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SDGsの評価につながりやすいゴールは? (企業版SDGs調査2023)

SDGsの評価につながりやすいゴールは? (企業版SDGs調査2023)

SDGsには17のゴールが設定されているが、どのゴールに取り組むことが最も企業の評価に効果的か? この疑問はSDGs担当者のほとんどが感じているだろう。 「企業版SDGs調査2023」では、対象となった290社のSDGs取組に対する消費者の評価の結果をもとに「重回帰分析」という手法において分析した。

効果を説明する前に、まずは消費者が各企業の17のゴールに対する取組をどのように評価しているかを見てみる。

「SDGsに設定されている以下の17のゴールの中で、各社が取り組んでいると思うものをお選びください」との問いに対し、SDGsで設定されている17のゴールの中から選んでもらった結果をまとめた(複数回答可能。回答者は「名前も知らない」と答えた企業については回答できない)。

グラフは調査対象となった290社の平均(%)と、全290社の中で最も評価が高かった企業の値(%)を示した。

その結果、最も多い人が評価したのは「働きがいも、経済成長も」で290社平均では5.6%だった。なお、この項目が最も評価されたのは佐川急便で10.9%だった。
次に高かったのは「産業と技術革新の基盤を作ろう」で290社平均では5.1%。この項目が最も高いのはトヨタ自動車で14.8%だった。なお、同社は「作る責任、使う責任」でも最も高く評価されている。

調査の対象とした290社は、日本の各業界を代表する企業であるにもかかわらず、17ゴールの平均は3.2%と、各ゴールについて消費者にその取り組みが幅広く知られているわけではない。特に「パートナーシップで目標を達成しよう」は290社平均では1.7%にすぎない。

一方、17ゴールの中で最も高く評価された企業の結果は、「7.エネルギーをみんなに、そしてクリーンに」では東京電力の18.4%だった。次いで「6. 安全な水とトイレを世界中に」でTOTOの18.1%。
他の多くのゴールで10%以上の消費者から評価されている企業が数多くあることから、企業はSDGsについては17ゴールを広範囲に評価されているのではなく、特定のゴールについて評価されているケースが多いことがわかる。

企業のホームページを見ると、17のすべてのゴールに対して「△△やっています」などとまんべんなく取り組んでいることをアピールしているケースが少なくないが、今回の調査結果からはこれは得策ではないことがわかる。
消費者からの評価を高めるには、むしろ特定のゴールに絞って、具体的な取り組みを伝える方が効果的だということになる。

SDGs評価に最も高いのは、「陸の豊かさを守ろう」

では、17ゴールのどれに取り組んでいることを伝えることが効果的なのだろうか。そこで、17のゴールごとに、SDGs評価への影響の大きさを分析した。

分析の方法は、290社の結果から、SDGs評価を目的変数、SDGsゴール別評価を説明変数(独立変数)として、重回帰分析という解析手法を使って行うこととした。その結果をまとめたのが左のグラフだ。
この数字(重回帰係数)が大きいほどSDGs評価への貢献度(影響)が強いことになる(係数は最大が1)。ただし、表にない11のゴールは十分な影響度が算出されなかった。

分析の結果、17ゴールの中でSDGs評価に最も影響度が大きいのは「ジェンダー平等を実現しよう」となった。次いで「飢餓をゼロに」、「作る責任、使う責任」の順で大きいという結果になった。
ただし、「安全な水とトイレを世界中に」、「陸の豊かさも守ろう」など右の表に記載した項目については、係数が0.3を超えており、かなりの影響度が見受けられる。

なお、この分析の信頼性および説明力はかなり高いという結果になった(回帰式全体の重相関係数R=0.937、決定係数R2=0.878、有意F=0.000)。

※詳細な結果および290社の評価データは「総合報告書」に記載

企業版SDGs調査2023 調査概要

<調査概要>
 第4回企業版SDGs調査2023は、20歳以上の男女を対象に、2023年8月7日から9日にかけてインターネットで調査を実施し、各社1,000人(1人の回答者には10社について評価)となるように計29,000人の回答を集めた。不完全回答や信頼度の低い回答は集計対象外としたため、計23,546人を集計した。調査は各社のSDGs取組の評価、17ゴール別の評価、ESG活動の評価、情報入手経路などについての設問を設けたほか、各社の好感度、利用経験、就職意欲、投資意欲などについての質問も設け、SDGs活動による各社の企業評価への影響度を分析した。

