ゴール13「気候変動に具体的な対策を」:1位は日産、機械・金属業界や運輸・交通業界が上位に
ゴール14「海の豊かさを守ろう」:マルハニチロとニッスイ、海産物を扱う食品企業がワン・ツー
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「海の豊かさを守ろう」に対する評価が最も高かったのは飲料・食品業界のマルハニチロで9.8%だった。
同社では、自社で取り扱う海産物の持続可能性について調査を実施した結果、将来的な漁獲に心配がある海産物や、絶滅危惧種に該当する魚種も含まれていたことから、取り扱いの見直しや、持続可能性を研究する外部機関の調査に協力を進めている。
2位は同じく飲料・食品業界のニッスイで6.9%。
同社では取り扱う海産物の持続性調査に加え、海洋環境保全のため、海辺や河川での清掃活動から、水源となる森林の保全活動を実施している。
上位2社はいずれも、持続可能な水産物生産と海洋環境を守るため、世界の大手水産企業による組織「SeaBOS」に加盟している。
上位を海産物関係の企業が占める中、運輸・交通業界の商船三井が4.3%で6位に入った。
同社では海に浮かぶマイクロプラスチックを回収する装置を他の企業と共同で開発し、自社が保有する貨物船に搭載することで、従来と比べて年間約70倍の海水改善に成功している。
ゴール15「陸の豊かさも守ろう」: サントリーが1位、住友林業と伊藤園が続く
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「陸の豊かさも守ろう」に対する評価が最も高かったのは飲料・食品業界のサントリーで6.2%。
飲料水を生産する同社では、水源となる森林を「天然水の森」として生態系の保全などに努め、国内工場で汲み上げる地下水量以上の水を養っている。
2位は建設・不動産業界の住友林業で5.2%。
木材生産も行う同社では、国内の社有林で持続可能な森林管理を実施しているだけではなく、インドネシアやニュージーランドなどの外国においても、自社生産した苗木による植林活動を実施している。
3位は飲料・食品業界の伊藤園で4.8%。
同社では2010年から森林・水・生物多様性保全をテーマとした「お茶で日本を美しく。」プロジェクトを実施し、キャンペーン期間中の商品売上の一部を、全47都道府県ごとに環境保全活動費用として寄付している。
(SDGs17ゴール別評価⑥「平和と公正をすべての人に」「パートナーシップで目標を達成しよう」「17ゴール評価の合計」に続く)
前回記事→④「人や国の不平等をなくそう」「住み続けられる街づくりを」「作る責任、使う責任」
※各ゴール別ランキングの21位以下の企業は、総合報告書に記載。
※調査対象となる企業300社は、業界別に売上規模が大きな企業およびSDGsに対して積極的に取り組んでいる企業を中心に選出した。
※SDGs17ゴール別の評価は、各社それぞれについて「SDGsに設定されている以下の17のゴールの中で、各社が取り組んでいると思うものをお選びください」との問いに対し、各社で取り組んでいると思う項目をあてはまるだけ消費者に選んでもらい、各項目の回答率を評価の値とした(各社を「名前も知らない」と答えた人は回答できないようにしている)。
調査概要
調査概要
第5回企業版SDGs調査2024は、20歳以上の男女を対象に、2024年9月19日から22日にかけてインターネットで調査を実施し、各社1,000人(1人の回答者には10社について評価)となるように計30,000人の回答を集めた。
不完全回答や信頼度の低い回答は集計対象外としたため、計24,254人を有効回答とした。
調査は各社のSDGs取組の評価、17ゴール別の評価、ESG活動の評価、情報入手経路などについての設問を設けたほか、各社の好感度、利用経験、就職意欲、投資意欲などについての質問も設け、SDGs活動による各社の企業評価への影響度を分析した。
・調査方法 インターネット調査
・調査対象 47都道府県の登録調査モニター(20歳以上)から年代・性別に均等に回収
・総回収数 計30,000人 (各社1,000人となるように回収)
・有効回答数 計24,254人 (各社の平均回答者数は808人)
・調査時期 2024年9月19日~9月22日
・調査項目 SDGs意識: 購入・利用時のSDGs意識
SDGs評価: SDGs取組評価、ゴール別評価、情報入手経路、ESG活動
企業評価: 企業認知度、好感度、利用経験、就職意欲、投資意欲
回答者属性: 年齢、性別、婚姻、子供の有無、世帯年収、居住形態など
調査報告書のご案内
・報告書冊子 (価格は税込)
基本セット:165,000円 総合報告書+個別報告書
総合報告書: 99,000円 A4判 約200ページ
