このデータは、主要企業に対するSDGsやESG評価などの企業評価に関する設問から構成されている「企業版SDGs調査2022」の結果の中から、回答者に「環境に配慮している」と評価された割合(%)によるもの。
第3回目となる2022年の調査における対象企業は業界別に売り上げ規模の大きな企業と、SDGsやESGに積極的に取り組んでいる企業を中心に、ブランド総合研所が独自に算出した260社。なお、2021年の対象企業数は210社のため、評価値が上昇していても、順位が下がっている場合がある。
この調査では、各社のSDGsへの取り組みを評価する項目や好感度などとともに、企業のESG評価の指標として「環境に配慮している」、「地域に貢献している」、「社会貢献活動をしている」、「若い世代を活かしている」、「女性が活躍している」、「国際化が進んでいる」、「高齢者や障がい者にやさしい」、「働き方改革に取り組んでいる」、「スポーツや文化活動に熱心」、「科学技術の発展に貢献している」、「商品やサービスが信頼できる」の11項目と「その他」を設定している。
その中から「環境に配慮している」の結果を抽出し、ランキングを作成した。
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無印6位、アイリスオーヤマが9位、日本製紙は8位に急浮上
トヨタ自動車の環境への評価を回答者の年代別に比較すると、最も高いのは20代で26.2%で、他の年代より4ポイント以上も高かった。また、男性では17.3%であるのに対し、女性は23.8%と高い。
一方で日産自動車は年代別では30代が21.2%と最も高く、男性からの評価が13.4%と低いことがトヨタ自動車との差となっている。
住友林業は年代別では60代が21.6%と最も高かったが、職業別では学生からの評価が28.0と高かった。
無印良品は20代が23.6%と最も高いが、特筆すべきは回答者の居住地が北海道・東北の人においては29.0%と極めて高いことで、全回答者(15.0%)の2倍近い。また、北海道・東北居住者においては、トヨタ自動車の22.6%を超えている。
アイリスオーヤマは、地元である北海道・東北からの評価が14.3%に対し、九州からの評価が21.7%と高い。また、職業別では学生からの評価が24.1%と最も高い。
このように、各社の環境への評価は、回答者の属性によって大きく異なっている。
「環境への配慮」はSDGs評価に最も影響が大きい
ESG活動が、企業のSDGs評価への影響度を重回帰分析を用いて調べた。グラフの数字は重回帰係数で、この数字が大きいほどSDGs評価への影響度が大きい。(目的変数=SDGs評価、説明変数=ESGの11項目)
その結果、ESG項目の中で「環境に配慮している」の項目への評価が、企業のSDGs評価に最も影響が大きいという結果になった。
この表は重回帰分析の結果。平均値は各項目ごとの260社の平均。
なお、t値が小さく、P-値が0.05より大きい2つの項目(「高齢者や障がい者にやさしい」と「若い世代を活かしている」)に関しては、誤差がおおきいためにこの結果が正しいとは言えないが、その他の9項目はt値も大きく、P-値も十分に小さい。
環境イメージは、PLや貧困など幅広いゴールにつながる
この結果からは、企業のSDGs評価を高めるためには、「環境に配慮している」のイメージを高めることが効果的であるということになった。そこで、260社のデータをもとに「環境に配慮している」のイメージとの関係性を分析したところ、「12.作る責任、使う責任」、「15.陸の豊かさも守ろう」、「1.貧困をなくす」、「6.安全な水とトイレを世界中」、「7.エネルギーをみんなにそしてクリーンに」、「11.住み続けられる街づくりを」などが高いという結果になった。
つまり、企業の「環境に配慮している」というイメージが高まることで、これらのSDGsゴールの視点での評価が高まり、結果的にSDGs評価が高まるという構造になっているようだ。言い換えれば、SDGsの17のゴールには直的に環境という文字はないが、環境は様々なゴールに関与し、する総合的な取組ということになる。
