調査の考え方について
「ブランド」とは、消費者からの好意的な「評価」と「期待」である。そこで、「地域ブランド調査」においては、以下の3つの視点から、全国各自治体に対する消費者からの評価(魅力度や経験)と期待(意欲度やイメージなど)を調査ポイントとした。
① 魅力・行動指標
…当該地域の魅力度と、居住・観光・産品の3つの視点から、ブランド力を明らかにする。
(指標:魅力度、居住意欲度、観光意欲度、訪問経験、産品購入意欲)
② 認知・情報指標
…当該地域の認知度と、情報接触などコミュニケーション関連の状況を明らかにする。
(指標:認知度、情報接触度、情報接触経路、地域コンテンツの認知)
③ 地域イメージ指標
…地域のイメージや地域資源など、魅力の要因を明らかにする。
(指標:地域の特性、まちのイメージ、地域資源の評価)
各地域がどのような属性の消費者に評価されているのかを知るために、属性(年齢、性別、居住地)及びライフスタイル(余暇行動など)を分析軸に、各設問結果のクロス分析を行っている。(属性・ライフスタイルのクロス分析結果は個別報告書に収録)
また、時代背景や消費特性の状況把握のために、回答者の出身都道府県、1年以上居住した都道府県、余暇・観光で訪れた都道府県、宿泊を伴う旅行回数、参加してみたい体験旅行、コロナ禍終息後に行いたい活動、地域ならではの産品の購入場所の質問を設けた。
調査項目の一覧および調査フロー
調査項目の%データと指標について
・すべての調査項目について、その回答結果を「総合報告書」には全47都道府県および1000市区町村の結果(%)を表形式等で記載してある(想起された産品や自由意見などの記述を除く)。
・「個別報告書」には該当する自治体の結果を過去3年のデータを、表およびグラフ等で表示しているほか、回答者属性などとのクロス集計結果、および自由記述を記載してある。
・また、それらの結果をもとに指標(認知度や魅力度などのスコア、イメージや地域資源の評価などの偏差値等)を作成し、比較・分析しやすい様にした(これらの結果もすべて総合報告書、または個別報告書に記載してある)。
・一部の結果については、ニュースリリースおよびホームページ等で公開している(全部ではない)。
・ただし、回答者の個別回答データ(ローデータ)については提供および公開はしていない。
主要指標の算出方法
主な指標の算出方法は以下の通り(詳細およびその他の指標については「総合報告書」に記載)。
●認知度
「以下の自治体について、どの程度ご存知ですか」という問いに対して、「よく知っている」を100点、「知っている」を75点、「少しだけ知っている」を50点、「名前だけは知っている」を25点、「名前も知らない」を0点として、それらを加重平均して点数を算出した。
認知度=100点×「よく知っている」の%+75点×「知っている」の%+50点×「少しだけ知っている」の%+25点×「名前だけ知っている」の%
●魅力度
「以下の自治体について、どの程度魅力を感じますか」という問いに対して、「とても魅力的」を100点、「やや魅力的」を50点、「どちらでもない」と「あまり魅力を感じない」、「全く魅力的でない」をいずれも0点として、それらを加重平均して点数を算出した。なお、認知度の設問において、当該自治体を「名前も知らない」と答えた人も0点とした。
魅力度(点)=100点×「とても魅力的」の%+50点×「やや魅力的」の%
●観光意欲度
「今後、各自治体に観光や旅行に行きたいと思いますか」という問いに対して、「ぜひ行ってみたい」を100点、「機会があれば行ってみたい」を50点、「どちらともいえない」と「あまり行きたいとは思わない」を0点として、加重平均した数値を算出した。なお、本設問で無回答のものについては0点とした。
観光意欲度(点)=100点×「ぜひ行ってみたい」の%+50点×「機会があれば行ってみたい」の%
●地域資源評価
「それぞれの市区町村にはどんな魅力があると思いますか」という問いに対して、「海・山・川・湖などの自然が豊か」、「食事がおいしい」など17項目ごとに選んだ回答者の割合(%)を算出した。なお、項目ごとに「自然資源」、「歴史資源」、「モノ資源」、「サービス資源」に集約した。
地域資源評価(点)=各資源ごとに項目の%の合計を偏差値化
指標の配点について
魅力度の配点については、そもそも「魅力」というのはポジティブなものであるため、ここではポジティブな回答、すなわち「とても魅力的」と「やや魅力的」だけを算出の対象にしました。
そのうえで、この回答に比重を持たせるため、「とても魅力的」に対し、「やや魅力的」を1/2の配分としています。
すなわち、「魅力がない」というネガティブな意見および「知らない」との回答はいずれも0点としています。
(この項目は、お問い合わせが多かったために追加しました)
パンフレット(PDF)
関連ページ
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≪お問い合わせ先≫
株式会社ブランド総合研究所 (担当.摺木、安田)
Tel. 03-3539-3011(代)
Fax.03-3539-3013
E-mail: survey2021[アットマーク]tiiki.jp
※送信時は[アットマーク]を@(半角)に変換しお送りください。
地域ブランド調査の設問構成およびフローを図に示した。
回答者にはランダムに20の市区町村、または15ないし16の都道府県についてQ1からQ14までの設問に答えてもらった。設問は単一回答または複数回答、テキスト記述のものがあり、複数回答の場合は「その他」などを加えた6から17の選択肢から選んでもらう方式となっている。
また、購入したい産品については、具体的に食品や非食品を文字で記述してもらったほか、その地域の魅力等について自由に記述してもらう設問もある。
さらにQ15~Q23については、出身都道府県や過去に観光などで訪れたことのある都道府県、コロナ禍収束後に行いたい活動など、時代に即した設問を設け、消費行動についての分析を行うとともに、回答者のライフスタイルによる評価の違いなどを分析できるようにした。
また、回答者にはあらかじめ登録されている回答者属性データ(居住地や年代、性別など)と紐づけをしており、回答者属性によるクロス集計などによって分析できるようにしている。