第54回:ヤスダヨーグルト

新潟県旧安田町（現阿賀野市）のヨーグルト。生乳の生産から加工、販売に至るまでの一貫体制をめざし、1987年に９人の酪農家によって「安田牛乳加工処理組合」として設立された。

ヨーグルトは一般的には生乳を加工した脱脂粉乳を使うものも多いが、「ヤスダヨーグルト」は生乳100％を原材料とし、安定剤や香料なども一切使用しない。県内でとれる「二十世紀梨」の味をヒントに甘さとヨーグルト特有の酸味のバランスを設定しているという。

新潟県内での販売が主だったが、日本航空の客室乗務員の間で同社のドリンクヨーグルトが流行になり、それが機内誌や口コミによって広まり販路が拡大した。現在では全国の高級スーパーのほか、駅売店、コンビニなどでも売られている。また、元横綱の朝青龍が同社のプレーンヨーグルトを大量購入しているという噂が広がり品薄状態になったこともある。

（ブランド総合研究所社長　田中章雄）

※当記事は、2011年8月14日発行の日経ＭＪ（日経流通新聞）に「地域ブランド　AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得て います。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。