第102回秋田犬

国の天然記念物に指定されている大型の日本犬で「あきたいぬ」と呼ぶ。飼い主に忠実で、三角の耳と、クルリと巻いた尾が特徴。

江戸時代に藩士の闘志を養うために久保田城主の佐竹氏が闘犬を奨励した際に、大館・能代地方で秋田マタギと呼ばれる山岳狩猟犬と土着犬とを交配して大型犬が誕生。それを品種として固定した。

忠犬ハチ公は大館市生まれの秋田犬で、生家前には石碑も設置されているほか、大館駅前には渋谷駅のものと同じくハチ公の銅像と、構内にハチ公神社がある。1953年から発行されていた2円切手には秋田犬があしらわれていた。

犬籍や犬舎号の登録および血統書の発行などを行う秋田犬保存会は、沖縄を除く各県と海外（米国、欧州、台湾、モンゴル）にも支部がある。なお、アメリカン・アキタ・ドッグは、戦後に占領軍兵士の帰国とともに米国に渡った秋田犬の子孫。

（ブランド総合研究所　田中章雄）

※当記事は、2012年8月6日発行の日経ＭＪ（日経流通新聞）に「地域ブランド　AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得ています。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。