MENU
地域ブランド調査2020 調査対象希望の町村を受付中(2020/6 /5迄)
コロナ復興、飲食店の復興に必要なもの (緊急提言3)

コロナ復興、飲食店の復興に必要なもの (緊急提言3)

新型コロナウイルス感染症は、国内、特に地域経済に甚大な影響をもたらしている。特に観光業や飲食業、イベント等への影響が大きい。地域はどのようにして復興に取組むかについて、第3回目は飲食業の具体的な策について提言する。(田中章雄)

新型コロナウイルス感染症は、地域経済に甚大な影響をもたらしている。特に、観光業や飲食業への影響が大きい。緊急事態宣言が解かれたとして、インバウンドや団体旅行などの回復には時間がかかるだろう。そうした事態に、地域がすぐに取組むべき飲食業での具体的な復興策についてまとめる。

飲食業の地域復興案

飲食店も新型コロナウィルス感染症の影響が大きい。休業を余儀なくされたり、アルコール飲料の提供時間が限られたりの制約が大きく、売り上げが大きく減少した飲食店は多いだろう。特に、宴会需要の割合が大きい店舗は、宴会そのものが延期または中止になっているために、影響は計り知れない。
また、夜の飲食による売り上げ比率が高い店や、観光客向けの売り上げに依存していた観光地の店も影響が大きいのではないか。

これから自粛が緩和されたとしても「3密」を避けるような対策をとっていれば、当面は従来の売上までに回復するには、多くの時間を要することになるだろう。

飲食店の多くは零細企業のため、休店することが即座に売り上げ減につながる一方で、家賃や借入金の返済などの出費は変わらない。そして、休店が長引くと、食材などの食品ロスにもつながる。
それゆえに、新型コロナウィルスの感染による影響は非常に大きく、存続危機に面している店も少なくない。

そこで、こうした飲食店の売上を回復させるための方策についてまとめてみる。

(1)健康によい食

スーパーで売れている食品の中には、抗酸化作用など機能性をうたった商品が多い。感染症にかからない、あるいは重病にならないためには、日ごろから機能性などの効果が期待できる食品を食べようという人が増える。

そこで、飲食店も抗酸化作用の大きい食、野菜を中心の食、などをテーマにして、ウイルスに負けない体づくりのための食を打ち出すのは効果的だろう。

都会にいると、ランチのメニューはどうしても高カロリー、高塩分、高糖度(カーボン)になりがち。これが成人病につながりやすい。また、高血圧、糖尿病の人ほど、コロナウィルスに感染した場合に症状が重くなりやすいというデータも出回り、食を健康的にすることに気を付けるきっかけとなった人も多いだろう。

また、自宅にいることで運動不足になり、食事をとりすぎて肥満傾向、カロリーオーバーになったと悩む人も少なくない。こうした機会に、「健康に良い」食事を提供するような流れを作ってはどうか。

同様に、「ベジタリアン・ヴィーガン」や、ローカーボ、低アレルギーなどに考慮した食を提供するような取り組みはどうだろうか。店のメニューすべてをベジタリアンや、アレルギー対応とするのは非常に負担が大きい。しかし、一部のメニューを対応し、それをメニューごとに表記するようにすることは、すぐにでも対応できるのではないか。これを「食のバリアフリー対策」となる。

東京オリンピック・パラリンピックが延期となったことで、それまでにインバウンド対策として、食のバリアフリー対策をとることにつながれば、一石二鳥と言える。


(2)デリバリー、テイクアウト

外出自粛が緩和されても、飲食店の集客が元に戻るには多くの時間がかかるだろう。「飲食店に入って、隣に知らない客がいると怖く感じる」という声が多く聞こえる。
「3密」を避けて、座席の間引きをしたり、テーブル間の距離を開けたりという工夫が必要になっている。

ところが、それは隻数の減少、売り上げ減少につながることになる。しかも、営業時間の短縮という制約もある。

そうした対策として有効なのは、デリバリーやテイクアウトだろう。もともと日本はそば屋などの出前という文化がある。出前の人材やノウハウが名場合は、ウーバーイーツなどのデリバリーサービスを活用する方法もある。あるいは、テイクアウトサービスを始めるという方法もある。

ただし、気を付けたいのは衛生面。これから夏に向かうと、食べ物が腐りやすい環境になる。腐りにくくするのに最も効果的なのは、調理時や配膳時に雑菌をつけないこと。つまり、頻繁にかつ丁寧に手を洗うことや、使い捨ての手袋を活用するなど、徹底的に管理すること。
もちろん、マスクをして、帽子かバンダナなどの利用もいいだろう。

それから重要なのは、デリバリーやテイクアウトは、少し冷めても美味しく食べられるようなメニューにすること。「冷めたら電子レンジで温めなおせばいい」と、客に作業を強要するようではいけない。
ある居酒屋が、デリバリー用に野菜を多くして、冷めても美味しく食べられるような弁当を作って販売したところ、日ごろとは異なる若い女性客が買ってくれるようになったという。それを機に、店内メニューも見直して客層の拡大につなげようと考えているという。

雨降って地固まるではないが、これを機に、メニューや調理方法、衛生管理などを見直す機会につなげてもらいたいものだ。

(3)地産地消

緊急事態は食品工場や、物流にも大きな影響を与えている。

一時的にスーパーやコンビニの食品が不足する事態があったが、アイテムによっては長く商品の欠品や品薄状態が続いているものもある(その一方で、過剰在庫になって経営を圧迫しているものもあるが)。
特に。海外からの輸入品に関しては、食材不足の解消に多くの時間を要する可能性がある。

