農林水産省は、「農泊」の商標の登録および管理を開始した。今後は「農泊」という文字を商品やサービス等に使用する場合に、使用許諾申請が必要となる。
「農泊」は2003年にNPO法人安心院町グリーンツーリズム研究会会長の宮田静一氏が「農家による宿泊施設の提供」(43類)として商標登録されている。農林水産省は2018年6月26日にこの商標について宮田静一氏から専用使用権の設定を受けるとともに、その分野以外の全分野について、農林水産省が商標登録の申請を行った。
今後、「農泊」という文字を商品やサービス等に無断で使用することは禁じられ、使用する場合は使用許諾申請を郵送またはメールにて農林水産省農村振興局農村政策部都市農村交流課長まで提出し、審査に合格する必要がある。
なお、商標の使用料は無料とし、関係府省庁及び地方公共団体が農泊を推進する目的で使用する場合、報道関係機関が報道の用に供する目的で使用する場合、大学その他の学術研究を目的とする機関若しくは団体又はそれらに属する者が学術研究の用に供する目的で使用する場合については、使用許諾申請及び使用許諾の手続きを省略することができる。
農水省の農泊に関連する頁には、農泊商標使用規約、使用許諾申請書などが掲示されている。
参考サイト: 「農泊」商標の使用について ← 文字をクリックすると農水省の該当ページに移動します
「農泊」の商標の管理を行うことは、現在の商標権者の権利を守ることと、「農泊」の商標の適正な使用を確保するという目的につながる。その背景には、住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行前には、合法とはいえない民泊は蔓延ってしまっていたという経緯があり、農泊の場合も非合法な取り組みや、間違った解釈での「農泊」の用語の使用を妨げようと言う狙いがあると思われる。
その一方で、商標使用の管理を行うことによって、農水省が推進している「農泊」の普及に関して制約がかかることになり、これが市場拡大や普及啓発の妨げとなる可能性も否定できない。
今回、農水省が既存の商標権者からの「農泊」に関する専用使用権の設定を受けるとともに、その分野以外ついても農林水産省が商標登録申請を行ったことにより、今後はこれによって農泊の取り組みが停滞することなく、さらなる普及啓発につながるような取り組みが期待される。
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農水省、「農泊」の商標を管理。使用許諾申請が必要に
2018年07月25日更新
農林水産省は、「農泊」の商標の登録および管理を開始した。今後は「農泊」という文字を商品やサービス等に使用する場合に、使用許諾申請が必要となる。
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