の魅力度が最下位になった理由」
第5弾「茨城県はなぜ最下位から脱出できたのか」
第6弾「魅力度ランキング伸び1位は"阿蘇市"! その魅力とは」
第7弾「食事がおいしい都道府県ランキング大公開!」
第8弾「観光意欲度ランキング」上位の順位に変動あり
第9弾「埼玉県は教育・子育てのイメージが日本一!
第10弾「日本全国お祭りの認知度ランキング。
第11弾「購入したい伝統工芸品や地場産業品ランキング。
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ブランド総合研究所(Youtube)
地域ブランド調査2022 調査概要
<調査内容>
「地域ブランド調査2022」は、ブランド総合研究所が年1回実施している調査で、2006年にスタートし、今回が第17回目。調査対象は全792市(2022年4月末現在)と東京23区、および地域ブランドへの取り組みに熱心な185の町村を加えた計1000の市区町村、そして47都道府県です。各地域に対して魅力度など全89項目の設問を設け、地域のブランド力を、消費者が各地域に抱く「魅力」として数値化しました。
<調査概要>
・ 調査方法 インターネット調査
・ 回答者 20代~70代の消費者を男女別、各年代別、地域別にほぼ同数ずつ回収し、
日本の縮図になるように、年齢や地域人口の分布にあわせて再集計した
・ 有効回収数 34,768人(一人の回答者に対して市区町村の調査票では20地域、
都道府県については15または16地域を提示し、それぞれについて回答してもらった。
なお、地域ごとの回答者数は都道府県は平均で1,056人、市区町村は平均で632人)
・ 調査対象 全国1,000の市区町村(全792市+東京23区+185町村)と47都道府県
・ 調査時期 2022年6月22日~7月4日
・ 調査項目 認知、魅力、情報接触、観光意欲、居住意欲、情報接触経路(「旅やグルメに関する番組」など14項目)、地域コンテンツの認知(「海・山・川・湖などの地理的名称」など17項目)、訪問経験(「行楽・観光のため」など6項目)、地域資源評価(「街並みや魅力的な建造物がある」など17項目)、地域の特性(「歴史・文化のまち」など14項目)、地域イメージ(「あこがれる」など14項目)、産品想起率(食品、非食品をそれぞれ自由記述)の計89項目
地域ブランド調査2022ニュースリリース(PDF)はこちらから
「それぞれの都道府県にはどんな魅力があると思いますか」という問いに対して、
「食事がおいしい」など16項目の地域資源を提示し、各項目の回答者割合(%)を算出した。
なお、1人の回答者はあらかじめ指定した15または16の都道府県について回答する仕組みのため、
希望する地域を回答できるわけではない。