MENU
【弊社社員を装った迷惑メール(なりすましメール)にご注意を】 添付ファイルの開封や記載URLへのアクセスを行わず、メールを削除していただくようお願い致します。
栃木県(35位) 20代からの評価11位!大幅上昇のワケ

栃木県(35位) 20代からの評価11位!大幅上昇のワケ

20代による魅力度ランキングでは栃木県は全国11位と、今年の調査では極めて高い評価を得た。昨年の31位と比べると大幅な上昇だ。ちなみに20代の回答者で栃木県を「やや魅力的」と答えた人の割合は昨年が19%だったが、今年は48%と2.5倍に増えている。

20代による魅力度ランキングでは栃木県は全国11位と、今年の調査では極めて高い評価を得た。昨年の31位と比べると大幅な上昇だ。ちなみに20代の回答者で栃木県を「やや魅力的」と答えた人の割合は昨年が19%だったが、今年は48%と2.5倍に増えている。

日光東照宮や鬼怒川温泉、益子焼など全国的に知名度の高い地域資源を有する栃木県だが、昨年まではずっと魅力度が40位台だった。それが20代からの支持増によって今年は35位へと下位グループからの脱出に成功したのだ。「日光や鬼怒川など栃木県の魅力は年配者語のみ」などと揶揄されていたことを考えれば衝撃的な結果だ。

魅力度とともに、自然、地域産品、食などに関するイメージも軒並み上昇している。例えば「自然が豊か」という評価は昨年30位から今年は22位へと大幅アップした。同様に「食材が豊富」は37位から22位へ、「食事がおいしい」は39位から32位へ、「土産や地域産品」は30位から21位へ、「伝統技術」は39位から22位へといずれも急上昇したが、いずれも評価を引き上げているのは20代だ。

では、なぜ20代の評価が高まったのか。その推進役のひとつとして考えられるのはテレビ番組だ。20代で「旅やグルメに関するテレビ番組」で栃木県の情報に接触した人の割合が、昨年の13%から今年は23%へと10ポイントも増えている。そして観光に「ぜひ行ってみたい」と回答した割合も10%から16%へと増えている。

ここから推測できるのは、栃木県の旅やグルメに関する情報が、テレビ番組などで大きく取り上げられて、20代など若い世代に伝わり、これがイメージアップにつながったという構図だ。

くしくも2015年は徳川家康公の400年回忌を迎える大切な節目の年であり、50年に一度の式年大祭が開催された。その舞台は世界遺産「日光の社寺」のひとつとして知られる日光東照宮で、徳川家康公を神として祀られた神社である。

400年祭をきっかけに、メディアで旅やグルメが大きく取り上げられ、それによって20代の間で栃木県の魅力への認知度が高まったという構図であろう。

◆日光市は魅力度が14位

ところが、喜んでばかりはいられない。20代の観光による訪問率は他の世代よりとりわけ高いわけではない。また、今年の調査で20代からの魅力度が急激にアップしている市町村は、栃木県内には残念ながら見当たらない。これは、せっかく県全体がイメージアップしているにもかかわらず、それが各市町村や施設などへの具体的な観光行動として結びつくには至っていないということになる。これでは本当の地域創生という目的には結びつかない。

もうひとつの問題点は、栃木県のイメージが軒並みアップしたと言っても、全国順位でトップ10に入っている項目がないことだ。つまり、栃木県として他県を圧倒するような強いイメージは構築できていないことになる。これでは一時的なイメージの底上げがされたとしても、観光や消費などの行動にはつながりにくいことになる。

栃木県が今後さらに魅力度の順位を高めるためには、具体的で、かつ他県にはない強烈なイメージを構築することが必要だろう。

日光東照宮や鬼怒川温泉という観光地を有する日光市は、市町村の魅力度ランキングで14位と極めて高い。特に「歴史的建造物」に対する評価は8位、「歴史人物」への評価は3位といずれもトップクラスだ。

また、県庁所在地である宇都宮市は「食事がおいしい」の評価で16位、益子焼で有名な益子町は「伝統技術」への評価では17位だ。その他にも、那須高原や足利学校、結城紬、佐野ラーメンなど栃木県内には全国にも著名で、特徴的なものがたくさんある。

こうした県内にある強い魅力をもった地域の魅力をうまく連携させて、「栃木独自の楽しみ方」を提案することができれば、栃木県の魅力度の順位がもっと上昇し、全国から多くの消費者の目や足が向くのは間違いないだろう。

