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第144回 南部せんべい

第144回 南部せんべい

 青森県南部および岩手県で生産されているせんべいで、水で練った小麦粉を、円盤型に硬く焼いて作ったもの。縁に薄くカリッとした「みみ」と呼ばれる部分があるのが特徴で、甘さのある厚めのクッキー生地のものもある。

 南部せんべいは14世紀、長慶天皇が南部町の長谷寺を訪れた時、非常食として家臣が自分の鉄兜を使って焼き上げたせんべいを差し出したのが由来という。その後、八戸藩で非常食として食べられるようになったほか、様々な行事にも用いられた。例えば、結婚式の時にはせんべいの上に赤飯をのせて近所に配ったり、出産祝いの時には焼き麩とせんべいを一緒に届けたりする風習もある。

 しょう油味の汁に南部せんべいを割り入れた「八戸せんべい汁」の団体が、昨年11月に北九州で開催されたご当地グルメの祭典「B-1グランプリ」で優勝し、注目されている。

(ブランド総合研究所 田中章雄

※当記事は、2013年6月10日発行の日経MJ(日経流通新聞)に「地域ブランド AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得て います。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。

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