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業界1位ドコモは伸び率も全体1位。投資意欲は任天堂、働きがいはリクルートが上回る・・・情報、教育、その他(企業版SDGs調査2024)

業界1位ドコモは伸び率も全体1位。投資意欲は任天堂、働きがいはリクルートが上回る・・・情報、教育、その他(企業版SDGs調査2024)

情報、教育、その他の業界のSDGsに対する取り組みは、消費者からどのぐらい評価されているのだろうか? 国内有力企業300社のSDGs取組やESG活動を消費者視点で評価する「企業版SDGs調査2024」より、情報、教育、その他の業界34社の結果を分析した。

消費者の半分は各社のSDGs活動を「どちらともいえない」と評価

年代、性別が均等になるように抽出した消費者に対し、情報、教育、その他の業界の有力企業各34社それぞれに対して「あなたは各社がSDGs(持続的な開発目標)への取り組みをしていると思いますか」との設問に対し、「本格的に取り組んでいる」と回答した人は7.6%、「少し取り組んでいる」と回答した人は11.4%で、両者を合計すると19.0%の消費者は、各社のSDGs活動を評価していた。
300社全体の平均と比較すると、「本格的に取り組んでいる」(300社平均7.9%)と「少し取り組んでいる」(同11.9%)のいずれも下回った。

一方、「あまり取り組んでいない」と回答した人は3.0%(300社平均2.7%)、「全く取り組んでいない」と回答した人は2.5%(同2.3%)と、ネガティブな評価をしている人はそれぞれ300社全体の平均を上回った。

また、「どちらともいえない」と回答した人は50.9%と300社平均(48.9%)を上回り、消費者の約半分にのぼった。
消費者からのSDGs評価が比較的厳しい同業界だが、半分を占める「どちらともいえない」消費者に各社のSDGs活動が充分認知されれば、業界全体としての評価が上昇する余地があると言えるのではないだろうか。

全300社で最も評価が伸びたNTTドコモが1位、NTT、KDDIが続く

次に、情報、教育、その他の業界34社の中での、SDGs評価を比較した。

「本格的に取り組んでいる」と回答した人を100点、「少し取り組んでいる」を50点、「どちらとも言えない」を0点、「あまり取り組んでいない」をー50点、「全く取り組んでいない」をー100点として、企業ごと加重平均した値を「SDGs評価点」とした。
なお、各社を「名前も知らない」と答えた人は0点とした。

情報、教育、その他の業界内で最も評価が高かったのはNTTドコモで17.3点。
2020年の調査開始以来初の業界内1位だっただけではなく、300社全体でも6番目に評価が高かった。
また、評価点は前年(10.1点)から急上昇を見せており、伸び幅7.2点は業界内だけではなく、300社全体の中でも最も大きかった。
選択肢別では「本格的に取り組んでいる」が11.9%、「少し取り組んでいる」が17.9%と、いずれも業界内で最も高く、300社全体では6位と前年の84位より急上昇している。

2位はNTTで14.8点、こちらは前年(12.5点)から2.3点伸ばした。
選択肢別では「本格的に取り組んでいる」が10.6%、「少し取り組んでいる」が17.1%と、それぞれ業界内でNTTドコモに次ぐ2番目の評価を得た。

3位はKDDIで13.9点、前年(5.8点)からは3.4点伸ばした。
選択肢別では特に「少し取り組んでいる」が15.7%と、業界内で3番目に高い評価を得た。

7位のリクルートは評価点が前年(5.8点)から5.5点の増加を見せ、その伸び幅は業界内で2番目、300社全体の中では6番目に大きかった。
選択肢別では「本格的に取り組んでいる」が8.2%で前年(4.2%)から4.0ポイント、「少し取り組んでいる」が15.0%で前年(12.0%)から3.0ポイント、それぞれ増加した。