  ・ 調査方法: インターネット調査
  ・ 調査対象: 47都道府県の登録調査モニター(20歳以上)から年代・性別に均等に回収
  ・ 総回収数: 計29,000人 (各社1,000人となるように回収)
  ・ 有効回答数: 計23,546人 (各社の回答者数は平均812人)
  ・ 調査時期: 2023年8月7日~8月9日
  ・ 調査項目: SDGs意識: 購入・利用時のSDGs意識
         SDGs評価: SDGs取組評価、ゴール別評価、情報入手経路、ESG活動
         企業評価: 企業認知度、好感度、利用経験、就職意欲、投資意欲
         回答者属性: 年齢、性別、婚姻、子供の有無、世帯年収、居住形態など

調査報告書の購入方法

<調査報告書>
・報告書冊子 (価格は税込)
   基本セット:165,000円 総合報告書+個別報告書 
   総合報告書: 99,000円 A4判 約200ページ
   個別報告書: 99,000円 A4判 約25ページ (3年分の結果付)
   オプション: 各報告書データCDは 33,000円 (調査結果のデータを収録)
・個別調査パッケージ(価格は税込)
   追加調査パッケージ: 385,000円  対象企業以外について調査を実施
   追加調査パッケージ: 385,000円  各社のSDGs活動について追加設問(10問)を実施
・報告会・セミナー (価格は税込。交通費、報告書は別途)
   調査結果を基にセミナーまたは研修会を実施: 110,000円


報告書のお申込みはこちらから ▶▶▶ 注文ページ

<本件に関する問合せ先>
 株式会社ブランド総合研究所 
 Tel. 03-3539-3011(代)  Fax.03-3539-3013
 E-mail:  sdgs★tiiki.jp (★を半角@に変更しお送りください)
 Homepage: http://tiiki.jp

過去の調査結果

SDGs調査記事一覧

◆企業版SDGs調査2023
・ SDGsの評価につながりやすいゴールは?
・ 購入・利用時にSDGsを意識する消費者は2割
・ 「環境に配慮している」企業ランキング1位はトヨタ自動車。2位住友林業
・ 消費者によるSDGs評価1位は3年連続でトヨタ

◆BtoB企業のSDGs調査2023
・ BtoB企業256社のSDGsをランキング。トヨタが3冠王
・ SDGsは企業間取引の必要条件に。サステナブル購買の実践は35%

◆企業版SDGs調査2022
・ SDGs評価が高い企業ランキング2022【機械・金属】
・ SDGs評価が高い企業ランキング2022【電機・電子】
・ SDGs評価が高い企業ランキング2022【飲料・食品】
・ SDGs評価が高い企業ランキング2022【流通・飲食】
・ SDGs評価が高い企業ランキング2022【情報・教育】
・ SDGs評価が高い企業ランキング2022【輸送】
・ SDGs評価が高い企業ランキング2022【金融】
・ SDGs評価が高い企業ランキング2022【紙・化学・繊維】
・ SDGs評価が高い企業ランキング2022【エネルギー】
・ SDGs評価が高い企業ランキング2022【建設・不動産】

◆企業版SDGs調査2021
・ 企業のSDGs取り組みを消費者が評価。
・ 「女性が働きやすい企業」1位はワコール
・ 「スポーツや文化活動に熱心な企業」1位はミズノ

◆地域版SDGs調査2023
・ 幸福度ランキング1位は沖縄県!熊本県が大幅上昇
・ 都道府県SDGsランキング1位は山形県!!

◆地域版SDGs調査2022
・ 「住民によるSDGs評価は鳥取県が3年連続1位」
・ 地域への貢献度ランキング、1位はトヨタ(愛知)、2位はハウステンボス(長崎)
・ "住民による"都道府県・魅力度ランキング、1位は沖縄県

◆地域の持続性調査2022
・ 幸福度1位は沖縄県(2年連続)。愛着、定住意欲と3冠に
・ 都道府県・持続度ランキング1位は沖縄県(3年連続)。上位は九州地方が独占

この記事のライター
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