起き上がり小法師(こぼし)は福島県会津地方に伝わる郷土玩具の一つ。高さ3センチほどの円すいに近い形で、底部分におもりが付いているため何度倒しても起き上がる。「七転び八起き」の縁起物として、会津地方では毎年1月10日の縁日「十日市」で、家族の人数より一つ多く買って神棚に飾り、正月を祝う慣習がある。一つ多く買うのは「家族が増えますように」という願いを込めるため。
約400年前に会津藩主の蒲生氏郷が無役の武士の内職として作らせ、正月に売らせたのが始まりとされる。その後、郷土玩具として定着したが、東日本大震災復興のシンボルとしても注目を集めた。
木を削って作った木型に和紙を何枚も貼り重ねて張り子にする。顔の部分はのり粉で白く、下半分の胴体部分は漆の塗料などで赤く色をつけるが、最近は様々な色のものもある。最後に筆で顔を書き入れて仕上げる。
(ブランド総合研究所 田中章雄)
第173回 起き上がり小法師
2014年01月13日更新
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