京都府は聖護院だいこんや九条ねぎ、みず菜、賀茂なす、万願寺とうがらしなど、主に京都地方で伝統的に生産されている伝統野菜や果物などの23品目を、「ブランド京野菜」と定義している。一般的な品種と比べて味、色、形状に特徴があり京料理に欠かせない。
しかし栽培や収穫に手間がかかることから農家が敬遠し、生産量が大きく減る品種もあったため、1989年から京都府がブランド化に取り組んでいる。
2002年には「ブランド京野菜等倍増戦略」を策定し、生産力の向上のほか「京都こだわり農法」による安全・安心な栽培の定着などに力を入れてきた。マークなども設定し、イメージ浸透と知名度向上を進めてきた。
ところが、首都圏などで人気が高まっているみず菜は京都府外で生産が急増し、逆に京都大納言小豆や新丹波黒大豆などは生産が需要を大きく下回り、早急な生産拡大が求められている。
(ブランド総合研究所 田中章雄)
※当記事は、2012年12月24日発行の日経MJ(日経流通新聞)に「地域ブランド AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得ています。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。
第122回京野菜
2012年12月25日更新
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