青い海と空、そして琉球王国から伝わる特有の文化。沖縄県の魅力度は調査開始より全国3位、観光意欲は2位といずれもトップクラスの位置にあり続けている。
ところがこの沖縄ブランドが危機的状況にある。 地域ブランド調査による魅力度の順位は低下していないものの、魅力度自体の点数は年々低下しており、この5年間で53点から43点へと10点も低下している。同様に観光意欲度も65点から58点へと低下している。つまり沖縄の魅力はどんどん低下しているということになる。
那覇市を代表する商店街・国際通りが、いまでは中国など海外からの旅行客は増えている半面、日本人観光客はまばらだ。その理由として「それぞれの店や商品の特徴が乏しく、以前のようにワクワクドキドキ感がなくなり、国際通り全体のの魅力が低下しているからだ。
沖縄に来た人も2度目は訪れてくれない」と商店街関係者は嘆く。ファンシー的なものが増え、沖縄らしい文化の香りが薄れて行く傾向にある。
魅力度より危機的状況なのは、沖縄県民による愛着度の低下だ。2010年の調査では沖縄県民で「とても愛着がある」と答えたのは69%で、この率は全国47都道府県中でもっとも高かった。ところが14年の調査では46%に低下し、順位は4位に後退した。
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◆沖縄県の主な指標 (2014年の結果)
- 魅力度 3位
- 観光意欲度 2位
- 居住意欲度 5位
- 食品購入意欲度 2位
- 愛着度 4位
◆沖縄県の市町村の魅力度 (全国1000市区町村中の順位=2014年の結果)
- 石垣市 11位
- 那覇市 14位
- 宮古島市 19位
- 沖縄市 22位
- 与那国町 46位
◆提言 強いイメージと地の利を活用した新たな産業づくりを
※この記事は週刊ダイヤモンド 2015年9月12日号に掲載されたものです。
週刊ダイヤモンド「勝手にケンミン創生計画」では、毎週、1つの都道府県をピックアップして、
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執筆・文責: 田中章雄 (ブランド総合研究所代表取締役社長)