観光庁は、今年4月に新設した「マーケティング戦略本部」において、外部専門家の知見を取り入れ、より科学的・合理的な分析の下、平成26年度の「市場別訪日プロモーション方針」を策定した。従来のプロモーション方針を見直し、従来の主要ターゲットであった「ボリューム層」に加え、「潜在的ボリューム層」や「将来的ボリューム層」も主要ターゲットに位置付けた。プロモーション方針に基づき、推進する訪日旅行の市場として、以下の5つを挙げている。
(1)韓国市場
今後拡大が見込める幅広い世代の「家族層」をターゲットとし、
・ 子供連れで気軽にできるトレッキングなどのアウトドアレジャーを楽しむ旅行
・ 高齢の両親と日本各地の日本食(郷土料理など)や温泉を楽しみ、癒しとなるような親孝行旅行
(2)香港市場
リピーター率が高く(8割)、個人旅行比率も高い(7割)香港市場で、今後拡大が見込める「20歳代カップル」をターゲットとし、
・ レンタカーや鉄道で自由気ままに日本各地を回り、B級グルメや日本独自のファッションブランドなどのショッピングを楽しむ旅行
(3) タイ市場
今後拡大が見込める「首都圏在住の20歳代」をターゲットとし、
・ ビザ免除で「身近に行ける日本」をテーマに、桜や紅葉、雪景色等の日本の四季や、日本食、多種多様なショッピングなどを楽しむ旅行
(4) マレーシア市場
一定規模のマーケットがある「ムスリム層」をターゲットとし、
・ 礼拝所やムスリム対応のレストランがあり、安心してショッピングやテーマパークを楽しめる旅行
(5) 米国市場
将来の訪日数拡大に向け、「親睦団体(美術館会員、大学同窓会等)」をターゲットとし、
・ 日本各地の美術館や博物館で学芸員から直接解説を受けたり、和食や温泉など、日本文化に触れる旅行
なお、上記のほか、市場ごとに複数のターゲットを設定し、ターゲットごとに訴求テーマ、コンテンツを設けて、訪日プロモーションの方針を定めている。
参考:訪日プロモーションの改善方針