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佐賀県の魅力度が最下位になった理由(連載:地域ブランド調査分析4 )

佐賀県の魅力度が最下位になった理由(連載:地域ブランド調査分析4 )

地域ブランド調査2022の中で、都道府県魅力度ランキングで初の最下位となった佐賀県。なぜ同県が最下位になった理由を分析してみた

 「地域ブランド調査2022」の「都道府県魅力度ランキング」では、佐賀県が史上初めて最下位(47位)となってしまいました。そこで、今回は佐賀県のそのほかの調査結果を紹介するとともに、なぜ同県が47位となってしまったのか・・・その理由について分析をしてみます。

佐賀県の魅力度の状況

Q:佐賀県に魅力を感じますか?
という問いに対して、「とても魅力的」と回答したのは4.5%で、「やや」魅力的」は17.8%だった。前年の調査ではそれぞれ4.4%、16.7%だったのでいずれも増えています。その結果、魅力度の点数は13.2点で、前年の12.8点より上昇しているのです。

 つまり、佐賀県の魅力度の順位は、今回は47位となってしまいましたが、点数は昨年の12.8点から13.2点へと上昇しており、決して魅力が低下したわけではありません。前年47位だった茨城県は前年が11.6点だったのに対し、今年は13.5点と大きく伸びました。それと比較すると、佐賀県の伸びが少なかったために順位が逆縁してしまったというわけです。

なぜ、佐賀県の魅力度は伸びなかったのか?

 魅力度があまり伸びなかった原因のひとつに、認知度の低下があります。過去1年間に佐賀県の情報を「何度も見聞きした」と回答した人が9.0%と、前年の6.7%より増加していますが、認知度は「よく知っている」が4.1%と、前年の4.4%より減少しています。

 これは、西九州新幹線の開通などで情報接触する機会が増えていたにもかかわらず、それを佐賀県の魅力情報の発信として十分に活用しきれなかったからではないでしょうか。過去には、九州新幹線や北陸新幹線が開通となったときに、その沿線の県では魅力度が大きく上昇したケースが少なくありませんでした。
 ところが、佐賀県の情報について「全く見聞きしていない」と回答した人は54.0%と前年の53.6%より増えてしまっています。

 その結果、同県を「よく知っている」との回答が4.1%で、前年の4.4%より、また「知っている」が13.0%と前年の15.7%よりいずれも減少してしまいました。

佐賀県には知られていない魅力がたくさんある!

では、佐賀県には魅力がないのか? というと、決してそんなことはありません。

 同県は、日本を代表する有田焼や伊万里焼の産地であり、世界中から高い評価を得ています。また、「秘窯の里」と呼ばれる伊万里市の大川内山は、山奥の坂の両側に窯元が並ぶ町のたたずまいがのこる素晴らしい景観が、世界的にも高い評価を集めています。

 すばらしい景観といえば、同県の鹿島市にある祐徳稲荷神社は、豪華絢爛な社殿や朱色の欄干の橋が美しい、日本三大稲荷に数えられる社で、年間300万人もの参拝者が訪れています。
 食においては、佐賀牛、佐賀海苔、伊万里梨、小城羊羹など、素晴らしいものがたくさんあります。

九州以外に魅力が伝わっていない

 佐賀県について、回答者の中で九州居住者に限れば、8.7%が「とても魅力的」、35.0%が「やや魅力的」と答えるなど、計43.7%の人が魅力を感じています。

 ところが関東居住者では「とても魅力的」が4.5%、「やや魅力的」は16.9%で、計21.4%と九州のおよそ半分。そして近畿居住者ではさらに少なく16.3%、北海道・東北居住者でも計17.8%しか佐賀県に魅力を感じていません。

 つまり、佐賀県の魅力が九州以外の地域の人たちに十分伝わっていないことが原因なのです。

佐賀県の魅力を感じる人の割合(回答者の居住地別)

魅力発信の大チャンス!

 今回佐賀県が47位となったことは、情報発信という点では最大のチャンスでもあります。認知度が低いということは、佐賀県の魅力が十分に知られていないということですが、これは、「知らないことは、知りたい」という消費者の根本的な情報ニーズが期待できるということでもあります。

 「佐賀県にはこんなに素晴らしい魅力がある」という情報を、西九州新幹線開通という話題性との相乗効果をねらった情報発信につなげることができれば、これを機に佐賀県の魅力情報が大きく発信できることになるのではないでしょうか。

地域ブランド調査2022 調査概要

<調査内容>
「地域ブランド調査2022」は、ブランド総合研究所が年1回実施している調査で、2006年にスタートし、今回が第17回目。調査対象は全792市(2022年4月末現在)と東京23区、および地域ブランドへの取り組みに熱心な185の町村を加えた計1000の市区町村、そして47都道府県です。各地域に対して魅力度など全89項目の設問を設け、地域のブランド力を、消費者が各地域に抱く「魅力」として数値化しました。

<調査概要>
・ 調査方法 インターネット調査
・ 回答者 20代~70代の消費者を男女別、各年代別、地域別にほぼ同数ずつ回収し、
日本の縮図になるように、年齢や地域人口の分布にあわせて再集計した
・ 有効回収数 34,768人(一人の回答者に対して市区町村の調査票では20地域、
都道府県については15または16地域を提示し、それぞれについて回答してもらった。
なお、地域ごとの回答者数は都道府県は平均で1,056人、市区町村は平均で632人)
・ 調査対象 全国1,000の市区町村(全792市+東京23区+185町村)と47都道府県
・ 調査時期 2022年6月22日~7月4日
・ 調査項目 認知、魅力、情報接触、観光意欲、居住意欲、情報接触経路(「旅やグルメに関する番組」など14項目)、地域コンテンツの認知(「海・山・川・湖などの地理的名称」など17項目)、訪問経験(「行楽・観光のため」など6項目)、地域資源評価(「街並みや魅力的な建造物がある」など17項目)、地域の特性(「歴史・文化のまち」など14項目)、地域イメージ(「あこがれる」など14項目)、産品想起率(食品、非食品をそれぞれ自由記述)の計89項目 

地域ブランド調査2022ニュースリリース(PDF)はこちらから

連載:地域ブランド調査分析レポート

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