農林水産省では、「知的財産の総合的活用の推進事業」のうち、「知的財産総合活用事業(知的財産活用事業)」と「知的財産を活用した国際展開の推進(品種保護に向けたDNA品種識別技術実用化)」の二次公募を開始した。前者は1事業者当たりの事業費は、原則として2,834千円以内で、必要経費の1/2以内を助成。後者は8,279千円以内で必要経費の1/2以内を助成。いずれも公募締め切りは6月6日。
この事業では、農林漁業と流通、食品、観光、輸出などとの新結合による新たな起業に向けたネットワーク作りを通じた6次産業化の本格的な事業展開を一層進めるためには、農山漁村の持つ知的財産としての地域ブランド産品の価値を十分に評価し、知的財産を活用した収益性向上を目指す取組を一層強化することが必要である。
農林水産省では「農林水産物・食品地域ブランド化支援事業」のほか、昨年度には「知的財産発掘・活用推進事業」を開始するなど、育成者権や商標権等の複数の知的財産を活用し、地域ブランド産品の国内外における価値を最大限に高め、これを活用した加工食品の開発、観光業の振興及び輸出の促進等により、各地の地域振興を図る事業を支援してきた。
「知的財産総合活用事業(知的財産活用事業)」は、事業に係る検討委員会を設置し、育成者権や栽培ノウハウ等の複数の知的財産を活用した地域産品のブランド化戦略やそれらを活用するための調査及び新たなビジネスモデルの構築についての取組みを行なう事業。各地での取組を一層推進するために、地域における協議や市場調査、専門家への相談等の支援を行う。
応募対象は、農林漁業者の組織する団体、商工業者の組織する団体、第3セクター、企業組合、事業協同組合、農林水産・食品産業関係事業者、農業協同組合、水産業協同組合、森林組合など。
「知的財産を活用した国際展開の推進(品種保護に向けたDNA品種識別技術実用化)」事業は、輸出農産物を適切に保護するため、DNA品種識別技術の開発及び開発されたDNA品種識別技術の妥当性の確認並びに産地判別技術の開発について支援することにより、我が国農産物の輸出機会の拡大を図るもの。
具体的には、以下の3つの事業内容が対象となる。
- DNA品種識別技術の実用化海外へ輸出する農産物の品種をDNAレベルで識別する技術(DNA品種識別技術)の開発を行う。
- DNA品種識別技術の妥当性の確認海外へ輸出する農産物のDNA品種識別技術について、第三者による別の施設における再現性の確認(妥当性の確認)を行う。
- 産地判別技術の実用化農産物の無機成分組成や安定同位体からそれが生産された産地を判別する技術(産地判別技術)の開発を行う。
なお、公募内容については、以下のページを参照のこと。
公募情報:
http://www.maff.go.jp/j/supply/hozyo/shokusan/140507.html