もはや「インバウンド」という言葉を耳にしない日はないと言っても過言ではないくらい、多数の外国人観光客が日本を訪れるようになった。外国人観光客の増加は、実は商店街の活性化を図る上での大チャンスである。しかし、言葉の壁を感じるなどが原因で、外国人を敬遠してしまい、ビジネスチャンスを逃しているケースが多いのではないだろうか。「外国語が話せない」という意識が外国人を受け入れるにあたってのボトルネックになっているのだ。
外国人に対する気後れを解消して積極的に接客できるようになるために、商店街ができる効果的な方法として、外国語教室の開催が挙げられる。国際標準語が英語であることを考えれば、まずは英会話教室を開催するのがいいだろう。
英会話教室と聞いて一般的に思い浮かべるのは、カリキュラムやテキスト、会話の場面設定を、講師や運営者側が決めるタイプのものではないだろうか。ところが、こういった一般的な方法とは異なる一風変わった英会話教室を開催している商店街が東京下北沢にあるのだ。下北沢一番街商店街振興組合の太田理事は、同商店街の英会話教室のことを「攻めの英会話教室」と呼ぶ。また、運営にあたっては、「ダラダラ~」がポイントだと言う。「攻め」とは一体どういう意味なのか?「ダラダラ~」運営とはどういうことなのか?
【「攻め」の英会話教室とは】
ちょっとしたシミュレーションをしてみよう。あなたが飲食店のスタッフだとして、来店した外国人のお客様を案内しているとしよう。まず、「いらっしゃいませ。何名様ですか?」を英語で何というだろうか? 席についたお客様に、「まずお飲み物のご注文を伺います」とお尋ねしたいのだが、英語ではなんと言うのだろうか? こういった疑問は、数限りなく出てくるはずである。自分が現場で抱いた「どう伝えたら?」という疑問に答えてくれる英会話教室があったら、参加したくなるのではないだろうか?
下北沢一番街商店街が開催している英会話教室では、参加者が講師へ問いかけ、それに講師が答える、といったようなスタイルをとっている。つまり、店舗スタッフの「こういう時はなんと言うの?」という現場から出てきた臨場感ある生の疑問をスタート地点にして、その場その場で会話の場面を設定し、授業を展開しているのだ。
この授業スタイルの効果として、同商店街の太田理事は「気後れ解消」を挙げている。実際に、ある参加者は、あまりに堂々とこなれた英語フレーズを接客で使ったが故に(実は片言なのだが)、英語そのものをペラペラに話せるのだと外国人客に勘違いされてしまった、という逸話もあるほどだ。
[caption id="attachment_2540" align="aligncenter" width="231" caption="英会話教室の様子(写真提供:下北沢一番街商店街振興組合)"]
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【「ダラダラ~」が継続のコツ?】
太田理事は英会話教室を継続させるコツとして、①飲み会にでも行くかのような気楽さで参加できる雰囲気作り、②カリキュラムやテキストは予め準備しない、③講師の人選、といったポイントを挙げている。
太田氏曰く、「カリキュラムやテキストをバッチリ整えて、といったお勉強スタイルだと、堅苦しくて参加者が嫌になってしまう。ダラダラ~という感じでやらないと続かない」と言う。そのため、教室開講スケジュールを決める際も、事前に運営サイドが練りあげておくのではなく、参加者の顔を見てその場その場で柔軟に決めている。また、授業を進める際には、講師は、英語圏の文化や習慣についての小話を即興的に織り交ぜるなど、参加者が英語に親しみやすいような雰囲気作りを工夫して作り出している。
スケジュールの決め方、授業の進め方、いずれにおいても参加者を飽きさせない工夫と柔軟性に富んでいるのだ。結果として、英会話教室は5年間続いており、参加者や地域に独特なオリジナリティ溢れる英会話集に結晶化している。
[caption id="attachment_2541" align="aligncenter" width="182" caption="「接客に役立つ英会話集」"]
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文責:網野善久(ブランド総合研究所 アナリスト)
街角から聞こえる英会話~東京都下北沢一番街商店街の英会話教室~
2015年04月21日更新
一風変わった英会話教室を開催している商店街が東京下北沢にあるのだ。下北沢一番街商店街振興組合の太田理事は、この英会話教室のことを「攻めの英会話教室」と呼ぶ。また、運営にあたっては、「ダラダラ~」がポイントだと言う。「攻め」とは一体どういう意味なのか?「ダラダラ~」運営とはどういうことなのか?
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