ブランド総合研究所は、2021年5月に都道府県ごとに住民の愛着度や居住意欲度、悩みや地域の課題、自治体のSDGsへの取り組みの評価などを数値化する調査「第3回地域版SDGs調査2021」を実施した。
調査の結果、居住している都道府県のSDGsへの取組を評価している人ほど、「幸せ」を感じる割合が高いことがわかった。また、これらの人たちは定住意欲度も高くなっている。
リリースダウンロード
「地域版SDGs調査2021」では、住民視点での地域の持続性に関する課題を明らかにし、将来に向けて持続性を高めるために必要な施策や目標値設定に活用できる調査として設計したものである。
今年(2021年)が3回目。都道府県毎に、SDGsの認知度のほか、居住する都道府県のSDGsの取り組みについての評価、社会や環境の持続性につながる行動、幸福度などの持続性と、それらの阻害要因である悩みや地域の課題など、全142項目の指標を数値化した。なお、本調査は2021年5月にインターネットで実施し、都道府県の住民約350人ずつ計約16,300人から有効回答を得た。
住民の生活満足度1位は"石川県” 昨年から上昇
生活満足度の指数算出方法は生活満足度=「とても満足」×100点+「おおむね満足」×75点+「どちらでもない」×50点+「あまり満足していない」×25点+「全く満足していない」×0点 として都道府県ごとに平均を算出した。
住民の3人に2人が生活に満足
都道府県全体では5.1%が「とても満足」、49.7%が「おおむね満足」と答えるなど、およそ3人に2人が「満足している」と答えた。前年の調査ではそれぞれが13.4%、47.5%であり、いずれも増えていることから、この1年間で生活満足度は高まったといえる。
一方で「全く満足していない」が4.7%、「あまり満足していない」が12.3%で、計17.0%(前年は18.0%)が「満足していない」と答えている。満足している人より割合は少ないが、住民の2割弱が生活に満足していないという事実は決して無視できる結果ではない。不満の原因を明らかにし、それを軽減するような努力をすることが、地域の持続性を高めるには必要である。
調査概要
調査方法: インターネット調査
調査対象: 47都道府県の登録調査モニター(15歳以上)から、居住する都道府県別に抽出
総回収数: 計16,450人(各都道府県から350人ずつを回収)
有効回答数: 16,300人(各都道府県の回答者数は343~350人)
調査時期: 2021年5月1日~5月5日
調査項目: 持続性指標:幸福度、生活満足度、愛着度、定住意欲度など4項目
SDGs指標: 認知度、都道府県別SDGs評価、個人の行動など42項目
住民の悩み: 46項目「低収入・低賃金」「貯蓄・ローン」など
社会の課題: 50項目「農林水産業の衰退」「食の安全・安心」など
回答者属性: 年齢、性別、婚姻、子供の有無、世帯年収、居住形態など
お問合せ
株式会社ブランド総合研究所
担当.菅波(スガナミ)
Tel. 03-3539-3011(代) Fax.03-3539-3013
E-mail: sdgs@tiiki.jp
地域版SDGs調査2021関連記事 一覧
・「SDGsを評価している人ほど、幸福度が高い」地域版SDGs調査結果
・「住民によるSDGs評価、鳥取県が2年連続1位」
・「幸福度1位は沖縄県。宮崎県は2位に」地域版SDGs調査
・「SDGsは20代以下の若年層に浸透。学校や大学でのSDGs教育が要因か」
・「”エコバッグ” ”ゴミ分別” ”食品ロス削減” などで環境や社会の持続を」
・「地域が取り組むSDGsのゴール1位は”住み続けられるまちづくりを”」
・「住民は”低収入・低賃金”や”ストレス”に悩む」
・「環境や社会の持続行動は鳥取県、宮崎県、茨城県が上位」
・「地域の取り組むべき課題は少子・高齢化、人口減少・過疎化」
・「県民からの愛着、北海道、沖縄、福岡が上位に」
コラム
・地域活性化とSDGs・・・地域はいま何を取り組むべきか(ブランド総合研究所社長 田中章雄)
生活満足度が最も高かったのは石川県となった。同県は7割以上が「とても満足」「おおむね満足」と答えており、前年の4位からランクアップした。
次に高かったのは北海道で前年6位から上昇。「あまり満足していない」と「全く満足していない」の合計が10.8%と全都道府県の中で最も少ない。
3位の福岡県は前年の2位から順位をひとつ落としたが、点数は上昇している。「とても満足」との回答が23.0%で、石川県や北海道を含め、他の都道府県より多い結果となった。