◆栃木県の主要項目 (かっこ内は昨年の値。△は上昇した項目)


  • 認知度       38位(36)

  • 魅力度       35位(41)△

  • 情報接触度    33位(28)

  • 居住意欲度    42位(46)△

  • 観光意欲度    43位(44)△

  • 産品購入意欲度 34位

  • 愛着度       35位(46)△


◆栃木県で上昇したイメージ項目

  • 街並みや歴史建造物 24位(25)△

  • 自然が豊か       22位(30)△

  • 美術館や博物館    19位(24)△

  • 食材が豊富       22位(37)△

  • 食事がおいしい     32位(39)△

  • 土産や地域産品    21位(30)△

  • 伝統技術         22位(39)△

  • おもてなしがよい    15位(31)△

  • 宿泊施設        11位(15)△


 

地域ブランド調査の結果は http://news.tiiki.jp/survey2015 のページに掲載)

執筆・文責:田中章雄 (ブランド総合研究所社長)

(※この記事は、週刊ダイヤモンド2015年12月19日号に掲載したの記事を、筆者が加筆・修正したものです週刊ダイヤモンドの「勝手にケンミン創生計画」はコチラをご覧ください)

 

 

この記事のライター
関連記事
南北に走る奥羽山脈と阿武隈高地によって、会津、中通り、浜通りの3地域に分けられる福島県。県民の気質は会津では少し頑固で正義感が強く、人情に厚い人が多い一方で、浜通りは明るく開放的な人が多いと言われる。
公開: 2016-05-23 09:20:05
「かかあ天下―ぐんまの絹物語」として、2015年に桐生織物会館旧館など12件が日本遺産に認定された。群馬の名物を意味する「かかあ天下とからっ風」という言葉は、明治時代に栄えた絹産業が群馬の女性に依存する部分が多かったことに由来する。
公開: 2016-05-04 20:55:31
「スタバはないが、日本一の砂場(すなば)はある」平井伸治鳥取県知事のウイットに富んだ発言をきっかけに、2014年4月に鳥取駅前に「すなば珈琲」が誕生した。15年5月にはついにスターバックスもシャミネ鳥取店がオープンし、初日に1000人が行列をつくるという事態になった。
公開: 2016-04-26 09:51:05
静岡県にはバンダイ、タミヤ、アオシマなど国内プラモデルの有力メーカーが多く、「模型王国」と呼ばれている。その由来は、実は徳川家にある。
公開: 2016-04-16 12:20:07
うどん県に県名を変更するというPR戦略で注目を集めた香川県。そもそも讃岐うどんのブームは過去に3回あったと言われている。2度目は1988年の瀬戸大橋の開通で観光客が急増した際に、地域食としてのうどんが注目された。そして3回目が2011年に始まったキャンペーン企画「うどん県」というわけだ。 
公開: 2016-04-12 17:27:18
最新記事
鹿児島県のPR拠点である「かごしま遊楽館」の3階 鹿児島ブランドショップ東京店(東京都千代田区)」において実施している、知覧茶・焼酎の試飲や鹿児島の伝統工芸品を体験していただく定期サロン 「食とものづくり体験サロン」3回めとなる12月は、薩摩焼窯元 紫陶の柳 信一郎氏による絵付けワークショップの開催が決定しました。ただいま参加者を募集しています。
公開: 2024-11-19 17:36:44
地域ブランド調査では、各地域名称に対して、魅力度の他にも様々な調査項目を設け、認知、イメージ、行動意向を調査している。 本項では食品想起率について、「北海道」を事例に結果を紹介する。
公開: 2024-11-06 15:00:00
株式会社ブランド総合研究所は、このたび国内有力企業のSDGsの取り組みを消費者視点で評価する「企業版SDGs調査2024」を実施致しました。
公開: 2024-11-01 09:00:00
地域ブランド調査では、各地域名称に対して、魅力度の他にも様々な調査項目を設け、認知、イメージ、行動意向を調査している。 本項では、調査対象のうち1,000市区町村の2015年から2024年の結果から、観光意欲度の平均推移について紹介する。
公開: 2024-10-30 17:16:01
ブランド総合研究所の調査サポートサービスのご案内です
公開: 2024-10-29 12:32:31

ランキング

総合ランキングarrow_right_alt
get_app
ダウンロードする
キャンセル