4月推計値 JNTO訪日外客数・出国日本人数発表(5/20)
新型コロナウイルス感染症の影響により、訪日観光客が激減している。
日本政府観光局(JNTO)によると(5月20日発表)、2020年4月の訪日外客数の推計値は2,900 ⼈で、前年同月⽐では 99.9%減となった。
2019年10月から前年同月比でのマイナスとなっており、7か月連続ということになる。
原因としては COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の拡大により、多くの国において海外渡航制限や外出禁止等の措置が取られたこと、また、日本においても検疫強化や査証の無効化等の措置が取られたこと。
国・地域別の状況
東アジア
● 韓国の4月の訪日数は 300 人となった。新型コロナウイルス感染症の拡大により 3月 9 日以降、日本における検疫強化、査証の無効化等の対象となったこと等により、訪日者数は前年同月を大幅に下回った。
● 中国は 200 人。新型コロナウイルス感染症の拡大により、1 月 27 日以降、中国政府の通達により団体ツアー及び航空券とホテルのパッケージ商品の販売が禁止されていることに加え、3 月 9 日以降、日本における検疫強化、査証の無効化等の対象となったこと等もあり、訪日者数は前年同月を大幅に下回った。
● 台湾は 300 人。新型コロナウイルス感染症の拡大により、3月 17 日以降、台湾において、日本への渡航警戒レベルが更に引き上げられたこと等に加え、4 月 3 日以降、日本における検疫強化、上陸拒否の対象となったこと等もあり、訪日者数は前年同月を大幅に下回った。
● 香港は 10 人であった。新型コロナウイルス感染症の拡大により、3月 9 日以降日本における検疫強化、査証の無効化等の対象となったこと、3 月 17 日以降、香港政府が中国本土、マカオ、台湾を除く全ての国・地域への渡航警戒レベルを引き上げ海外渡航の自粛を要請したこと等もあり、訪日者数は前年同月を大幅に下回った。
出典: 日本政府観光局 訪日外客統計の集計・発表
今後の見通し
5月14日には39県においては約1か月ぶりに緊急事態宣言が解除されたが、20日時点では東京や北海道などでは宣言が継続されている。
海外においては、6月中に移動制限(渡航)解除がされると見込まれている国が多い。特にヨーロッパ諸国では、観光産業がGDPや雇用の10%以上を占めるといわれており、移動制限が夏のバカンスシーズンまで続くと、経済への影響が計り知れない。
そこで、欧州委員会は「旅行を安全に再開し、2020年以降にヨーロッパの観光を復興するためのガイダンス」を発表した。これは、感染拡大の防止策の例を具体的に示したもの。例えば、旅行中のマスク着用、チケットの事前でのオンライン購入などを推奨するほか、旅行業者には予約制での入場制限、旅客輸送の乗客数の削減、症状が出た場合の対策などについても提案している。
日本へのインバウンドの復興に関して、今後どのような対策を講じていくかが課題であろう。