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地域ブランド調査2019の結果10月17日正午発表しました
鳥取県(38位) 日本一のスナバは東日本での認知に課題

鳥取県(38位) 日本一のスナバは東日本での認知に課題

「スタバはないが、日本一の砂場(すなば)はある」平井伸治鳥取県知事のウイットに富んだ発言をきっかけに、2014年4月に鳥取駅前に「すなば珈琲」が誕生した。15年5月にはついにスターバックスもシャミネ鳥取店がオープンし、初日に1000人が行列をつくるという事態になった。

「スタバはないが、日本一の砂場(すなば)はある」

平井伸治鳥取県知事のウイットに富んだ発言をきっかけに、2014年4月に鳥取駅前に「すなば珈琲」が誕生した。15年5月にはついにスターバックスもシャミネ鳥取店がオープンし、初日に1000人が行列をつくるという事態になった。

家計調査によると鳥取市はコーヒーの年間消費量が京都市に次いで全国2位。コーヒー好きの地域なのに、日本で唯一、スタバの店舗がない県である悔しさが、知事の発言に滲み出ていた。

砂場(スナバ)ならぬ鳥取砂丘は長さ16キロ㍍、幅2.4キロ㍍の日本最大の砂丘で、1955年に国の天然記念物に選定された。年間約300万人の観光客が訪れる県内最大の観光地で、「鳥取砂丘らっきょう」や「砂コーヒー」、「砂たまご」など砂丘にちなんだ産品が数多い。砂丘の砂で作ったモアイ像、ゲゲゲの鬼太郎のキャラクターなどの置物も人気だ。

鳥取砂丘から西へ約100キロ。鬼太郎のブロンズ像が並ぶ境港市の商店街「水木しげるロード」には、年間約200万人の観光客が訪れるが、JR境線の16駅すべてに「ねずみ男駅」「砂かけばばあ駅」などの愛称が付けられ、「鬼太郎列車」や「ねこ娘列車」が走る。また空港名を「米子鬼太郎空港」とするなど、地域をあげての取り組みになっている。

境港駅から水木しげる記念館までの約800メートルの通りには、妖怪たちをモチーフとした139体のオブジェが設置され、木彫り像や妖怪看板などが配置されている。商店には妖怪に関連した商品が並び、妖怪に関した様々なイベント等が催されている。

1989年に「緑と文化のまちづくり」の一環として妖怪のブロンズ製オブジェを23体設置した際に、像の一部が壊されたり盗まれたりする事件が発生し、これが全国報道されて一躍有名になった。NHK連続テレビ小説「ゲゲゲの女房」の放映で人気はさらに急上昇し、1993年に万1000人だった観光客数は、2010年には370万人に達した。キャラクターを使った商店街活性化の成功例の筆頭だ。

◆東日本からの認知度は低い

鳥取県にはジオパークに指定されている海岸線のほか、歴史や食にまつわる観光資源などが豊富にあるが、西日本に比べて東日本からの認知度は低い。鳥取県のことを「よく知っている」「知っている」と答えた人の割合は、近畿居住者では24%であるのに対して、関東居住者ではわずか8%にすぎない。近畿居住者における認知度の順位は13位と高いが、関東では39位と低い。

また、過去5年間で鳥取県に観光目的で訪問した人の割合は、近畿居住者では27%であるのに対して、関東居住者では9%。観光意欲度の順位は近畿では12位に対して、関東では38位だ。

関東地方へのPRの一環として、鳥取県では早くからアンテナショップを新橋に出店していたが、2014年9月には岡山県との合同アンテナショップ「とっとり・おかやま新橋館」としてオープンした。また、15年12月に「すなば珈琲」が4日間だけの限定出店として、東京・四ツ谷に進出した。その際には平井知事や同県出身の石破茂地方創生担当相が駆け付けて、鳥取県をPRした。このように東京や東日本各都市で鳥取を積極的にPRすることは重要だろう。

◆鳥取1000円タクシーが人気

全国各地で訪日外国人が急増しているが、鳥取県も同様だ。2014年度の外国人観光客は約5万人で、前年より31%も増えた。この外国人観光客から好評なのが「鳥取1000円タクシー」。これは外国人観光客であれば1人1000円でタクシーを3時間貸し切れるというサービス。鳥取駅にある観光案内所で外国語の話せるスタッフと相談して観光ルートを決め、そのルートに沿って「鳥取観光マイスター」に認定されたタクシー運転手が案内するという仕組みだ。

日本のタクシー料金は海外諸国より非常に高いことが、外国人の不満の一つ。そこで鳥取市ではタクシー会社と協力し、県や市からの補助も活用して、低料金で利用できるサービスを導入した。これが外国人観光客から好評となり、鳥取市に来訪した外国人の30%が利用するまで普及している。さらに、タクシーに音声での自動翻訳システムを搭載する実証実験も始まっている。

ただしこのサービスは現状では鳥取市内に限定されていて、県内の他の市では導入されていない。鳥取県は鳥取市を中心とした東部、倉吉市を中心とした中部、米子市を中心とした西部の3つに大別されることが多いが、人口が日本で最も少ない県でありながら分裂していたのでは、地方創生の効果は弱まってしまう。いかに市町村が連携をして鳥取の魅力を打ち出すかがポイントだろう。

◆鳥取県の主要項目 (かっこ内は昨年の値。△は上昇した項目)


  • 認知度     31位(40)

  • 魅力度     38位(36)

  • 情報接触度   22位(35)

  • 居住意欲度   30位(44)

  • 観光意欲度   33位(31)

  • 産品購入意欲度 31位


◆鳥取県の主なイメージ項目

  • 自然が豊か      9位(10)△

  • 温泉やレジャー施設  27位(19)

  • 土産や地域産品   22位(39)△

  • 食材が豊富     37位(29)

  • 食事がおいしい   43位(37)

  • 環境にやさしい    2位( 2)


地域ブランド調査の結果は http://news.tiiki.jp/survey2015 のページに掲載)

執筆・文責:田中章雄 (ブランド総合研究所社長)

(※この記事は、週刊ダイヤモンド2016年2月6日号に掲載したの記事を、筆者が加筆・修正したものです。
週刊ダイヤモンドの「勝手にケンミン創生計画」はコチラをご覧ください)

 

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