震災被災地の魅力度は低下せず。九州は観光意欲アップ---全国1047の自治体を対象に行った「地域ブランド調査2011」でこのような結果が出ました。
この調査は株式会社ブランド総合研究所(本社:東京都港区、社長:田中章雄)が国内1000の市区町村及び47都道府県を対象に、認知度や魅力度、イメージなど全67項目からなる調査を実施したもので、今年で6回目の実施(年1回実施)。全国の消費者3万537人から回答を得ました。
その結果、東日本大震災被災県の魅力度は低下していませんでした。ただし、原発立地地域も含め、観光意欲はやや低下しています。その一方で、九州新幹線の全線開通による観光意欲は確実に上昇していました。また、全国で最も魅力的な市区町村は札幌市となりました。魅力度は57.0点で、回答者の82.9%が札幌市を「魅力的」だと回答。47都道府県に対する評価の結果は、1位が北海道で3年連続1位となりました(都道府県のランキングについては2009年より実施)。
調査結果の特徴は以下の通り。結果のダウンロードはこちら「地域ブランド調査2011リリース」
※その他のランキングは以下をご覧ください(エクセル表付き)。
◆都道府県ランキング(全順位)
◆市区町村上位ランキング(上位100位)
◆都道府県ごと上位市町村ランキング
◆調査概要と特長
◆調査結果リリース(PDF)
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<調査結果の特徴①~東日本大震災が及ぼした地域の結果~>
■主な被災地3県の観光意欲は低下も地域の魅力は変わらず
今年3月11日に発生した東日本大震災の主な被災地である岩手県、宮城県、福島県の3県の調査結果を見ると、観光意欲は低下しているものの、魅力度は横ばいないし微減にとどまるという結果となった。
情報接触度は、岩手県では37位から4位、宮城県は22位から3位、そして福島県は44位から2位と、3県共に順位、点数がそれぞれ急上昇している。
次に、魅力度と観光意欲度の結果を見ると、宮城県は観光意欲度では17位から29位に大きく低下するも、魅力度は13位から15位に小幅な下げ。また、福島県も、観光意欲度は40位から44位に、魅力度は33位から35位に順位をやや下げている。2県の結果を点数で見ると、観光意欲度は6点から7点ほど下げているものの、魅力度は1点未満の下げと、ほぼ横ばいだった。
一方、岩手県は魅力度で27位から25位に順位を上げ、観光意欲度は25位から26位と他2県と比較すると順位、点数の下げ幅が小さいことが特徴的だ。
■岩手県は、世界文化遺産の平泉町の魅力・観光意欲が増加
今年6月に世界文化遺産への登録が決定した「平泉 ‐仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群-」を有する平泉町のイメージが、今回大きく上昇した。町の周知(認知度 情報接触度)も上昇した上、魅力度も前年158位から49位に大きく順位を上げた。また、まちのイメージ項目「歴史・文化のまち」も6位(前年29位)に、観光意欲度も157位から66位に大幅に上昇している。
岩手県のイメージ低下が小幅にとどまったのは、平泉町によるイメージアップの影響があるものと考えられる。
<調査結果の特徴②~原発立地地域の結果~>
■柏崎市、御前崎市など観光、居住意欲が低下
また、東日本大震災と関連して発生した福島第一原子力発電所の事故から、原子力発電所が立地する全国の市区町村イメージについて、どのような変化があったのか。原発立地地域18市町村のうち、前年から調査対象だったのは8市町村。その中から柏崎市(新潟県)、御前崎市(静岡県)、敦賀市(福井県)の結果について分析した。
3市に共通する結果の特徴は、情報接触度は大きく上昇しているものの、観光意欲度、居住意欲度は、敦賀市の居住意欲度が上昇した以外はいずれも順位を落としている点だ。魅力度にはあまり大きな変化はないが消費者行動につながるこれらの指標の低下は顕著だ。
これらの結果を全て原子力発電所の影響と断定は出来ないが、少なからず影響を及ぼしている可能性は否定できない。
<調査結果の特徴③~新幹線延伸地域の結果~>
■九州新幹線沿線の各地域の観光意欲が上昇
