第136回 石見神楽

島根県西部と広島県北西部に伝わる伝統芸能の一つ。市民が結成した神楽団が100以上存続しており、神社や公民館、専用の施設などで演じられている。
　
かつては収穫期に自然や神への感謝をあらわす神事として、神社において奉納されていたが、明治政府から神職の演舞を禁止する命が下されたことにより、市民による民俗芸能として演舞されるようになった。現在では大衆芸能として定期的に上演されるほか、競演大会などイベントとしての上演も増えている。また、子ども神楽や高校生神楽大会、海外公演なども催される。
　
日本神話などを題材としたストーリーをもとに、太鼓、拍子、笛による演奏に合わせ、豪華な衣装と神楽面を着用した舞手が口上を交えながら舞う。演目は八岐大蛇、恵比須、大江山など豊富にあり、演目によっては衣装や神楽面の早変わりや、煙幕などの演出が施されている。
（ブランド総合研究所　田中章雄）

※当記事は、2013年4月8日発行の日経ＭＪ（日経流通新聞）に「地域ブランド　AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得て います。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。