観光意欲度とは
提示した各地域名に対して「今後、各自治体に観光や旅行に行きたいと思いますか」という質問を行い、回答者には4つの選択肢からそれぞれの地域名に該当するものを1つだけ選択してもらっている。
スコアは、選択肢「ぜひ行ってみたい」を100点、同「機会があれば行ってみたい」を50点、「どちらともいえない」、「あまり行きたいとは思わない」を各0点として、各選択肢の回答者割合を加重平均した数値を観光意欲度として算出している。
観光意欲度(点)=100点×「ぜひ行ってみたい」回答者割合+50点×「機会があれば行ってみたい」回答者割合
1,000市区町村平均の10年間の推移
1,000市区町村平均について、2015年から2024年の10年間の推移は以下の通り。2015年の15.9点から2020年には18.9点と、平均点は継続して上昇しており、回答者の観光意欲が年々高まっていたことが分かる。
特に、新型コロナウィルス流行による行動自粛などがまだあった2021年には、平均が22.5点と、前年の18.9点から大幅に上昇している。その後は低下傾向が続いているものの、2024年の平均点は21.3点で、2020年以前と比較すると依然高水準で推移している。
回答者の年代別結果~平均点上昇の主因は若年層~
前述の平均点について、回答者の年齢を「20代」から「70代」の6つの年代に分類し、それぞれの平均点を算出し、10年間の推移について結果をまとめた。なお、「70代」回答者は2016年から追加したため、2015年のデータはない。
2015年は、最も平均が高かったのは40代で16.3点。他方最も低かったのは20代の14.9点で、差は1.4点となっており、各年代の平均点に大きな差はなかった。
2017年以降は、50代以上の平均点が緩やかな上昇で推移している。60代を例に挙げると、2015年の16.2点から2020年は17.6点と1.4点の上昇となっている。一方、40代以下の比較的若年層の平均点が大きく上昇する傾向がみられる。特に20代は2015年の14.9点から2020年には21.2点と6.3点も平均点が上昇している。先述した2015年から2020年にかけての全体平均の上昇は、20代など若年層が中心となっていたことが分かる。また、各年代の平均点の差は概ね3点前後で推移している。
そして、平均点が大幅に上昇した2021年は、全年代の平均点が上昇しているが、特に50代以下の年代が若い層の上昇幅が大きくなっている。最も平均点が伸びたのは30代で、2020年の19.4点から24.3点と4.9点の上昇。次いで20代が21.2点(2020年)から25.4点と4.2点上昇しており、2021年の平均点の大幅な上昇は、ここでも若年層が中心だった。他方、最も平均点の上昇が小さかったのは70代で、前年から0.3点の上昇に留まっている。各年代の平均点の差は6.2点で、2021年の平均点上昇では、世代間の観光意欲の差が大きく開く結果となっている。
2022年以降は各年代横ばいないし若干の低下傾向となっているが、いずれの年代も2020年以前の平均と比較すると高い水準となっている。また、2024年の各年代間の差は4.9点差と依然大きくなっているが、やや縮小傾向がみられる。
【図2.市区町村の観光意欲度回答者年代別平均点推移】
地域別結果
次に、調査対象地域を「北海道・東北」など6つのブロックに分けて、それぞれの年代別結果について、平均点を算出した。
過去10年間の推移をみると、関東地域と近畿地域は、2017年以降に20代など若年層の観光意欲度が高くなる傾向が他の地域と比較して顕著となっており、2024年に至ってもその傾向は続いている。
また、2021年の平均点上昇をみると、全地域の各年代で平均点の上昇がみられ、各年代平均の差も大きくなっているのが共通した傾向となっている。特に関東地域は、年代別の平均点に差がある傾向がみられ、2024年時点でも、他の地域と比較すると年代差が開いたままで推移している。他方、北海道・東北地域や九州・沖縄地域では、2021年に開いた年代間の差が年々縮小している地域もある。
【図3.調査対象地域別の観光意欲度年代別平均点推移】
【図1.市区町村の観光意欲度平均点推移(2015-2024)】