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第69回:小田原蒲鉾

第69回:小田原蒲鉾

正月のおせち料理に欠かせないのが蒲鉾。竹の棒に筒状に巻いて作った形が蒲(がま)の穂に似ていることから、蒲鉾と呼ばれるようになった。なお、竹を抜き去ったのが竹輪(ちくわ)で、板の上で整形したのが板蒲鉾。

小田原は沿岸漁業が盛んで、とれた魚の加工・保存利用として江戸時代に蒲鉾づくりが始まった。これが箱根を越える旅人や湯治客に売れ、参勤交代の大名にも珍重されて全国に広まった。

当初は相模湾で大量に取れたオキギスが使われていたが、今では漁獲量が少ないため、主に白グチ(いしもち)が使われる。頭や内臓を除去した後、水にさらし、石臼でつぶして塩と砂糖やみりんなどを加えて練る。それを付け屋と呼ばれる職人が板に盛り、加熱して作る。近年では輸入された魚を使い、型に詰めて製造する安価な蒲鉾が増えているが、小田原では伝統の技法を守り、高い評価を得続けている。

(ブランド総合研究所社長 田中章雄)

※当記事は、2011年12月5日発行の日経MJ(日経流通新聞)に「地域ブランド AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得て います。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。

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