地域ブランド調査2022 結果要旨
地域ブランド調査は、国内1,000の市区町村及び47都道府県の地域名称について、認知度や魅力度、イメージなど全89項目について質問し、各地域名称のイメージ形成や行動意向、評価等について明らかにする消費者調査です。調査はインターネットを通じて実施し、本年は全国の消費者34,768人から有効回答を得ました。調査は2006年から毎年実施しており、今年が17回目となります(都道府県の調査は2009年から14回目)。
今回の調査結果では、前年に引き続き「魅力度」の平均点が県・市共に上昇しています。前年の上昇は50代以下の年齢の回答者が大きく寄与していましたが、今年は60代以上の上昇が主な要因となっています。この傾向は「観光意欲度」にも見られるものです。また、この一年間にどのような情報に接したかを問う「情報接触経路」の結果をみると、消費者が接触したと回答した内容・経路に変化がありました。
地域ブランド調査2022ニュースリリース(PDF)はこちらから
都道府県魅力度ランキングの結果分析はこちらから
北海道が14年連続1位、市区町村では札幌市が2年連続1位
都道府県の中で最も魅力度が高かったのは北海道。都道府県の調査を開始した2009年から14年連続で1位となった。前年は12.6点上昇したが、今年は0.1点の低下となった。
回答者の56.0%が「とても魅力的」、34.5%が「やや魅力的」と、合計で9割以上が北海道を「魅力的」と回答した。観光意欲度、食品想起率、食品以外想起率でも1位となったほか、居住意欲度も2位と、あらゆる面で高い評価を得ている。
市区町村では、札幌市が2年連続8度目の1位となった。
点数は63.9点で前年と同じ。同市を「とても魅力的」と答えた人は43.4%、「やや魅力的」は41.0%。一方で、”魅力的でない”と否定的に回答する割合が2.3%と北海道同様に非常に少ない。また、認知度は9位、情報接触度は6位に留まるが、観光意欲度や食品想起率で1位と高い評価を得ている。
魅力度など、多くの指標で今年も上昇
魅力度の平均点は、47都道府県平均で27.7点となり、前年より1.3点上昇した。1000市区町村平均では11.2点で同様に0.2点上昇した。
主要指標の中で最も大きく伸びたのは都道府県では観光意欲度で43.7点と前年より1.6点の伸び。ところが、市区町村では22.4点となり、前年より0.1点の減少となった。
食品想起率は都道府県、市区町村ともに平均点が低下している。
伸び1位は和歌山県。近畿の府県が上昇
都道府県の魅力度が前年より最も大きく伸びたのは和歌山県。19.7点から23.7点へと4.0点の伸びで、順位も32位から26位へと上昇した。
次いで伸びが大きかったのが奈良県。三重県、兵庫県などは順位も点数も伸びている。また、京都府、大阪府、滋賀県は順位は変わっていないが、点数は伸びており、近畿各府県の評価が全般的に上昇している。
60代以上の魅力度の伸びが大きい
今回の調査で、魅力度が伸びた地域が多かった主な要因としては、60代以上の回答者で平均点が大幅に上昇したことがあげられる。
図7は、回答者の年代別に47都道府県の魅力度の平均を比べたもの。20代が最も魅力度の平均点が高くなっているが、次いで60代と70代となっており、それぞれ前年より大きく上昇している。なお、市区町村の結果においても同様の結果が得られた。
また、都道府県の観光意欲度においても同様の傾向がみられた。
観光関連の情報接触が急増
過去1年間に地域に関する情報を見聞きした経路について、最も接触率が高かったのは「旅やグルメに関するテレビ番組」で47都道府県平均が26.1%と、前年の24.2%より増加した。次いで「旅行・観光情報サイト」が14.9%と多く、前年の13.1%より増加している。また、「旅行・グルメに関するガイドブック」は12.6%で同様に前年の11.9%より増加しており、こうした観光関連の情報の接触率が軒並み上昇している。一方で、「事件やニュース」は14.8%で、前年の20.4%より大幅に減少した。
コロナ禍の影響が長引く中で、消費者の中では国内観光に関する情報ニーズはかなり高まっているという状況が結果に表れた。
地域ブランド調査2022 調査概要
<調査内容>
「地域ブランド調査2022」は、ブランド総合研究所が年1回実施している調査で、2006年にスタートし、今回が第17回目。調査対象は全792市(2022年4月末現在)と東京23区、および地域ブランドへの取り組みに熱心な185の町村を加えた計1000の市区町村、そして47都道府県です。各地域に対して魅力度など全89項目の設問を設け、地域のブランド力を、消費者が各地域に抱く「魅力」として数値化しました。
<調査概要>
・ 調査方法 インターネット調査
・ 回答者 20代~70代の消費者を男女別、各年代別、地域別にほぼ同数ずつ回収し、
日本の縮図になるように、年齢や地域人口の分布にあわせて再集計した
・ 有効回収数 34,768人(一人の回答者に対して市区町村の調査票では20地域、
都道府県については15または16地域を提示し、それぞれについて回答してもらった。
なお、地域ごとの回答者数は都道府県は平均で1,056人、市区町村は平均で632人)
・ 調査対象 全国1,000の市区町村(全792市+東京23区+185町村)と47都道府県
・ 調査時期 2022年6月22日~7月4日
・ 調査項目 認知、魅力、情報接触、観光意欲、居住意欲、情報接触経路(「旅やグルメに関する番組」など14項目)、地域コンテンツの認知(「海・山・川・湖などの地理的名称」など17項目)、訪問経験(「行楽・観光のため」など6項目)、地域資源評価(「街並みや魅力的な建造物がある」など17項目)、地域の特性(「歴史・文化のまち」など14項目)、地域イメージ(「あこがれる」など14項目)、産品想起率(食品、非食品をそれぞれ自由記述)の計89項目
地域ブランド調査2022ニュースリリース(PDF)はこちらから