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日本全国お祭りの認知度ランキング。1位は阿波市の阿波踊り? だんじり、ソーラン、ねぶた、七夕が上位に

日本全国お祭りの認知度ランキング。1位は阿波市の阿波踊り? だんじり、ソーラン、ねぶた、七夕が上位に

日本各地には、その地域特有のお祭りがある。そこで認知度の高いお祭りのランキングを作成した。出典は「都道府県魅力度ランキング」で知られる「地域ブランド調査2022」の1000市区町村版から、各地のお祭りの認知度の順とした。その結果1位は阿波市。ちなみに「阿波踊り」で著名な徳島市は10位。

日本の各地には、その地の歴史や文化にもとづいた代表的な祭りがある。そこで、「地域ブランド調査2022」の結果から、市町村名から連想できる祭りがあるか否か、すなわち「祭りの認知度ランキング」を作成した。

日本の人口に比例するように抽出・回収した回答者に対し、20の市区町村を提示し、「それぞれの市区町村について、以下(地域固有の祭りやイベント等)をご存じですか」という設問に対し、知っていると回答した人の比率(%)で比較した。

阿波踊りが1位。ただし徳島市ではなく阿波市

集計の結果、1位は阿波市となった。半数に近い44.7%という高い認知度で、2位以下を大きく引き離した。
阿波市の代表的な踊りとしては「あわ阿波おどり」がある。なお、「阿波おどり」は徳島県(旧阿波国)の各地で8月に開催されるものの総称で、400年の歴史のある。県外でも東京都杉並区(高円寺)や埼玉県越谷市(南越谷)などで開催されるなど、全国的に知名度も人気も高い。

県内で開催される阿波おどりで最も多くの人を集めるのは徳島市で開催される「徳島市阿波おどり」で、毎年8月12日から15日までの4日間に徳島市内で開催され、100万人をこえる観光客などでにぎわう。ところが、その徳島市の祭りの認知度は16.3%で10位と、阿波市と比べるとかなり低くなっている。

一方、阿波市で開催される「あわ阿波おどり」は複数の踊りグループによる合同演舞や、全員参加の総踊り、もち投げなどが行われるが、2020年から22年まではコロナ禍の影響で中止となっていた。

なお、表の中に掲載した「代表的な祭り」は一例であり、実際にはここに記載した以外の祭りを連想した人の回答も含まれる。

2位は岸和田だんじり。最大の見せ場「やりまわし」は事故も多い


2位はだんじりが有名な岸和田市。だんじり祭は関西各地で行なわれている祭りで、「だんじり」とは「地車」のことで、前方に100mほどの綱をつけて、数百人の町民が引っ張って町中を疾走する。

岸和田だんじりの最大の見せ場は、速度に乗っただんじりを方向転換させる「やりまわし」。大勢が全速力で勢いよくだんじりを走らせる中で、道幅が狭い道に曲がりこむ際に、曲がり角にある家屋に接触して、屋根や壁などを破壊するシーンが、毎年のようにテレビ番組などで取り上げられる。また、引き回す町人や観光客が巻き込まれてけがをすることも少なくない。







3位・京都市は「京都三大祭り」の他にも人気の祭りが多い

3位の京都市には、「京都三大祭り」とされる「葵祭」が5月に、「祇園祭」が7月、「時代祭」が10月に執り行われ、多くの観光客が集まる。
そのほかに8月16日に大文字山(如意ヶ嶽)で行われる「五山送り火」も人気が高く、あわせて「京都四大行事」と呼ばれることもある。

ほかにも、4月の「都おどり」、5月の流鏑馬神事(やぶさめ)、12月の嵐山花灯路など、京都市には多くの行事が目白押しだ。

4位 札幌市のYOSAKOIソーラン節は、30年前に学生が始めた

4位の札幌市は「YOSAKOIソーラン祭り」で知られる。1992年に北海道の民謡「ソーラン節」と高知県の「よさこい祭り」を融合させる形で、当時の学生たちが作り上げた。色あざやかな衣装を身にまとい、よさこい祭りの鳴子を手にした踊り子たちが、ソーラン節のメロディに合わせて踊るもので、学生をはじめ若い世代の男女が大音量の音楽とともに衣裳や踊りなどを競い合い、賞を競い合う。
毎年、6月上旬に200万人もの観客を集めて、市内の大通公園など20を超える多くの会場で開催される。
ちなみに、ソーラン節とは漁師がニシン漁の際に歌った歌で、「ヤーレンソーラン」の声に合わせて網をひくもの。

5位弘前ねぷたと、6位青森ねぶた の違いは?

