外国人が日本を周遊するときの定番が「ジャパンレールウェイ」という特殊なJR乗車券だ。外国人旅行者や旅行業界の人には常識のものだろうが、意外とこの存在を知らない日本人は多いのではないだろうか。
ジャパンレールパスがどんな切符かを一言で言えば、外国人観光客限定のJR乗り放題のチケットである。「外国の永住権・居所があり、日本に短期滞在で観光に来る人」だけが買えるもので、一定期間、新幹線であろうが特急であろうがJRが運航する鉄道に何回でも何百kmでも乗れるという素晴らしく経済的な切符である(ただし、新幹線はのぞみ・みずほを除く)。
特に新幹線は外国人にとって大人気だ。新幹線が停まる都市は、それだけで訪日外国人の誘客に圧倒的なアドバンテージを得ていることになる。このような都市では、駅から観光スポットまでの二次交通をどうするかに注力すればよい。
一方で、新幹線が止まらない都市はどうするか。不利を嘆いていても仕方がない。島根県の松江市もまた新幹線が通らない都市であるが、松江-広島間では興味深い取り組みが行われている。2都市間を結ぶ高速バス料金を外国人限定で半額にするというキャンペーンが展開中なのだ。
外国人を呼びこむには、単に相手国にPRすればいいのではなく、訪れた外国人の「足」をどう確保するかが不可欠である。インバウンドの地方波及が叫ばれる中、今後、全国各地でこうした問題をどう解決するかの取り組みが加速するだろう。
ジャパンレールパスを前提とした観光戦略
2015年07月03日更新
外国人が日本を周遊するときの定番が「ジャパンレールウェイ」という特殊なJR乗車券だ。外国人旅行者や旅行業界の人には常識のものだろうが、意外とこの存在を知らない日本人は多いのではないだろうか。
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