Longest Kiritanpo (Rice around a skewer) (最も長いきりたんぽ)
秋田県といえば、きりたんぽ。つぶしたご飯を杉の棒に巻きつけるようにして焼いた”たんぽ餅”を、棒から外して食べやすく切り、味噌をつけたり、鶏がらのスープで煮込んだりして食べる郷土料理だ。
そんなきりたんぽを、どれだけ長く作れるかという世界一に挑戦したのが、秋田高専と米子高専の学生たちによる合同チーム。挑戦に選んだのは、11月11日”きりたんぽの日”だ。大館市曲田の直売所「陽気な母さんの店」の協力のもと、ご飯約6キログラムをアルミパイプに巻き付け、焼き目を付けた。
出来上がったきりたんぽの長さは、なんと5.12メートル。計測後には、切り分けてきりたんぽ鍋を作り、地元の人など88人にふるまわれた。
ちなみに、約30年前の1987年にも、同じく大館市でジャンボきりたんぽを作るイベントが開催され、なんと8.2メートルのきりたんぽが誕生していたとか。これはギネス世界記録には登録されていなかったが、大館市ときりたんぽの”長~い”関係が伝わるエピソードだ。
記録保持者:秋田高専・米子高専のグループ
記録認定日:2018年11月11日
場所:大館市
Largest speciality soup tasting event (最大のスープ試食イベント)
男鹿半島で有名な郷土料理といえば、石焼料理だ。魚介、野菜、味噌ベースのスープの中に、熱した焼石を入れ、一瞬で食材に熱を加えるというもの。2019年の「冬の男鹿ぐるめマーケット」では、直径1.8メートルの秋田杉の木桶に大量のスープを用意。焼き石の投入により勢いよく湯気が立ちあがる姿に参加者からも歓声があがった。
ほかにも、ハタハタを発行させて作る魚醤”しょっつる”を使ったしょっつる鍋や、ご飯を軽くつぶして丸めた”だまこ”を入れただまこ鍋も提供され、調理方法や味付けのレクチャーを受けながら、食べ比べのできたこの試食会。350人が参加し、世界一に認定された。
記録保持者:男鹿市、JR東日本秋田支社
記録認定日:2019年3月9日
場所:男鹿市
Longest distance traveled by a vehicle on a railway track powered by dry cell batteries (乾電池による鉄道走行の最長距離)
由利本荘市を走る由利高原鉄道・鳥海山ろく線は、羽後本荘駅から矢島駅までの全長23キロメートルを約40分かけて走る路線。車窓からは、のどかな田園風景や、"出羽の富士”とも呼ばれる鳥海山の姿を楽しめる。
着物姿のアテンダントさん「おばこ」が乗車する「まごころ列車」や、無垢材を贅沢につかった内装が魅力の「おもちゃ列車」、季節ごとの多彩なイベント列車の運行が観光客に人気。また、全国3か所でしか見られない、単線区間の衝突防止のため「タブレット交換」が行われる駅があり、電車マニアの間でも有名な路線だ。
その路線を舞台にチャレンジされたのが、埼玉県立川越工業高等学校の生徒たちによる、乾電池で実際の鉄道を走行させようというもの。車体の重量は1,097キログラム。動力は600本の乾電池で、前郷駅から11km先の矢島駅までを、2時間36分で往復。走行距離は22.615キロメートルとなり、世界一に認定された。
これを記念し、2016年3月からは「エボルタ電池鉄道ラッピング列車」も運行中。地域の魅力を、多彩な列車で発信している。
由利高原鉄道 ウェブサイト
記録保持者:パナソニック、川越工業高等学校
記録認定日:2015年11月3日
場所:由利本荘市
秋田県を舞台に、米子や川越といった他地域の若者たちも参加してのチャレンジは、よりいっそう地域を盛り上げることにつながったことでしょう。
さて、次回は、初夏の味覚さくらんぼ、そして将棋の駒の生産地、山形県の世界一を特集します。
第4回・宮城県の記事はこちら
※ご紹介している記録は、各認定日時点での世界一です。現在は更新されている可能性があります。