5位には「弘前ねぷた」の弘前市、6位には「青森ねぶた祭」の青森市が並んだ。弘前は「ねぷた」で、青森は「ねぶた」とPとBの発音に違いがあるが、いずれも平安時代の征夷大将軍・坂上田村麻呂が蝦夷をおびき出すために大きな人形を作ったことが由来するなど、共通する点は多い。

両者の違いは、弘前のねぷたは扇型が多いのに対し、青森ねぶたは大型のものが多い(子供ねぶたや、一回り小さい地域ねぶたもある)が、いずれも電飾で光り輝かせるのが特徴。ちなみに弘前ねぷたでの掛け声は「ヤーヤドー」で、青森ねぶたは「ラッセーラー」。「ハネト」と呼ばれる踊り手がいるのが青森ねぶた。
他にもたくさんの違いはあるが、両者の違いを自分の目で実際に見て確かめてもらいたい。

6位仙台市、七夕まつりは不景気対策から始まった

仙台七夕まつりは、伊達政宗公の時代から伝統行事として長く受け継がれている祭りで、東北三大夏祭りのひとつとして数えられている。
商店街が主体となって実施するもので、市内の多くの商店街に飾られる。特徴は何といっても豪華絢爛な笹飾り。七夕の前日である8月6日の早朝から一斉に飾り付けが始まり、その豪華さを競い合う。商店街ごとに審査が行われ、金、銀、銅の各賞が発表されて、それぞれ受賞した飾りにそのプレートが付けられる。

ちなみに、仙台七夕まるちには「七つ飾り」という以下のものがある。
短冊たんざく・・・学問や書道の上達
紙衣かみごろも・・病気や災難の厄除け、裁縫の上達
折鶴おりづる・・・家内安全と健康長寿
巾着きんちゃく・・商売繁盛
投網とあみ・・・・豊漁・豊作
屑篭くずかご・・・清潔と倹約
吹き流し・・・・・織姫の織糸

8位 郡上おどりは32夜。「徹夜踊り」は4日間。コスプレ踊りも

「郡上おどり」は岐阜県郡上市八幡町で開催される伝統的な盆踊りで、「日本三大盆踊り」に数えられている。
毎年7中旬から9月上旬まで、30日以上にわたって開催されるというロングランの盆踊り。「郡上八幡の夏はおどりとともに始まり、おどりとともに終わる」と言われている。

踊り会場は毎日変更され、ひと夏で市街地を一巡する。踊りの時間は午前中が基本。おどりの種類は「かわさき」「春駒」「やっちく」など10種類で、衣裳は自由。踊り上手な人には「免許皆伝」と記した木札が渡されるという。

郡上おどりの暗いマックスは8月中旬(2023年は8月13日から16日)の「徹夜踊り」で、夜8時から翌朝4時か5時まで最長9時間踊り明かす。
この徹夜踊りには多くの人が押し寄せるため、長良川鉄道では深夜に臨時列車を運行している。また、徹夜踊りの日には会場近くでは営業時間を延長したり、深夜営業したりする店も多い。

そして、8月下旬頃には、コスプレをして踊る「変装コンクール」も行われるという。まさに、踊り好きにはたまらない祭りだ。

連載:地域ブランド調査分析レポート

過去の記事は、弊社が運営するYoutubeチャンネルでも動画記事として公開しております。
是非そちらもご視聴ください。
ブランド総合研究所(Youtube)

地域ブランド調査2022 調査概要

<調査内容>
「地域ブランド調査2022」は、ブランド総合研究所が年1回実施している調査で、2006年にスタートし、今回が第17回目。調査対象は全792市(2022年4月末現在)と東京23区、および地域ブランドへの取り組みに熱心な185の町村を加えた計1000の市区町村、そして47都道府県です。各地域に対して魅力度など全89項目の設問を設け、地域のブランド力を、消費者が各地域に抱く「魅力」として数値化しました。

<調査概要>
・ 調査方法 インターネット調査
・ 回答者 20代~70代の消費者を男女別、各年代別、地域別にほぼ同数ずつ回収し、
日本の縮図になるように、年齢や地域人口の分布にあわせて再集計した
・ 有効回収数 34,768人(一人の回答者に対して市区町村の調査票では20地域、
都道府県については15または16地域を提示し、それぞれについて回答してもらった。
なお、地域ごとの回答者数は都道府県は平均で1,056人、市区町村は平均で632人)
・ 調査対象 全国1,000の市区町村(全792市+東京23区+185町村)と47都道府県
・ 調査時期 2022年6月22日~7月4日
・ 調査項目 認知、魅力、情報接触、観光意欲、居住意欲、情報接触経路(「旅やグルメに関する番組」など14項目)、地域コンテンツの認知(「海・山・川・湖などの地理的名称」など17項目)、訪問経験(「行楽・観光のため」など6項目)、地域資源評価(「街並みや魅力的な建造物がある」など17項目)、地域の特性(「歴史・文化のまち」など14項目)、地域イメージ(「あこがれる」など14項目)、産品想起率(食品、非食品をそれぞれ自由記述)の計89項目 

地域ブランド調査2022ニュースリリース(PDF)はこちらから

関連ページ

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・調査結果の発表はこちらから 
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