国土交通省は、政府が掲げる「地域再生」の一環として、道の駅を地域の中核拠点とし、にぎわいや雇用を生み出す場として位置づける。全国に1030か所ある道の駅の中から、地域活性化の核となる先進的な取り組みをしている拠点を数重か所を「モデル駅」として選び、観光振興や防災、福祉などの拠点機能を強化する取り組みを開始する。
地方部の人口減少が深刻な状況になる中、特に農山漁村地域においては、診療所や金融機関などが集約した「小さな拠点」と「ネットワーク」を整備していく必要がある。その整備に当たって「道の駅」の利活用が考えられる。
「道の駅」は、駐車場やトイレなどの道路利用者の「休憩機能」、道路情報や観光情報などの「情報発信機能」、地域産品や飲食物の販売など「地域連携機能」を有する施設が登録されているが、制度発足から約20年たち、今では全国各地で1030の施設が登録されている。
これらの合計売上高は約2100億円(平成23年。国交省調べ)と大手コンビニチェーン並の規模となり、年間購買客数は合計で2億2000万人(同)にものぼっている。当初は、通過する道路利用者へのサービスが中心だったが、近年では、農業・観光・福祉・防災・文化など、地域の個性、魅力を活かした様々な取組みがなされている。
特に、地元農水産品の直売や、それらを活用した商品開発・加工・販売まで行う6次産業化の拠点となるなど、地域の農林水産業を支えている。また、宿泊農業体験や地域独自の旅行ツアーの実施、地元ならではの見どころ情報の提供など、着地型観光の振興にも大きく寄与している。
また、行政、医療施設等を設置するケースも増えており、買物弱者のための宅配サービスの提供など、地域の安心な暮らしを支えている施設も多い。さらに、東日本大震災では復旧支援の活動拠点になったほか、地元産品の提供・販売など被災者の買い物の拠点としても活躍した。
今後、国交省では政府が掲げる「地域再生」の一環として、道の駅を地域の中核拠点とし、にぎわいや雇用を生み出す場として位置づけ、「地域の拠点機能の強化」と「ネットワーク化」を重視していく。そのためにも、道の駅を「開かれたプラットフォーム」であるという特長を活かし、農林水産省の6次産業化や経済産業省の電気自動車の充電設備の整備などの事業とも連携し、平成27年度予算概算要求に関連経費を計上していく予定としている。
道の駅を地域再生の拠点へ。モデル駅の機能を強化
2014年08月27日更新
国土交通省は政府が掲げる「地域再生」の一環として、道の駅を地域の中核拠点とし、にぎわいや雇用を生み出す場として位置づける。全国に1030か所ある道の駅の中から、地域活性化の核となる先進的な取り組みをしている拠点を数重か所を「モデル駅」として選び、観光振興や防災、福祉などの拠点機能を強化する取組開始
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