ちなみに、調査対象となった260社の中で、このイメージが最も高かったトヨタ自動車はSDGs評価でも1位となった。
SDGs評価ランキングはこちらを参照
また、環境の評価が高い企業も、SDGs評価が総じて高くなっている。
調査概要
第3回企業版SDGs調査2022は、20歳以上の男女を対象に、2022年7月27日から30日にかけてインターネットで調査を実施し、各社1,000人(1人の回答者には10社について評価)となるように計26,000人の回答を集めた。不完全回答や信頼度の低い回答は集計対象外としたため、計22,554人を集計した。調査は各社のSDGs取組の評価、17ゴール別の評価、ESG活動の評価、情報入手経路などについての設問を設けたほか、各社の好感度、利用経験、就職意欲、投資意欲などについての質問も設け、SDGs活動による各社の企業評価への影響度を分析した。
結果リリースのダウンロード
・調査対象 47都道府県の登録調査モニター(20歳以上)から年代・性別に均等に回収
・総回収数 計26,000人 (各社1,000人となるように回収)
・有効回答数 計22,554人 (各社の回答者数は831~905人)
・調査時期 2022年7月27日~7月30日
・調査項目 SDGs認知: SDGsに関する認知度
SDGs評価: SDGs取組評価、ゴール別評価、情報入手経路、ESG活動
企業評価: 企業認知度、好感度、利用経験、就職意欲、投資意欲
回答者属性: 年齢、性別、婚姻、子供の有無、世帯年収、居住形態など
調査対象一覧
調査報告書
商品説明が載っているパンフレットはこちら
•総合報告書+個別報告書セット: 165,000円 総合報告書+個別報告書
•総合報告書: 99,000円 A4判 約200ページ
調査対象とした企業全社(260社)の結果をまとめた報告書で、前年のデータも掲載
•個別報告書: 99,000円 A4判 約25ページ
ご希望の企業(1社)の結果、属性クロス等を表やグラフ等でわかりやすくまとめた報告書。
クロス集計表のほか、個別の分析と3年分の結果など総合報告書には内容をまとめています。
※競合企業など結果を希望の方は33,000円/社追加
•データCD: 33,000円(オプション。データCDだけの注文はできません)
お申し込みいただいた報告書のデータを収録(Excel、PDF)
•追加調査パッケージ: 198,000円
ご指定の企業や具体的な商品・サービス、活動等の認知度、理解度、
イメージなどについて追加調査を行うもの。※詳細はお問い合わせください。
• 報告会、セミナー: 110,000円~
調査結果を基にセミナーまたは研修会を実施(報告書、交通費は別途)
※表示の価格は全て税込の価格です。
申し込み
パンフレットと特設サイト
お問合せ
株式会社ブランド総合研究所 調査部
特設ページ:https://news.tiiki.jp/Corpsdgs2022
Tel. 03-3539-3011(代) Fax.03-3539-3013
E-mail: sdgs[アットマーク]tiiki.jp
※送信時は[アットマーク]を@(半角)に変換しお送りください。
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・ 企業のSDGs取り組みを消費者が評価。
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・ 「スポーツや文化活動に熱心な企業」1位はミズノ
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・ 幸福度1位は沖縄県(2年連続)。愛着、定住意欲と3冠に
・ 都道府県・持続度ランキング1位は沖縄県(3年連続)。上位は九州地方が独占
調査対象企業(50音順)
【あ】
アート引越センター、IHI、アイシン、アイリスオーヤマ、旭化成、アサヒビール、味の素、味の素AGF、アストラゼネカ、Apple Japan、アマゾンジャパン、アルプスアルパイン、アンリツ、イオン、出光興産、伊藤園、伊藤忠商事、イトーヨーカドー、岩谷産業、ANA、エーザイ、AGC、SMBC日興証券、NEC、NTT、NTTデータ、NTTドコモ、ENEOS、荏原製作所、EPSON、オイシックス、王子製紙、大阪ガス、大塚製薬、大塚倉庫、大林組、小田急電鉄、オムロン、オリエンタルランド(TDR)、オリックス、オリンパス、オンワード