業界34社の平均評価点は9.3点と、300社全体の平均評価点(10.2点)には0.9点届かなかった。
しかし、業界内のSDGs評価TOP10に入ったすべての企業、および前年と比較可能な全29社中23社でSDGs評価が前年から増加した結果、業界の平均評価点は前年(6.7点)から2.6点増加した。
同業界は前年から調査対象企業が5社追加されており、あくまで目安ではあるものの、前年からの評価点の伸び幅は今回調査対象となった10の業界グループの中で最も大きかった。

※11位以下の企業の結果は、総合報告書に記載

SDGs17ゴール別では「人や国の不平等をなくそう」など過半数で高い評価

SDGsで設定されている17ゴール別の取組評価を、情報、教育、その他の業界34社平均と、調査対象の全300社平均で比較してみた。

その結果、17あるゴールのうち、情報、教育、その他の業界の平均が300社平均を上回ったのは過半数にあたる9項目だった(一部小数点2位以下の差による)。
特に「10.人や国の不平等をなくそう」は4.2%で300社平均(3.0%)を1.2ポイント、「4.質の高い教育をみんなに」は4.0%で300社平均(3.3%)を0.7ポイント、それぞれ上回っただけではなく、今回調査対象となった10の業界の中で最も平均評価が高かった。

ゴール別に各社の評価を見ると、「4.質の高い教育をみんなに」が業界内で最も高かったのはベネッセで11.1%。
同社は300社全体の中でも最も評価が高く、10%を超えた唯一の企業だった。
以下、リクルート、NTT、NTTドコモと続き、業界内上位4社が300社全体でもそのまま上位4位を占めた。
300社全体の上位50位以内には上記を含めた計9社が、同業界からランクインした。

「5.ジェンダー平等を実現しよう」で最も評価が高かったのはNTTドコモで6.0%、同社は300社全体では9位に入った。
次いでユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)が300社中10位にランクインした。

「8.働きがいも、経済成長も」で最も評価が高かったのはリクルートで11.4%。
同社は300社全体の中でも最も評価が高く、10%を超えた唯一の企業だった。
同社をはじめとして、同業界からは計9社が上位50位以内にランクインした。

「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」で最も評価が高かったのはNTTドコモで12.9%。
同社は300社全体でも、機械・金属業界のトヨタ自動車(15.3%)に次いで2番目に評価が高かった。
KDDIが300社中5位、NTTが同6位と続き、同業界からは計3社がTOP10にランクインした。

「10.人や国の不平等をなくそう」で最も評価が高かったのはオリエンタルランド(TDR)で7.0%。
同社は300社全体の中でも最も評価が高かった。
リクルート、ソフトバンク、USJ、ヤフーと続き、業界内の上位5社がそのまま300社全体でも上位5位を占めた。
続く日本マイクロソフトが300社中10位に入り、300社全体のTOP10のうち6社を同業界の企業が占めた。

「13.気候変動に具体的な対策を」で最も評価が高かったのはNTTドコモで3.9%。
TOP10入りする企業こそなかったものの、300社全体の上位50位以内には同業界から計5社がランクインした。

「14.海の豊かさを守ろう」で最も評価が高かったのはアドベンチャーワールドで3.3%。
こちらもTOP10入りする企業こそなかったものの、300社全体の上位50位以内には同業界から計5社がランクインした。

「16.平和と公正をすべての人に」で最も評価が高かったのはUSJで4.1%。
同社は300社全体の中でも最も評価が高かった。
続くNTTドコモが300社中2位タイ、オリエンタルランド(TDR)が同7位に入り、TOP10には同業界から計3社がランクインした。

「17.パートナーシップで目標を達成しよう」で最も評価が高かったのは楽天で3.8%。
同社は300社全体でも、流通・飲食業界のイオン(4.0%)に次いで2番目に評価が高かった。
続くソフトバンクが300社中4位、NTTドコモが同5位、Google Japanが同6位、アマゾンジャパンが同10位に入り、TOP10のうち半分の5社を同業界の企業が占めた。

一方、残りの8項目では300社平均を下回った。
特に「2.飢餓をゼロに」は2.0%にとどまり、300社全体の平均(3.1%)とは1ポイント以上の差があった。

企業別に見ると、上記に加え「1.貧困をなくす」「3.すべての人に健康と福祉を」の3項目では、300社全体のTOP10どころか、上位50位以内に同業界の企業が1社もランクインしなかった。

