企業人の35%がサステナブル購買を実施。企業間取引でのSDGs評価を数字化
調査の結果、企業間取引において「購買や調達する際の選定条件となっている」と回答したのは8.8%、「一部の購買や調達で選定条件としていることがある」は9.7%、合計では18.5%が選定の条件になっているほか、「選定条件とはしていないが、購買や調達の際の参考にしている」は16.4%となり、合計約35%がサステナブル購買を行っているという実態が明らかになった。
また、回答者の中で企業間取引(購買・利用)に関与していると答えた人13,078人による各社のSDGsの取組に対する評価を集計したところ、最も評価が高い企業はトヨタ自動車となった(表)。同社はSDGsの17ゴール合計やESGの取組も含めた主要な3つの評価で1位となった。なお、順位が上位の企業の中には、一般的な認知度はあまり高くはないBtoB企業が多く含まれている。
◆JFE、クボタ、メディセオなど上位に
「あなたは各社がSDGs(持続的な開発目標)への取り組みをしていると思いますか」との問いに対し、1人の回答者あたり10社を示し、それぞれ「本格的に取り組んでいる」、「少し取り組んでいる」、「どちらともいえない」、「あまり取り組んでいない」、「全く取り組んでいない」の5段階から選んでもらった。その回答をそれぞれ100点、50点、0点、-50点、-100点で加重平均した点数で比較した。ただし、集計の対象は業務上で商品やサービスの購入や利用に関与している人で、各社について認知している人のみを対象とした。
その結果、最も評価されている企業はトヨタ自動車となった。同社はSDGsに「本格的に取り組んでいる」の回答が30.6%と256社の中で最も高く、「少し取り組んでいる」との回答21.5%との合計では、半数を超える52.1%が評価している。
2位はパナソニック。3位と4位には日産自動車、本田技研工業の自動車大手が並んだ。5位には「サス鉄ナブル」とウイットのきいたキャッチのJFEスチール、11位に「食料・水・環境」をテーマに取り組むクボタなどのBtoB企業が上位に多くランクインしている。
なお、調査対象の256社平均では19.2点で、その内訳は「本格的に取り組んでいる」が13.9%、「少し取り組んでいる」が19.2%などとなった(図)。
◆SDGsの情報リーチ率は48%
では、各社のSDGs情報はどこから入手したのか。以下のグラフでは企業間取引の購買関与者が各社のSDGs情報を入手した経路について、256社の平均をまとめた(各社を「名前も知らない」と答えた人は集計の対象外)。
その結果、最も高かったのは「テレビCM」で11.4%で、2番目に高いのは「テレビ番組やニュース」で9.9%だった。
次いで「企業のホームページ」、「ネットニュースや情報サイト」のネット媒体が高かった。
なお、情報リーチ率すなわちいずれか1つ以上から情報を得ている人の割合は47.8%で、ほぼ半数ぐらいに各社のSDGs情報が伝わっていることになる。
◆SDGs17ゴール別の評価は、USJが3ゴールでトップ。村田製作所と商船三井も2ゴール
各社について、購買関与者がSDGsの17ゴールについてそれぞれ「取り組んでいる」と評価した企業名とその回答率、および256社平均を以下の表にまとめた。
その結果、「1.貧困をなくす」ではイオンが最も高く11.8%、「2.飢餓をゼロに」は日清食品の18.9%となった。「8.働きがいも、経済成長も」と「9.産業と技術革新の基盤をつくろう」はいずれも村田製作所が最も高かった。そしてユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は「5.ジェンダー平等を実現しよう」など3つの項目で最も高くなった。
◆ESGではトヨタが5項目でトップ
同様に、各社のESG活動(SDGsゴールと類似している項目は省く)の評価については、「環境に配慮している」や「社会貢献活動をしている」など5項目でトヨタ自動車が最も高くなった。「高齢者や障がい者にやさしい」ではメディセオ、「働き方改革に取り組んでいる」では日鉄物産、「科学技術の発展に貢献している」ではNECなど、企業間取引の割合が大きい各社が上位となっている。
調査報告書のご案内
BtoB企業のSDGs調査2023は、20歳~69歳の会社員、および経営者、役員を対象に、2023年5月1日から3日にかけてインターネットで調査を実施し、各社1,000人(1人の回答者には10社について評価)となるように計26,000人の回答を集めました。不完全回答や信頼度の低い回答は集計対象外としたため、計23,228人を集計しました。調査はビジネスマンや購買担当者が、調査対象企業のSDGs評価、17ゴール別の評価、ESG活動の評価についての設問を設けたほか、各社の認知度、好感度、就職意欲などについての質問も設け、ビジネスマンや受発注担当者による各社の SDGs評価や効果を測定しました。
調査方法 インターネット調査
調査対象 国内で企業間取引の多い256社(業種別に売上高が大きい企業を中心に抽出)
※1人の回答者はあらかじめ指定した10社について評価をする
回答者 登録調査モニター(約450万人)から全国の20~69歳の会社員、経営者、役員
総回収数 計26,000人 (各社1,000人ずつとなるように回収)
有効回答 計23,228人 (不完全回答および信頼性の低い回答は集計対象外とした)
調査時期 2023年5月1日~5月3日
調査項目 「①SDGs評価指数」、「②ESG活動評価」、「③企業評価指標」、「④購入や利用経験」
「⑤購買・調達の関与」の5つの調査テーマおよび、回答者属性より構成
※その他本調査についての情報は弊社が運営するニュースサイトに掲載します。
基本セット: 165,000円 総合報告書+個別報告書
総合報告書: 99,000円 A4判 約160ページ
個別報告書: 99,000円 A4判 約20ページ
追加カスタマイズ調査: 550,000円 総合報告書+追加調査報告書+属性クロス集計表+データ
総合報告書完全版: 396,000円 256社の全項目データ+総合報告書(冊子+データ)
(オプション)データCD: +33,000円 総合報告書または個別報告書のデータ版
(オプション)報告会・セミナー: 調査結果をもとにした報告会、セミナーまたは、研修会を実施
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調査報告書
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株式会社ブランド総合研究所 調査部
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SDGs調査記事一覧
◆企業版SDGs調査2022
・ SDGs評価が高い企業ランキング2022【機械・金属】
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◆企業版SDGs調査2021
・ 企業のSDGs取り組みを消費者が評価。
・ 「女性が働きやすい企業」1位はワコール
・ 「スポーツや文化活動に熱心な企業」1位はミズノ
◆地域版SDGs調査2022
・ 「住民によるSDGs評価は鳥取県が3年連続1位」
・ 地域への貢献度ランキング、1位はトヨタ(愛知)、2位はハウステンボス(長崎)
・ "住民による"都道府県・魅力度ランキング、1位は沖縄県
◆地域の持続性調査2022
・ 幸福度1位は沖縄県(2年連続)。愛着、定住意欲と3冠に
・ 都道府県・持続度ランキング1位は沖縄県(3年連続)。上位は九州地方が独占
世界的にSDGsへの取組が普及・促進されるにしたがい、企業や組織が製品やサービスを調達する際に、環境的、社会的、経済的な持続可能性の観点から考慮し、選択する「サステナブル購買(Sustainable Procurement)」への取り組みの重要性が高まっている。