各都道府県の出身者で、現在はその都道府県に居住していない人に対し、「出身県に、将来的に戻りたいと思いますか」という設問において、「すぐにでも戻りたい」、「いつかは戻りたい」、「戻ってもよい」、「どちらとも言えない」、「あまり戻りたくはない」の中から選んでもらった。
調査はインターネットを使って2023年1月に実施した「関係人口の意識調査2023」の結果から集計・分析したもの、なお、この調査は全国の調査モニター(約450万人)の中で男女それぞれ、年代別(20代以下(18~29歳)、30代、40代、50代、60歳以上(60~79歳)がそれぞれほぼ均等となるように回収した。
出身者の44%はUターンに前向き。「すぐにでも戻りたい」は8.1%
1位は沖縄県で、半数近くにUターン意欲あり。前年の福岡県を抜き去る
各都道府県の出身者別のUターン意欲を比較すると、最も高いのは沖縄県となった。同県出身者の14.0%が「すぐに戻りたい」、32.6%が「いつかは戻りたい」など、合計で半数近い46.6%が「戻りたい」と答えるなど、Uターン意欲度は33.8点となった。
なお、Uターン意欲度とは、「すぐに戻りたい」を100点、「いつかは戻りたい」を50点、「戻ってもよい」を25点として加重平均したもの。
沖縄県に次いで高いのは福岡県だった。「すぐにでも戻りたい」との回答は沖縄県を上回る15.9%だったが、「いつかは戻りたい」が22.2%と沖縄県の方が10ポイントほど多かった。前年は福岡県が最も高かったが、逆転されたことになる。
なお、3位は熊本県で、上位3位を九州が独占するという結果になった。
4位は京都府で、近畿地方では兵庫県が8位、大阪府が9位、滋賀県が15位。首都圏では神奈川県が5位、東京都が7位、埼玉県が14位といずれも上位にランクインしている都府県が多い。
Uターン意欲人口、最多は東京。全国合計では865万人で前年より3.3%増
こうしたUターン意欲のある人口を、都道府県ごとに算出してみた。算出方法としては、本調査結果から推算した各都道府県の出身者の人口に、前出のUターン意欲度をかけて算出した。算出式は以下になる。(この意欲者数は、あくまで意欲を持っている人口であり、実際にUターンする人数ではない)
Uターン意欲者数 = 各都道府県の出身人口 × Uターン意欲度
その結果、47都道府県の中で最もUターン意欲者数が多いのは東京都で888千人となった。なお、東京都の居住人口は2022年12月時点での住民台帳によると14,042千人であるため、Uターン意欲者数はその6.3%にあたる。
次に多いのは大阪府で561千人。同府の居住人口は8,785千人であるため、Uターン意欲者数は6.4%と東京都とほぼ同じ割合となった。
ところが、3番目に多い福岡県のUターン意欲者数は507千人。同県の居住人口は5,117千人。すなわち、Uターン意欲者数はその9.9%にあたる。つまり、福岡県は居住人口の割に、Uターン意欲者数が東京都や大阪府より多いということになる、
なお、同様の方法で47都道府県の、居住人口におけるUターン意欲者数の割合を算出してみたところ、最もその割合が高いのは山梨県で17.6%となった。次いで長崎県が17.0%、熊本県が14.4%、秋田県が14.0%と続いた。
この数字が高いということは、県外に居住している出身人口に対し、適切なアプローチをしたり、Uターン受入の体制を整備することにより、人口増加につながる可能性が高いということになる、
各都道府県および市町村で、適切な取り組みにつなげ、人口増加につなげることを期待したい。
有効回答数20,856人のうち、現居住地と異なる出身地があると答えた6,673人の結果、「すぐにでも戻りたい」と答えたのは8.1%で、「いつかは戻りたい」は14.3%。両者の合計では22.4%と、2割を大きく超える出身者にUターン意欲があるという結果になった。なお、「戻ってもよい」との回答を含めると、半数に近い44.1%にもなる。
Uターン意欲は年代別で回答に差があり、20代以下では「すぐにでも戻りたい」が12.6%、「いつかは戻りたい」が18.0%と、合計で3割以上が移住意欲を持っているのに対し、60代以上ではそれぞれ4.4%、8.5%の計12.9%とその差は歴然となっている。都道府県別に見ても、ほとんどの県で若い世代ほどUターン意欲が高くなっている。