全国で最も魅力的と評価された都道府県は16年連続で北海道。市区町村では函館市が5年ぶり7度目の1位。――株式会社ブランド総合研究所(本社:東京都港区、代表取締役:田中章雄)が実施した「地域ブランド調査2024」から、このような結果が明らかとなりました。
地域ブランド調査は、国内1,000の市区町村及び47都道府県の地域名称について、認知度や魅力度、イメージなど全90項目について質問し、各地域名称のイメージ形成や行動意向、評価等について明らかにする消費者調査です。調査はインターネットを通じて実施し、本年は全国の消費者34,813人から有効回答を得ました。調査は2006年から毎年実施しており、今年が19回目となります(都道府県の調査は2009年から実施しており、今回が16回目)。
今回の調査結果の特徴としては、今年3月に北陸新幹線が延伸開通した福井県の魅力度が上昇したほか、神奈川県や静岡県、秋田県なども上昇しました。また、都道府県の上位4位までの魅力度が低下する一方、ランキング下位で点数が上昇する県が多く、上位と下位の差が縮まってきています。
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神奈川県が上昇。静岡県は初のベスト10入り
今回の調査では北海道をはじめ上位の4都道府県の魅力度が低下する一方で、神奈川県が大きく点数を伸ばし、順位も5位へと上昇した。同県の5位は過去最高位タイ。横浜市の他、箱根町、横須賀市、茅ケ崎市など、県内で市区町村の魅力度の順位が上昇している市町が多い。
静岡県は過去最高となる9位に上昇。その要因のひとつは20代からの評価が高まっていること。「ドラマや映画・アニメなど」による接触度が20代で急増しているのが特徴的だ。
福井は新幹線効果で上昇
11位以下で大きく上昇したのは、18位の秋田県。前年の22.4点から28.1点へと5.7点の上昇。この伸びは47都道府県で最も大きい。順位も27位から18位へと急上昇した。
同県の上昇の特徴としては静岡県と同様に20代からの評価が高まっていることで、「ドラマや映画、アニメなど」の接触度が急上昇している。「秋田犬の里」などの観光地が賑わっているようだが、実際に観光意欲度も前年より上昇している。
今年3月に北陸新幹線の金沢-敦賀間が延伸開業になったことで、大きく注目を集めている「恐竜王国」こと福井県は、魅力度が21.9点と前年の18.4点から3.5点の上昇となり、順位も38位から31位へと上昇した。同県は観光意欲度も大きく上昇している。
函館市が5年ぶり1位に
市区町村で1位になったのは函館市の58.2点で、5年ぶり7度目の1位となった。同市は「とても魅力的」が35.9%、「やや魅力的」が44.6%を占めるなど、あわせて8割以上の回答者から「魅力的」と評価されており、魅力度は前年の56.6点から1.6点の上昇となった。2位の札幌市、3位の京都市が魅力度を低下させたことで、前年1位だった札幌市は入れ替わって2位に。3位は京都市となった。
4位には横浜市が前年の7位から急上昇してランクインした。
他に魅力度の点数および順位が大きく上昇した市区町村として、8位の石垣市(前年14位)、12位の箱根町(同18位)、17位の宮古島市(同21位)、20位の伊豆市(同23位)、27位の横須賀市(同38位)、29位の草津町(同36位)、30位の茅ケ崎市(同47位)、33位の富士河口湖市(同55位)などがある。
都道府県結果 主要な指標の上位結果 (10位まで)
地域ブランド調査2024における魅力度以外の主な指標の上位10位までのランキングは以下の通り。
( )内の数字は前年(2023年)の順位で、観光意欲度と居住意欲度に関しては前年の点数も併せて表記した。
<市区町村結果 主要な指標の上位結果 (10位まで)>
都道府県の再調査について
今回、調査結果の検証を行ったところ、54ある調査票のうち都道府県を対象とした一部の調査票の回収データで回答者属性の大きな偏りが見受けられた。本来、調査の回収に当たっては想定している人口分布と回収票との間に多少の差異があり、それをウエイトバック等で補正を行っている。ところが、今回の調査においては、ウエイトバック値が許容量を超える値となってしまった調査票があったことから、その信頼性を確保するためにも、急きょ再調査を行うこととした。その際、一部の調査票だけ再調査すると、対象となっている都道府県によって調査期間に差が生じてしまうことになるため、都道府県を対象とする調査すべてを改めて再調査した。そのため、都道府県の調査に関しては実施時期が2024年9月3日~5日となっている(市区町村は再調査を行っていないため、2024年6月24日~7月8日)。
地域ブランド調査2024 調査概要
<調査内容>
「地域ブランド調査2024」は、ブランド総合研究所が年1回実施している調査で、2006年にスタートし、今回が第19回目。調査対象は全792市(2024年4月末現在)と東京23区、および地域ブランドへの取り組みに熱心な185の町村を加えた計1000の市区町村、そして47都道府県です。各地域に対して魅力度など全90項目の設問を設け、地域のブランド力を、消費者が各地域に抱く「魅力」として数値化しました。
<調査概要>
・ 調査方法 インターネット調査
・ 回答者 20代~70代の消費者を男女別、各年代別、地域別にほぼ同数ずつ回収し、
日本の縮図となるように、年齢や地域人口の分布にあわせて再集計した。
・ 有効回収数 34,813人(一人の回答者に対して市区町村の調査票では20市区町村、
都道府県は11または12都道府県を提示し、それぞれについて回答してもらった。
なお、地域ごとの回答者数は都道府県が平均903人、市区町村は平均624人
・ 調査対象 全国1,000の市区町村(全792市+東京23区+185町村)と47都道府県
・ 調査時期 市区町村:2024年6月24日~7月8日、都道府県:2024年9月3日~9月5日
・ 調査項目 認知、魅力、情報接触、観光意欲、居住意欲、情報接触経路(「旅やグルメに関する番組」など14項目)、地域コンテンツの認知(「海・山・川・湖などの地理的名称」など17項目)、訪問経験(「行楽・観光のため」など6項目)、地域資源評価(「街並みや魅力的な建造物がある」など18項目)、地域の特性(「歴史・文化のまち」など14項目)、地域イメージ(「あこがれる」など14項目)、産品想起率(食品、非食品をそれぞれ自由記述) の計90項目
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