長崎市を発祥の地とする、朱塗りの円卓を囲んで味わう宴会料理。女将の「おひれ(鯛=タイ=の吸い物)をどうぞ」の挨拶から始まり、刺し身、湯引き、煮豆、長崎天ぷら、豚の角煮など、季節の食材を使った多彩な料理が大きな器に盛られ、上座も下座もない円卓を囲んだ各人が小皿に取り分けて食べる。
おひれの前に他の料理を食べたり乾杯したりしてはいけないが、おひれの後は食べる順番や食べ方に決まりはない。
約400年前、中国伝来の膳の料理に、和食、洋食が加わってできた。和食、中華、オランダの要素が交じり合っていることから、和華蘭(わからん)料理とも呼ばれる。合理的で卓がにぎわうことから、町人たちが多い長崎で人気が高く、特に結婚披露宴などの宴席で好んで振る舞われるようになった。また、観光客にも人気が高い。
なお、しっぽく(卓袱)とは朱塗りの円形テーブルのことだ。
(ブランド総合研究所 田中章雄)
※当記事は、2012年7月30日発行の日経MJ(日経流通新聞)に「地域ブランド AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得ています。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。
第101回長崎しっぽく料理
2012年07月30日更新
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