飲食店は合理化や、人件費の削減などのために、レトルトや冷凍食品などの加工食材の利用率を高める傾向がある。こうしたものに頼りすぎると、今回のような事態や、あるいは近い将来に起こりうる大震災などの有事の時に対応ができなくなってしまう。

多少は原材料費が高くなっても、特に周辺の農家から購入できるようなルートを開発するなど、地域の食材をより活用することに注力してはどうだろうか。
ただし、そのためには、日本の農業の持続的なものにするような取り組みが不可欠で、地域食材を飲食店に供給できるような仕組み(物流も含め)も必要になる。
農家数軒が協同して、複数の飲食店に野菜や果物などを共同配送する仕組みを構築するなど、今一度自治体は本気で考えてみるべきだろう。

いま世界中でSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みが叫ばれている。上記の取組は、まさに環境面、地域活性化などの面での大きな取組となるはずである。

多少は高くても、地元産の食材を利用することで、「フードマイレージ」(食品の輸送距離)を短くすることで、CO2の排出量の削減にもなり、なにより農業従事者の所得向上につながる。そして、所得向上は日本の農業で一番の課題である農林漁業者の不足と高齢化の改善にもつながるだろう。

まずは、飲食店と地元の農家との連携を強め、ゆくゆくは飲食店への地域産品の共同配送システムの構築につなげてもらいたいものだ。

(文責:田中章雄・ブランド総合研究所社長)

当コラムについて

※このコラムは5回連続での掲載を予定しています

第1回:コロナ復興、地域の具体的な活性化案
第2回:観光活性化、3つのテーマ
第3回:飲食業の復興に必要なのは (今回)
第4回:イベント・スポーツ (近日公開予定)
第5回:商品、小売り、商店街
(一部変更になることがあります)

ご意見および各地での具体的な復興案の作成・提言については
tanaka「A」tiiki.jp までメールでご連絡ください
(「A」は@に置き換えてください)

この記事のライター
地域ブランド調査2019(総合)
関連記事
2020 年 4 月の訪日外客数は、2,900 ⼈(前年同月⽐ 99.9%減)となり、7 か月連続で前年同月を下回った。また単月の訪日外客数としては、JNTO で統計を取り始めた1964 年以降、過去最少。
公開: 2020-05-20 16:20:00
「エコにテイクアウトを楽しむ。」亀岡市ならではの支援事業を展開。21年から全国初のプラスチック製レジ袋の提供禁止に踏み切る京都府亀岡市。環境の側面からコロナに苦しむ飲食店を応援しようと、「プラごみゼロ」クーポンキャンペーンを始めた。
公開: 2020-05-18 10:36:40
日本マイクロソフト株式会社 (本社: 東京都港区、代表取締役 社長: 吉田 仁志、以下 日本マイクロソフト) は、東京都渋谷区が、さらなる教育 ICT 環境の充実を目指し、区立の小中学校全 26 校のすべての児童生徒に 2020 年 9 月以降順次配布する端末として、マイクロソフトの最新デバイス「Surface Go 2」の 12,500 台の導入を決定したことを発表した。
公開: 2020-05-14 13:45:09
新型コロナウイルス感染症は、国内、特に地域経済に甚大な影響をもたらしている。特に観光業や飲食業、イベント等への影響が大きい。地域はどのようにして復興に取組むかについて、第2回目は観光面での具体的な策について提言する。(田中章雄)
公開: 2020-05-08 18:45:13
小笠原諸島の観光関連団体、ならびに小笠原村は、2020年4月6日、小笠原村には新型コロナウイルス感染症を確定できる体制がなく、感染の疑いがある方に対する処置にも制限があり、救急患者の本土への搬送も困難を極める状況にあるため、小笠原諸島への不要不急の来島自粛を要請する声明を発表した。しかしながら、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴う外出自粛応援企画として、「おがじろう体操でぼっちも運動不足もさよならキャンペーン」を開催し全国へ元気を届ける。
公開: 2020-05-07 16:33:00
消費者やビジネスマン、投資家など1万500人による国内有力企業210社のSDGs取組やESG活動を評価する「企業版SDGs調査」を実施。電子・電機・IT関連47社のうちSDGsへの取組が最も高く評価された企業はパナソニック。次いでアップル、キヤノン、NTTドコモの順だった
公開: 2020-05-25 10:15:55
消費者やビジネスマン、投資家など1万500人による国内有力企業210社を評価する「企業版SDGs調査2020」で、SDGs取組評価と企業好感度の結果には強い相関があり、SDGs評価が50位以内の企業は平均と比べて好感度が約35%高いことが明らかになった
公開: 2020-05-24 13:12:00
5月15日に、鹿児島県は休業要請全面解除となりました!徐々に人の流れが戻ってきていますが、まだまだ、各地の観光地や施設店舗は売上激減、減収が続いています。観光地の地域産品を食べて、応援してください!そして、おうちで観光地の魅力もぜひ知って&味わってください。
公開: 2020-05-22 17:53:34
2020年3月に実施した、消費者やビジネスマン、投資家など1万500人による国内の有力企業210社のSDGs取組やESG活動を評価した「企業版SDGs調査」。現在、追加調査の希望を受け付けています。
公開: 2020-05-22 13:22:00
ブランド総合研究所では、事業拡大に伴い、新スタッフを以下の要領で募集します。
公開: 2020-05-20 17:45:48

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt
地域ブランド調査
地域ブランド調査2
観光
ギネス世界記録にチャレンジ
企業版SDGs
SDGs調査2019
日本フードバリアフリー協会
サブスク
食農体験ネットTaabel
メルマガ