「今まで」と「これから」では投資対象となりえる企業に違い

情報、教育、その他の業界各社に対して、消費者はどのぐらい投資意欲を持っているのか、300社全体の平均と比較してみた。

情報、教育、その他の業界34社それぞれについて、「あなたは各社の株や債券などに投資したいと思いますか」という設問に対し、「いま投資している」と回答した人は2.9%、「過去に投資したことがある」と回答した人は3.6%で、合計6.5%の消費者は、実際に各社に投資した経験があった。
300社全体の平均と比較すると、「いま投資している」(300社平均2.8%)、「過去に投資したことがある」(同3.3%)ともに上回った。
また、「投資を検討したい」と回答した人は14.4%(同14.1%)と、これから各社に投資してみたいと考えている消費者の割合についても、300社全体の平均を上回った。

上記の結果だけ見ると、同業界の企業は比較的投資対象になりやすいと伺える。
しかし、同じ業界内でも「今までに投資経験がある企業」と「これから投資をしてみたい企業」では様相が異なる。

各社の「いま投資している」と「過去に投資したことがある」の割合の合計を業界内で比較すると、最も評価が高かったのはNTTで10.6%。
同社は300社全体の中でも最も評価が高かった。
選択肢別では特に「いま投資している」が5.0%と業界内で最も高く、300社全体では流通・飲食業界のイオンに次ぐ2位だった。

2位はNTTドコモで9.2%、同社は300社全体ではNTT、機械・金属業界の日産自動車に次いで3番目に高かった。
選択肢別では特に「いま投資している」が業界内2位、300社全体でも4位にランクインした。

3位は楽天で8.6%、同社は300社中8位に入った。
選択肢別では特に「過去に投資したことがある」が5.6%と、業界内だけではなく、300社全体の中でも最も高かった。

上位陣を見る、通信インフラに関係がある企業が目立った。

一方、各社の「投資を検討してみたい」という評価を比較すると、業界内で最も高かったのはコンピューターゲームなどを手掛ける任天堂で20.8%。
同社は先述の「投資経験率」では業界内6位だったが、こちらでは300社全体でも5位に入るほどの高い評価を受けた。

先ほどの「投資経験率」と比較すると、「投資経験率」で業界1位だったNTTや2位のNTTドコモなどが根強い人気が伺える一方で、アマゾンジャパンなどの外資系企業、警備会社のセコム、人材派遣などを扱うリクルートなど、10社中6社が入れ替わり、新たに顔を覗かせる結果となった。

過去に投資していた消費者がもう一度同じ会社に投資を検討しているケースもあるため一概には言えないが、投資先として人気の企業が同じ業界内でも変化してきている現状が伺える。

調査概要・報告書のご案内

調査概要

第5回企業版SDGs調査2024は、20歳以上の男女を対象に、2024年9月19日から22日にかけてインターネットで調査を実施し、各社1,000人(1人の回答者には10社について評価)となるように計30,000人の回答を集めた。
不完全回答や信頼度の低い回答は集計対象外としたため、計24,254人を有効回答とした。

調査は各社のSDGs取組の評価、17ゴール別の評価、ESG活動の評価、情報入手経路などについての設問を設けたほか、各社の好感度、利用経験、就職意欲、投資意欲などについての質問も設け、SDGs活動による各社の企業評価への影響度を分析した。

・調査方法   インターネット調査
・調査対象  47都道府県の登録調査モニター(20歳以上)から年代・性別に均等に回収
・総回収数  計30,000人 (各社1,000人となるように回収)
・有効回答数 計24,254人 (各社の平均回答者数は808人)
・調査時期  2024年9月19日~9月22日
・調査項目  SDGs意識: 購入・利用時のSDGs意識
       SDGs評価: SDGs取組評価、ゴール別評価、情報入手経路、ESG活動
       企業評価: 企業認知度、好感度、利用経験、就職意欲、投資意欲
       回答者属性: 年齢、性別、婚姻、子供の有無、世帯年収、居住形態など

