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第168回 吹田くわい

第168回 吹田くわい

 くわいは「芽が出る」という意味から縁起の良い食物として、おせち料理の材料として用いられる。アジアやアメリカなどに広く栽培されており、日本には平安時代に伝来した。水田などで栽培されるため「河芋」と呼ばれていたものが、「くわい」と呼ばれるようになった。

 日本で生産される8割が広島県福山市で栽培されたものだが、大阪府吹田市では小さめの品種である「吹田くわい」が栽培されている。えぐ味が少なく、栗のようなほくほくとした甘さがあり、江戸時代には、くわいの最高品種として宮中に献上されていた。また蜀山人も歌に残している。

 ところが、その後は生産量が減少し、一時は絶滅の危機にひんしていた。2005年に大阪府が昔ながらの野菜を見直そうと始めた「なにわの伝統野菜」の一つとして、生産と普及の拡大に取り組んでいる。

(ブランド総合研究所 田中章雄)

※当記事は、2013年11月25日発行の日経MJ(日経流通新聞)に「地域ブランド AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得て います。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。

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