平成24年7月24日、山梨県南アルプス市の桃源文化会館で、「最も重いプラム(Heaviest Plum)」のギネス世界記録への挑戦が行われた。当日は、南アルプス市内の農家で栽培された選りすぐりの「貴陽(きよう)」という品種のスモモが集められ、ギネスワールドレコーズ社のカルロス・マルティネス公式認定員の立会いの下、計量を実施。中でも最も重かった323.77グラムのスモモが「最も重いプラム」として見事ギネス世界記録に認定された。
[caption id="attachment_1156" align="alignleft" width="225" caption="計量するカルロス認定員"][/caption]
この挑戦を企画したのは、「南アルプス市」。平成15年に我が国初のカタカナ名として注目され、誕生した自治体で記憶に新しい。
「貴陽(きよう)」というスモモの品種は、同市の農業生産者である故高石氏が開発し、品種登録したもの。通常のスモモ栽培に比べ非常に手間がかかり、専業農家でなければ育てることすら難しいという貴重な品種だ。その分、味は格別で、桃とスモモを合わせたような甘みと酸味を楽しめる。主に高級デパートで贈答用の商品として販売され、通常サイズ(200グラム程度)で1個あたり500円以上という高値で販売されている。
今回の「最重のプラム(Heaviest Plum)」という挑戦カテゴリーは、南アルプス市の挑戦の申請によって、ギネスワールドレコーズ社が新設し、世界に挑戦の門を開いたものである。「貴陽」は現在でこそ日本全国で栽培が行われているが、南アルプス市には開発の地としての自負がある。山梨県はスモモの生産が日本一(年間の出荷量は7800トン)だが、その半分以上を南アルプス市が占めている。なかでも貴重品種の「貴陽」は市内の生産者にとっての誇りであり、「“南アルプス市といえば『貴陽』”と言われるように世界にアピールしていきたい」という想いのなかで、今回の挑戦への取組みを進めてきた。
「貴陽」の開発に力を注いだ南アルプスの農業生産者をはじめ同市民は、挑戦心あふれる、創造的な人々。ギネスワールドレコーズの精神「挑戦」とも合致しており、南アルプス市がギネス世界記録挑戦を企画したのは当然なのである。
認定イベント当日、スモモの品種間食べ比べなどが行われ会場が盛上る中、その日収穫したばかりの大きな「貴陽」3つが選ばれ、公式認定員の前に並べられた。300グラムを超えれば世界一と認められるという条件のもと、ひとつひとつ秤に乗せられ、高さや周囲の長さなども慎重に計測。最も重かった323.77グラムの「貴陽」が、見事ギネス世界記録に認定されたのだ。認定証はその場で南アルプス市の中込市長に贈呈。市長は「今後は、世界に向けて売りまくっていきたい」と今後の抱負について語った。
[caption id="attachment_1158" align="alignleft" width="300" caption="世界一になった貴陽"][/caption]
ギネスワールドレコーズ地域活性化委員会でも、世界の市場に日本の地域産品をアピールする、そんな地域の取り組みを、ギネス世界記録の挑戦を通じて、積極的に応援していきたい。
参考情報:南アルプス市ウェブサイト

最重のプラム、南アルプス市からギネス世界記録誕生
2012年07月26日更新
平成24年7月24日、山梨県南アルプス市の桃源文化会館で、「最も重いプラム(Heaviest Plum)」のギネス世界記録への挑戦が行われた。当日は、南アルプス市内の農家で栽培された選りすぐりの「貴陽(きよう)」という品種のスモモが集められ、最も重かった323.77グラムのスモモが記録に認定された。
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