醤油(しょうゆ)醸造発祥の地といわれる和歌山湯浅町。この町では鎌倉時代に「金山寺みそ」という食べるみそがつくられていた。米と麦と大豆を混ぜて麹こうじ)を加えた中にウリやナスなどの野菜を漬け込んだ保存食。漬け込んだたるの底に黒い汁がたまるが、味や香りがよく調味料に使ったのが醤油だ。
室町時代に製法が改良され、本格的な醤油として商品化した。江戸時代には紀州藩の手厚い保護を受けて醸造所が増え、全国で販売されるようになった。1800年ごろの湯浅町は92軒もの醤油屋が営業する醸造地として栄えたという。
湯浅の製造方法は千葉県の銚子や香川県小豆島にも伝わった。いまでも湯浅市内には木樽で醤油をつくり続けた醸造所の店がある。醤油やみそに関係した蔵や民家などの古建築が数多く残り、旧市街地は国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている。
(ブランド総合研究所 田中章雄)
※当記事は、2012年12月3日発行の日経MJ(日経流通新聞)に「地域ブランド AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得ています。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。
第119回湯浅醤油
2012年12月03日更新
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