個別報告書: 99,000円 A4判 約25ページ (3年分の結果付)
オプション: 各報告書データCDは 33,000円 (調査結果のデータを収録)
・個別調査パッケージ(価格は税込)
追加調査パッケージ: 385,000円 対象企業以外について調査を実施
・報告会・セミナー (価格は税込。交通費、報告書は別途)
調査結果を基にセミナーまたは研修会を実施: 110,000円
関連記事一覧
・「第5回企業版SDGs調査2024」の調査の目的と評価項目
業界別結果
・調査結果概要(全300社)
消費者によるSDGs評価はトヨタが1位。イオンが2位浮上(企業版SDGs調査2024)
・業界グループ別SDGs評価【電機・電子】
ソニー、パナソニック、セイコー、消費者が評価するSDGs活動
・業界グループ別SDGs評価【建設・不動産】
住友林業や積水ハウス、建設・不動産業界のSDGs活動に対する消費者の評価
・業界グループ別SDGs評価【紙・化学・繊維】
花王は好感度が全企業1位、資生堂は女性活躍で1位。企業の評価に特徴
・業界グループ別SDGs評価【飲料・食品】
SDGs評価はサントリーが4連覇、山崎パンは急上昇。味の素やキユーピーは好感度高い
・業界グループ別SDGs評価【機械・金属】
トヨタ自動車が全300社中1位、企業そのものの認知度も影響する機械・金属業界のSDGs評価
・業界グループ別SDGs評価【エネルギー】
エネルギー業界はSDGs活動を知らない! 業界内評価はENEOSが1位
・業界グループ別SDGs評価【運輸・交通】
ヤマト運輸がSDGs評価トップ、JR東日本やANAが就職意欲度で高評価
・業界グループ別SDGs評価【流通・飲食】
SDGs評価ではイオンが3連覇、利用経験度はコンビニ各社が上位も利用状況で違い
・業界グループ別SDGs評価【金融】
SDGs評価ではオリックスが1位、みずほ銀行は急上昇。認知度では企業名が先行する傾向
・業界グループ別SDGs評価【情報・教育・その他】
全企業の中で最も伸びたNTTドコモがSDGs評価1位。投資意欲では過去と未来で企業に違い
企業評価項目別ランキング
・好感度ランキング
好感度は花王が大躍進の1位。味の素、キユーピーが続き、リクルートや山崎製パンが急上昇
・就職意欲度ランキング(近日公開予定)
・投資してみたい企業ランキング(近日公開予定)
SDGs17ゴール別ランキング
①「貧困をなくす」「飢餓をゼロに」「すべての人に健康と福祉を」
②「質の高い教育をみんなに」「ジェンダー平等を実現しよう」「安全な水とトイレを世界中に」
③「エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」「働きがいも、経済成長も」「産業と技術革新の基盤をつくろう」
④「人や国の不平等をなくそう」「住み続けられる街づくりを」「作る責任、使う責任」
⑤「気候変動に具体的な対策を」「海の豊かさを守ろう」「陸の豊かさも守ろう」
⑥「平和と公正をすべての人に」「パートナーシップで目標を達成しよう」「17ゴール評価の合計」
2024年調査での調査対象企業一覧(全300社)
■建設・不動産(18社)
大林組、鹿島建設、清水建設、住友不動産、住友林業、積水ハウス、大成建設、大東建託、大和ハウス工業、竹中工務店、東急不動産、トヨタホーム、パナソニックホームズ、ミサワホーム、三井不動産、三菱地所、森トラスト、森ビル
(五十音順)
■機械・金属(30社)
IHI、アイシン、荏原製作所、クボタ、神戸製鋼所、コマツ、スズキ、SUBARU、 住友重機械工業、住友電気工業、JFEスチール、ダイキン工業、ダイハツ工業、デンソー、トヨタ自動車、豊田自動織機、トヨタ紡織、日産自動車、日本軽金属、日本製鉄、日立建機、プロテリアル(日立金属)、本田技研工業(ホンダ)、マツダ、三菱自動車工業、三菱重工、ヤマハ、ヤマハ発動機、YKK、YKK AP
(五十音順)
■電機・電子(32社)
アイリスオーヤマ、アルプスアルパイン、アンリツ、NEC、EPSON、オムロン、オリンパス、カシオ計算機、キーエンス、キヤノン、京セラ、コニカミノルタ、島津製作所、シャープ、セイコー、ソニー、TDK、テルモ、デンソーテン、東京エレクトロン、東芝、日本IBM、パイオニア、パナソニック、日立製作所、富士通、富士電機、三菱電機、ミネベアミツミ、村田製作所、横河電機、リコー
(五十音順)
■紙・化学・繊維(39社)
旭化成、アシックス、アストラゼネカ、エーザイ、AGC、王子製紙、大塚製薬、オンワード、花王、カネカ、サラヤ、シオノギ製薬、資生堂、住友化学、住友ゴム工業、積水化学工業、第一三共、大王製紙、武田薬品工業、田辺三菱製薬、帝人、DIC、東レ、TOTO、日本ガイシ、日本製紙、久光製薬、ファンケル、富士フイルム、ブリヂストン、ミズノ、三井化学、三菱ケミカル、三菱マテリアル、UBE(宇部興産)、ユニ・チャーム、横浜ゴム、LIXIL、ワコール