調査報告書のご案内

・報告書冊子 (価格は税込)
   基本セット:165,000円 総合報告書+個別報告書 
   総合報告書: 99,000円 A4判 約200ページ
   個別報告書: 99,000円 A4判 約25ページ (3年分の結果付)
   オプション: 各報告書データCDは 33,000円 (調査結果のデータを収録)
・個別調査パッケージ(価格は税込)
   追加調査パッケージ: 385,000円  対象企業以外について調査を実施
・報告会・セミナー (価格は税込。交通費、報告書は別途)
   調査結果を基にセミナーまたは研修会を実施: 110,000円

ご注文は → お申込みフォーム をクリック
過去の調査結果等は → 過去の調査結果 をクリック

2024年調査での情報、教育、その他の業界グループ対象企業一覧(全34社)

Apple Japan、アドベンチャーワールド、アマゾンジャパン、NTT、NTTデータ、NTTドコモ、オリエンタルランド、Google Japan、KDDI、コナミ、サイバーエージェント、セコム、ソフトバンク、大日本印刷(DNP)、DeNA、DMM.com、電通、TOPPAN(凸版印刷)、トレンドマイクロ、日本マイクロソフト、任天堂、ネクソン、ハウステンボス、博報堂、バンダイナムコ、BIPROGY(日本ユニシス)、ベネッセ、メルカリ、星野リゾート、ヤフー、やる気スイッチ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、楽天、リクルート
(計34社 五十音順)

他の業界・対象企業については、こちらからご覧ください。

関連記事一覧

第5回企業版SDGs調査2024

「第5回企業版SDGs調査2024」のご案内

調査結果概要(全300社)
  消費者によるSDGs評価はトヨタが1位。イオンが2位浮上(企業版SDGs調査2024)

業界グループ別SDGs評価【電機・電子】
  ソニー、パナソニック、セイコー、消費者が評価するSDGs活動

業界グループ別SDGs評価【建設・不動産】
  住友林業や積水ハウス、建設・不動産業界のSDGs活動に対する消費者の評価

業界グループ別SDGs評価【紙・化学・繊維】
  花王は好感度が全企業1位、資生堂は女性活躍で1位。企業の評価に特徴

業界グループ別SDGs評価【飲料・食品】
  SDGs評価はサントリーが4連覇、山崎パンは急上昇。味の素やキユーピーは好感度高い

業界グループ別SDGs評価【機械・金属】
  トヨタ自動車が全300社中1位、企業そのものの認知度も影響する機械・金属業界のSDGs評価

業界グループ別SDGs評価【エネルギー】
  エネルギー業界はSDGs活動を知らない! 業界内評価はENEOSが1位

業界グループ別SDGs評価【運輸・交通】
  ヤマト運輸がSDGs評価トップ、JR東日本やANAが就職意欲度で高評価

業界グループ別SDGs評価【流通・飲食】
  SDGs評価ではイオンが3連覇、利用経験度はコンビニ各社が上位も利用状況で違い

業界グループ別SDGs評価【金融】
  SDGs評価ではオリックスが1位、みずほ銀行は急上昇。認知度では企業名が先行する傾向

業界グループ別SDGs評価【情報・教育・その他】
  全企業の中で最も伸びたNTTドコモがSDGs評価1位。投資意欲では過去と未来で企業に違い

企業評価ランキング紹介記事一覧

好感度ランキング
  好感度は花王が大躍進の1位。味の素、キユーピーが続き、リクルートや山崎製パンが急上昇

・就職意欲度ランキング(近日公開予定)
・投資してみたい企業ランキング(近日公開予定)
・SDGs17ゴール別ランキング(近日公開予定)

本件に関する問合せ先

株式会社ブランド総合研究所 
Tel. 03-3539-3011(代)  Fax.03-3539-3013
E-mail:  sdgs★tiiki.jp (★を半角@に変更しお送りください)
Homepage: http://tiiki.jp

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