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第2回都道府県版SDGs調査2020 7月29日結果発表
群馬県(45位) かかあ天下ごとく、県内の魅力を自慢しよう

群馬県(45位) かかあ天下ごとく、県内の魅力を自慢しよう

「かかあ天下―ぐんまの絹物語」として、2015年に桐生織物会館旧館など12件が日本遺産に認定された。群馬の名物を意味する「かかあ天下とからっ風」という言葉は、明治時代に栄えた絹産業が群馬の女性に依存する部分が多かったことに由来する。

「かかあ天下―ぐんまの絹物語」として、2015年に桐生織物会館旧館など12件が日本遺産に認定された。群馬の名物を意味する「かかあ天下とからっ風」という言葉は、明治時代に栄えた絹産業が群馬の女性に依存する部分が多かったことに由来する。

「かかあ天下」は、男性が尻に敷かれるという意味で使われることが多いが、上州の男が絹産業を支える自分の妻に感謝し、「ウチの妻は天下一」と自慢することから生まれた言葉だ。

夫婦関係にまで影響を及ぼすほど、群馬県と絹産業は繋がりが深い。2014年に富岡製糸場など4件が「富岡製糸場と絹産業遺産群」として世界遺産に登録されたのも、もっともな話である。

◆国内有数の工場集積地

「東毛」と呼ぶ県の南東部にある人口約22万人の太田市には、富士重工業(スバル)の生産拠点がある「企業城下町」だが、その前身は第二次世界大戦終戦まで東洋最大の航空機メーカーだった中島飛行機だ。中島飛行機の創業者である中島知久平は、1917年に海軍退官して中島飛行機を設立。エンジンや機体の開発を独自に行い、一貫生産する技術力をもって、終戦までに計29925機の航空機を生産した。第二次世界大戦で大活躍したゼロ戦の約2/3を生産した。

戦時中には米軍による攻撃目標とされ、大半の工場が爆撃された。戦後はGHQにより航空機の生産および研究を禁止されるとともに、12社に解体を命じられ、1950年に解散となった。中島飛行機の優秀な技術者たちは自動車産業に転身し、富士重工業など、日本の自動車産業の発展に多大な貢献をした。

太田市に隣接している伊勢崎市は古くから絹および絹織物の生産が盛んで、自動車部品の工場も多く、工業出荷額は太田市に次いで県内第二位。特に日本有数のパチンコ台の生産地である。

また、桐生市は、上毛かるたで「桐生は日本の機どころ」と詠まれるなど奈良時代頃から日本を代表する絹織物の産地とされてきた。

このように、群馬県には産業の核となる市が多いが、その一方で、群馬県は主要産業ごとに拠点が分散しているために、県内の中心となる都市が存在しないという課題がある。行政の中心である前橋市と、商業の中心である高崎市はいずれも人口が30万人超。太田市と伊勢崎市は20万人超、桐生市が10万人超だ。都市機能と人口が分散していることで、県のイメージも分散してしまい、結果として「群馬県」としてのイメージが分散してしまっている。そのため、地域ブランド調査2015での魅力度と観光意欲度ともに45位と低迷しているのだ。

イメージ構築が弱かった群馬県に、2014年には大きな転機が訪れた。富岡製糸場が世界遺産に認定されたのだ。14年の地域ブランド調査では、富岡市の魅力度が196位と前年の746位から急上昇するほど、日本中から注目を集めた。ところが、群馬県の順位は上がらず、46位だった。また、日本三名湯のひとつである草津温泉のある草津町は、「湯もみボーイズ」などの効果もあって、この年には魅力度が全国57位に急上昇した。それにもかかわらずだ。

ちなみに、草津町を「とても魅力的」「やや魅力的」と答えている人は30%以上いるが、群馬県は14%とその半分以下しかいない。これは、草津に魅力は感じていても、群馬県の魅力にはつながっていないということになる。

つまり、草津町や富岡市、桐生市など県内に魅力的な市町村が数多くありながら、それが群馬県の魅力になっていないということになる。これが群馬県の欠点であるのは明らかだ。

◆すき焼きでイメージアップ

工業や絹産業以外にも、群馬県には豊かな農林畜産資源がある。代表的なのは生産量全国一位のコンニャクのほか、上州和牛、下仁田ねぎなど。他にも枝豆の「天狗豆」、太田市のスイカなど高い評価を得ているものが多い。また、ご当地グルメとしては、焼きまんじゅう、ソースカツ丼、おっきりこみ(煮ぼうとう)などは有名だ。また、ご当地駅弁として代表的な「峠の釜めし」もある。

しかし、群馬県の「食材が豊富」のイメージは41位、「食事がおいしい」は45位と低迷。良い食材や料理がありながら、県の食のイメージとして定着していない。

この状況を打破しようと、群馬県が取り組んでいるのが「ぐんま・すき焼きアクション」だ。すき焼きの具材である牛肉、ねぎ、コンニャクなどが群馬県の名物であることから、「すき焼き自給率100%の県」と銘打って、おもてなし料理として、すき焼きの定着を図ろうというものだ。

群馬県の食のシンボルとして「すき焼き」を据える方法はなかなかよい。ただし、単にすき焼きの人気が高まるだけではいけない。

日本全国にあるすき焼きのなかで、群馬のすき焼きがに高い魅力がなければブランドシンボルにはならない。例えば市町村によって特徴的なすき焼きを作り、競い合うようにすれば、すき焼きの食べ比べなどの回遊効果は期待できるだろう。

さらに、すき焼きと温泉や観光施設、他の産業などと連携することによって、地域活性化の効果は高まる。群馬県の魅力度の向上には、こうした資源の連携と、市町村の連携が不可欠であり、群馬県のブランドシンボルとなるようなものとして、国内外に強く発信(自慢)することが待望される。

◆群馬県の主要項目 (かっこ内は昨年の値。△は上昇した項目)・


  • 認知度     37位(23)

  • 魅力度     45位(46)△

  • 情報接触度   25位(21)

  • 居住意欲度   41位(40)

  • 観光意欲度   44位(43)

  • 産品購入意欲度 44位


◆群馬県の主なイメージ項目

  • 自然が豊か     34位(29)△

  • 温泉やレジャー施設 10位( 5)

  • 土産や地域産品   42位(47)△

  • 商店街や店舗    20位(36)

  • 食材が豊富     41位(41)

  • 食事がおいしい   45位(45)

  • 伝統的技術     32位(41)△

  • スポーツの参加・観戦 16位(34)△

  • 住民参加のまち    1位( 8)


地域ブランド調査の結果は http://news.tiiki.jp/survey2015 のページに掲載)

執筆・文責:田中章雄 (ブランド総合研究所社長)

(※この記事は、週刊ダイヤモンド2016年2月13日号に掲載したの記事を、筆者が加筆・修正したものです。
週刊ダイヤモンドの「勝手にケンミン創生計画」はコチラをご覧ください)

 

この記事のライター
地域ブランド調査2019(総合)
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