(五十音順)
■飲料・食品(35社)
アサヒビール、味の素、味の素AGF、伊藤園、おやつカンパニー、カゴメ、カルビー、カルピス、キッコーマン、キユーピー、キリンビール、小岩井乳業、サッポロビール、サントリー、JT(日本たばこ産業)、日清オイリオ、日清食品、日清製粉、ニッスイ、日本ハム、日本コカ・コーラ、ニチレイ、ネスレ日本、ハウス食品、不二製油、マルハニチロ、三菱食品、明治、森永製菓、森永乳業、ヤクルト、山崎製パン、UCC上島珈琲、雪印メグミルク、ロッテ
(五十音順)
■エネルギー(19社)
出光興産、岩谷産業、INPEX、ENEOS、大阪ガス、沖縄電力、関西電力、九州電力、コスモ石油、四国電力、中国電力、中部電力、電源開発(J-POWER)、東京ガス、東京電力、東邦ガス、東北電力、北陸電力、北海道電力
(五十音順)
■輸送(37社)
アート引越センター、ANA(全日空)、大塚倉庫、小田急電鉄、近畿日本鉄道、京王電鉄、京成電鉄、京阪電気鉄道、京浜急行電鉄、相模鉄道、佐川急便、JTB、JR九州、JR四国、JR東海、JR西日本、JR東日本、JR北海道、商船三井、西濃運輸、西武鉄道、東急電鉄、東京地下鉄(東京メトロ)、東武鉄道、名古屋鉄道、西日本鉄道、日本通運、日本郵政、日本郵船、日本航空(JAL)、日本旅行、阪急電鉄、阪神電気鉄道、三菱倉庫、ヤマト運輸、ロジスティード(日立物流)
(五十音順)
■流通・飲食(36社)
イオン、伊藤忠商事、イトーヨーカドー、オイシックス、ケーズデンキ、コジマ、しまむら、ジャパネットたかた、すかいらーく、スターバックス、住友商事、セブン‐イレブン、全国生活協同組合(生協)、双日、ZOZO、大丸松坂屋百貨店、高島屋、ドトールコーヒー、ニトリ、日本マクドナルド、ビックカメラ、ファミリーマート、平和堂、マルイ、丸紅、三井物産、三越伊勢丹、三菱商事、無印良品、モスバーガー、ヤマダデンキ、ユニクロ、ヨークベニマル、ロイヤルホスト、ローソン、ワークマン
(五十音順)
■金融(20社)
SMBC日興証券、オリックス、かんぽ生命保険、住友生命、ソニー生命、ソニー損保、損保ジャパン、第一生命、大和証券、東京海上、日本生命、野村證券、みずほ銀行、三井住友海上、三井住友信託銀行、三井住友銀行、三菱UFJ銀行、明治安田生命、ゆうちょ銀行、りそな銀行
(五十音順)
■情報・教育・その他(34社)
Apple Japan、アドベンチャーワールド、アマゾンジャパン、NTT、NTTデータ、NTTドコモ、オリエンタルランド、Google Japan、KDDI、コナミ、サイバーエージェント、セコム、ソフトバンク、大日本印刷(DNP)、DeNA、DMM.com、電通、TOPPAN(凸版印刷)、トレンドマイクロ、日本マイクロソフト、任天堂、ネクソン、ハウステンボス、博報堂、バンダイナムコ、BIPROGY(日本ユニシス)、ベネッセ、メルカリ、星野リゾート、ヤフー、やる気スイッチ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、楽天、リクルート
(五十音順)
「個別調査パッケージ」をご購入いただくと、ご指定の企業を対象に追加調査が可能です。
★同じ項目で実施するので、新規調査を実施するよりも割安です。
★全300社や業界内での順位や平均値、特定他社との各項目の比較が可能です。
企業評価ランキング紹介記事一覧
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Homepage: http://tiiki.jp
SDGsの17ゴールのうち、「気候変動に具体的な対策を」に対する評価が最も高かったのは機械・金属業界の日産自動車で5.2%だった。
同社では電気自動車の更なる普及を目指し、動力源となるリチウムイオンバッテリーの大容量化や廃車後の再利用、非接触型の充電技術の開発、耐久性の向上に長年取り組んでいる。
5位は運輸・交通業界の日本通運で4.8%。
同社では2050年までにグループ全体でカーボンニュートラル社会の実現を目指して自社内で取り組んでいるだけではなく、国際輸送における二酸化炭素排出量を算出・可視化するサービス「「NX-GREEN Calculator」を提供しており、顧客へ取り組みの啓発を実施している。
6位は同じく運輸・交通業界のJR東日本で4.7%。
同社では将来的な導入を目指して水素燃料電池と蓄電池を電源とするハイブリッド電車の開発を進めており、また、街づくりを手掛ける高輪ゲートウェイ駅周辺では再生可能エネルギーを活用する予定である。
※小数点2位以下が異なる場合は順位も異なる