今年5月、サミットが伊勢志摩地域で開催される。約5,000のメディアが伊勢志摩地域へ訪問すると予想されている。彼らを地域のファンにすることができたら?「取材したい」、と思わせることに成功したら?記事になり、番組として地域情報が取り上げられることにより、その背後にいるはずの全世界の視聴者に伊勢の地域情報が伝わることになる。
この機会を活かすべく、2月1日に伊勢市情報発信センターがオープンした。伊勢志摩サミットにより国内外から注目が集まる機会を活用して、伊勢市の地域情報を国内外に発信するための拠点となる。
ここで鍵となる視点が、「戦略的広報」である。PRという言葉は、広告と広報とが曖昧なままに使われることが多いのではないだろうか。しかし、広告と広報は大きく違い。広告は、お金を払ってメディアに掲載してもらう。費用がかかるが、その分確実に掲載ができる。一方で、広報は、価値ある情報を発信することで、メディアに取材してもらうことを言う。記事や報道として取り上げられるかどうかはメディアの判断だ。しかし、その分、費用はかからず、また、取り上げられた時には情報の信頼性が増す。そして、PRというのは、本当は広報を意味する。
メディアを地域のファンにし、メディア側に「取材したい」という意欲を喚起することができたらどうなるだろうか。メディアが地域の「広報マン」へと変化し、地域の価値ある情報を発信してくれるだろう。地域とメディアとのリレーションを強化することを通じて、メディアから情報が発信される機会の増大を狙う。このような、従来の川上から川下へという情報の流れとは異なり、「メディアが取材したくなる地域」を生み出していくことを戦略的広報という。
このような背景のもとに、メディアの取材を効率的に支援できる拠点として、「伊勢情報発信センター」がオープンした。センターは、東京事務所と伊勢事務所の2段構えとなっており、東京事務所がメディアの第一の窓口になる。伊勢事務所は、取材を希望するメディアの要望に沿って、伊勢市の地域コンテンツを紹介し、場合によっては案内を行う。これにより、価値ある情報を効率的にメディアに伝えることができる。メディアも情報収集の手間が省ける。地域とメディアのwin-win関係を作る。
サミット自体は、地域が自ら意識的に呼び込んだものではないかもしれない。平たく言ってしまえば、外からやってきた大イベントである。しかし、開催される以上は、存分に活用したいところだ。伊勢市情報発信センターは、外来型の大イベントを地域情報の発信に活かす、新たなモデルとなるだろう。
伊勢志摩サミット直前! 「伊勢」の魅力発信プレスツアー
文責:網野 善久
サミット開催を活かした地域PR~伊勢市情報発信センターのチャレンジ~
2016年02月18日更新
今年5月、サミットが伊勢志摩地域で開催される。約5,000のメディアが伊勢志摩地域へ訪問すると予想されている。彼らを地域のファンにすることができたら?「取材したい」、と思わせることに成功したら?記事になり、番組として地域情報が取り上げられることにより、その背後にいる全世界の視聴者に地域情報が伝わる。
この記事のライター
関連するキーワード
関連記事
続日本100名城選定の“福知山城”を支援するイオンの電子マネー「福知山城WAON」が4月20日に発売される。
公開: 2018-04-17 15:46:00
「Longest line of rice balls(最も長いおむすびの列)」というギネス世界記録が滋賀県大津市の伊香立地区で新たに誕生しました。挑戦は、地元の自治連合会が設立50周年を迎えるのを記念し、住民が中心に立ちあげた組織「伊香立未来プロジェクト」が企画。
公開: 2017-11-14 11:55:46
5月20日(土)~21日(日)、京都府宇治市の黄檗山萬福寺「京都×東京ティーパーティー」が開催される。宇治茶の煎茶、玉露が味わえる「宇治茶BAR」を設置するなど、奥深い宇治茶の魅力を体験できる。「もうひとつの京都」2017年度は京都府南部山城地域の12市町村「お茶の京都博」
公開: 2017-05-08 16:39:01
印刷業の任意団体「大阪青年印刷人クラブ」は2016年10月29日、全国印刷緑友会大阪大会の一環でギネス世界記録「Most people signing each other's t-shirts simultaneously」に挑戦。538人の記録で見事ギネス世界記録に認定されました。
公開: 2016-11-01 10:32:25
調査の結果、滋賀県の認知度については65.2%が「あまり認知されていない」としたが、認知度向上のための県名変更については82.8%が「帰る必要がない」と答えた。
公開: 2015-08-10 09:28:54
最新記事
「都道府県魅力度ランキング」で知られている「地域ブランド調査2024」の調査結果は、今年は10月13日(日)21:00~の日本テレビ系列「行列のできる相談所」の番組内で発表します
公開: 2024-10-05 14:06:54
株式会社ブランド総合研究所は、このたび都道府県ごとの住民に対し、各地でのSDGsへの取り組みや、自らのサステナブルな行動などについての実態を明らかにする「地域版SDGs調査2024」を実施し、その結果をまとめました。<br>
この調査は、各都道府県の住民をそれぞれ500人以上を年代、性別にほぼ均等になるように抽出し、今年8月に実施しました(総回収数25,948人、うち有効回答数23,412人)。<br>
SDGsに関する理解度や、自らの購買時のSDGsへの意識、SDGs活動への取組意欲などを聞いたほか、居住している都道府県でのSDGsへの取り組みの評価、17ゴール別での評価などを明らかにしました。また、地域に本社や由来のある有力企業のサステナビリティ貢献度などについても調査を行っています。
公開: 2024-10-04 23:49:34
各地域でのSDGsの取り組みは、その地域に根付いた企業も住民とともに、地域ぐるみで進めることが重要である。そこで、「地域版SDGs調査2024」では各都道府県の住民に、地域と強い関係がある企業を25社程度示し「環境や地域・社会の持続性を高めるような取り組みを行っていると評価できる企業」を選んでもらい(計1,127社)、各社の回答率を「サステナビリティ貢献度(%)」として、認知度や好感度、利用度とともにランキング等を作成した。
公開: 2024-10-04 23:46:27
「関係人口の意識調査2024」の結果から、47都道府県のそれぞれの関係人口(出身者と応援者の合計)は平均で189万人。その他、各地との何らかの関係性がある、いわば「潜在関係人口」が1290万人いることが判明しました。
公開: 2024-10-02 12:13:20
幸福度や定住意欲度など、地域の持続性につながる指標について調査する「幸福度調査2024」をインターネットにて実施しました。その結果、コロナ禍が明けてから幸福度は2年連続の低下となりました。その原因を探りました。
公開: 2024-09-18 22:29:54