Longest inflatable sculpture (最長の膨らむ像)
さいたま市の見沼区と緑区にかけて、田畑や雑木林が続く「見沼たんぼ」と呼ばれる地域がある。首都近郊での貴重な大規模緑地空間となっているが、昔は大きな沼であり、フナやシジミ、ウナギなども生息していた。
この地に伝わる伝説では、沼には竜神が棲んでおり、台風や大雨による洪水は、竜神のたたりだと恐れられてきた。江戸時代の中ごろに沼を干拓して田んぼになった後は、竜神は天に昇り、空から見沼地区を見守っているとされている。
語り継がれてきたこの伝説を、目に見える形で再現し、市民が誇る文化遺産として発信しようと活動しているのが、さいたま竜神まつり会だ。空を舞う、バルーン式の「昇天竜」を制作し、市内のイベントや、全国の竜神関連の祭りなどで地域交流を深めている。
2008年に制作した昇天竜は、さいたま市の人口(当時125万人)にちなんで全長125m。気体を注入して膨らむバルーン式の像としては世界最長であるとして、2012年にギネス世界記録に認定されている。
さいたま竜神まつり会 ウェブサイト
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記録保持者:さいたま竜神まつり会
記録認定日:2012年10月20日
場所:さいたま市
Longest skewer of vegetables(最長の野菜の串焼き)
深谷市は、ねぎの生産量が日本一。一年中収穫することができ、収穫期によって「春ねぎ」「夏ねぎ」「秋冬ねぎ」に分かれるが、その中でも旬となるのは12月頃から出荷がはじまる「秋冬ねぎ」だ。糖度が10~15度と高く、熟したメロンと同等の甘さを誇る。これからの寒い時期にも、鍋ものやみそ汁にもってこいだろう。
そんな深谷ねぎ600本を使って串焼きにしたのが深谷青年会議所。第23回ふかや桜まつりで、153人が協力して作ったねぎ串焼きの長さはなんと69.94メートルにおよび、世界一に認定されたのだった。
記録保持者:深谷青年会議所
記録認定日:2017年4月1日
場所:深谷市
Largest rice cracker mosaic (最大のせんべいモザイク)
草加市の名物といえば、言わずとしれた草加せんべい。
昔から米どころとして栄えた草加では、多くとれた米を保存するために、団子状にして乾かし、保存していた。江戸時代に草加宿ができると、茶屋や物売りが軒を並べるようになり、保存食だったせんべいも売られていたという。幕末に醤油が普及し始めると、せんべいに醤油が塗られ、今の形に近くなった。
大正時代、埼玉の名産品としてせんべいが天皇に献上されたことから、草加せんべいの名は一層広まる。戦時中の米不足の折にも技術の伝承を途切れさせることなく、戦後は駅やデパートなどでも即売会が行われるなどして、草加せんべいの名は全国的に有名となっていった。
草加せんべい振興協議会では、一層の草加せんべいの発展を願い、ギネス世界記録に挑戦。2万3660枚のせんべいを使って描き出したのは、巨大なモナ・リザだった。世界的に有名な名画のように、草加せんべいも世界で愛されてほしい、という願いから作られたこのモザイク画は、面積が116.02平米で、世界一として認定された。
記録保持者:草加せんべい振興協議会
記録認定日:2018年9月30日
場所:草加市
埼玉県の3つの世界一、いかがでしたでしょうか。
さて、次回は、千葉県の世界一を特集します。
第10回・群馬県の記事はこちら
※ご紹介している記録は、各認定日時点での世界一です。現在は更新されている可能性があります。