今年3月に開通した九州新幹線が通る地域について、まず県の結果を見ると、発着地である鹿児島県は魅力度が17位(前年19位)、観光意欲度が11位(同14位)に。また、熊本県も魅力度が19位(同21位)、観光意欲度が14位(同20位)に上昇している。また、佐賀県の観光意欲度は28.7点(同24.7点)と47都道府県中最も上昇する結果となった。なお、市町村の結果でも、九州新幹線の駅がある自治体で魅力度と観光意欲度が上昇しているケースが多い。
<調査結果の特徴④~魅力度が上昇、下降した地域について~>
■情報接触が低下した奈良市、長崎市。奈良市は魅力維持も長崎市は低下
魅力度が前年17位だった奈良市が10位と調査6年目ではじめてベスト10に入った。前年の結果と比較すると、昨年開催された「平城遷都1300年」関連事業が終わり、情報接触度は前年16位から30位に下がったものの、観光意欲度は40位から21位に上がっている。
一方で、2010年に放映された大河ドラマの舞台の一つである長崎市は、魅力度順位を前年10位から16位に落とす結果に。情報接触度は前年20位から43位に大きく下げており、観光意欲度も14位から22位に落としている。2市は今回共に情報接触度を落としたものの、他の指標では対照的な結果となった。
■宮崎県のイメージが継続して低下
過去3年の調査結果から、人気知事の辞任、口蹄疫、新燃岳の噴火などがあった宮崎県の評価が低下している。情報接触度は、2009年は5位、2010年は4位だったが、今年は15位に急落した。魅力度も前年18位から24位に低下。また、産品購入意欲度(食品分野)も5位から16位に大きく順位を落としている。
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<調査概要>
・調査方法 インターネット調査
・回答者 20代~60代の消費者を男女別、各年代別、地域別にほぼ同数ずつ回収し、日本の縮図になるように、年齢や地域人口の分布にあわせて再集計した
・有効回収数 30,537人(1人の回答者は20の地域について回答。したがって、地域ごとの回答者数は平均で576人)
・調査対象 全国1000の市区町村(全786市+東京23区+191町村)と47都道府県
・調査時期 2011年7月1日~7月14日
・調査項目 認知、魅力、情報接触、観光意欲、居住意欲、情報接触経路(「旅やグルメに関する番組」など15項目)、訪問経験(「観光のため」など11項目および訪問率)、地域資源評価(「街並みや魅力的な建造物がある」など16項目)、まちのイメージ(「歴史・文化のまち」など16項目およびイメージ想起率)、産品購入意欲(食品、非食品をそれぞれ自由記述)…計67項目
<調査報告書について>
1000市区町村と47都道府県の全67項目に関するデータをまとめた「総合報告書」(税込78,000円)と、希望する1自治体の結果を表やグラフで分析し、さらに回答者属性別(年齢、居住地、ライフスタイルなど)の結果を分析した「個別報告書」を発売します(税込48,000円。総合報告書とのセットでは特別価格税込98,000円、全1047自治体の完全データパックは498,000円)。また、1047自治体の結果に関し、8つの主要指標(認知度、魅力度、情報接触度、居住意欲度、観光意欲度、産品購入意欲度<総合、食品、食品以外>)に内容を絞った「ハンドブック」(税込3,800円)も出版します。
<ブランド総合研究所の会社概要>
ブランド総合研究所は、地域ブランドに関する調査とコンサルティングを行う専門企業です。代表取締役社長の田中章雄は地域ブランドの提唱者として全国各地で地域ブランドに関する講演を行っているほか、地域ブランドアドバイザーとして弊社コンサルタントスタッフと総力をあげて、全国各地の地域の活性化に取り組んでいます。
・本 社 東京都港区虎ノ門1-8-5
・代表取締役 田中章雄
・資本金 2500万円
・設 立 2005年11月
上記結果速報のダウンロードはこちらから:「地域ブランド調査2011リリース」
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<問合せ先(メディアおよび読者とも)>
株式会社ブランド総合研究所 (担当.安田、轟)
Tel. 03-3539-3011(代) Fax.03-3539-3013
E-mail: survey2011@tiiki.jp
Homepage: http://tiiki.jp