【か】
花王、カゴメ、カシオ計算機鹿島建設、カネカ、カルビー、カルピス、関西電力、かんぽ生命保険、キーエンス、キッコーマン、キヤノン、九州電力、キユーピー、京セラ、キリンビール、近畿日本鉄道、Google Japan、クボタ、京王電鉄、京成電鉄、KDDI、京浜急行電鉄、神戸製鋼所、コスモ石油、コニカミノルタ、コマツ
【さ】
サイバーエージェント、佐川急便、サッポロビール、サラヤ、サントリー、JR九州、JR四国、JR東海、JR西日本、JR東日本、JR北海道、JFEスチール、JTB、シオノギ製薬、四国電力、資生堂、島津製作所、しまむら、清水建設、シャープ、ジャパネットたかた、すかいらーく、スズキ、スターバックス、SUBARU、住友ゴム工業、住友重機械工業、住友商事、住友生命、住友電気工業、住友不動産、住友林業、セイコー、西濃運輸、西武鉄道、積水化学工業、積水ハウス、セブン‐イレブン、全国生活協同組合(生協)、ZOZO、ソニー、ソニー生命、ソニー損保、ソフトバンク
【た】
第一三共、第一生命、大王製紙、ダイキン工業、大成建設、大地を守る会、大東建託、大日本印刷、ダイハツ工業、大丸松坂屋百貨店、大和証券、大和ハウス工業、高島屋、武田薬品工業、竹中工務店、田辺三菱製薬、中部電力、DeNA、DMM.com、TDK、帝人、テルモ、デンソー、東急電鉄、東京エレクトロン、東京海上、東京ガス、東京電力、東芝、東武鉄道、東邦ガス、東北電力、東レ、TOTO、凸版印刷、ドトールコーヒー、トヨタ自動車、豊田自動織機、トヨタ紡織、トヨタホーム
【な】
西日本鉄道、日産自動車、日清オイリオ、日清食品、日清製粉、ニッスイ、日本ガイシ、日本軽金属、日本ハム、日本郵船、ニトリ、日本IBM、日本航空、日本コカ・コーラ、日本製紙、日本製鉄、日本生命、日本通運、日本マイクロソフト、日本マクドナルド、日本旅行、任天堂、ネスレ日本、野村證券
【は】
パイオニア、ハウス食品、ハウステンボス、パナソニック、パナソニックホームズ、阪急電鉄、阪神電車、バンダイナムコ、久光製薬、日立金属、日立製作所、日立物流、ビックカメラ、BIPROGY(旧:日本ユニシス)、ファミリーマート、ファンケル、不二製油、富士通、富士電機、富士フイルム、ブリヂストン、ベネッセ、北陸電力、北海道電力、本田技研工業(ホンダ)
【ま】
マツダ、マルハニチロ、丸紅、ミサワホーム、ミズノ、みずほ銀行、三井住友海上、三井住友銀行、三井物産、三井不動産、三越伊勢丹、三菱UFJ銀行、三菱ケミカル、三菱地所、三菱自動車工業、三菱重工、三菱商事、三菱倉庫、三菱電機、三菱マテリアル、ミネベアミツミ、無印良品、村田製作所、明治、明治安田生命、モスバーガー、森永製菓、森永乳業、森ビル
【や】
ヤクルト、ヤフー、山崎製パン、ヤマダデンキ、ヤマト運輸、ヤマハ、ヤマハ発動機、やる気スイッチ、UCC上島珈琲、UBE(宇部興産)、雪印メグミルク、ユニ・チャーム、ユニクロ、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)、横河電機、横浜ゴム
【ら】
楽天、らでぃっしゅぼーや、LIXIL、リクルート、リコー、りそな銀行、ロイヤルホスト、ローソン、ロッテ
【わ】
ワークマン、YKK、YKKAP、ワコール
「環境に配慮している」の評価の高かった企業ランキングの5位までを自動車メーカー2社と住宅メーカー3社が占めたが、6位以下には流通、エネルギー、製紙、家電、飲料と様々な業種の企業が並んでいる。
なお、表の中の「業種」は主な業務内容を基に、全10のグループに集約したもので、自動車メーカーは「機械・金属」に、住宅メーカーは「建設・不動産」に属する。
上位50位までにその業種グループの企業数を比較すると、最も多いのは「飲料・食品」で13社、次いで「機械・金属」の10社、「建設・不動産」が9社、「流通・飲食」が7社、「紙・化学・繊維」が5社、「電機・電子」と「エネルギー」が3社となり、「輸送」、「金融」、「情報・教育」はいずれも1社もランクインしなかった。