第36回:宇都宮餃子

メニューに餃子（ギョーザ）しかない専門店で、市民がおやつ代わりや軽食として食べるのが宇都宮スタイル。1人前200円前後と安価なのも特徴だ。餃子専門店と餃子を扱う料理店は宇都宮市内に約200軒を数えるという。

宇都宮餃子は、中国東北部からの復員兵が大陸の餃子の味が忘れられず，昭和30年代前後に専門店を開いたのが発祥。栃木県は小麦やニラの生産が多いことも餃子が定着した理由だ。

1990年に市役所職員が、家計調査で宇都宮市が餃子の消費量日本一であるということに着目し、地域活性化のテーマに選んだ。翌91年に観光協会が市内の餃子マップを制作、93年には市内の38店による「宇都宮餃子会」が発足した（現在は約80店）。餃子フェスティバルなどの開催や、宇都宮駅の「餃子の像」の設置といった、行政と民間が連携した取り組みがテレビ番組などに頻繁に取り上げられ、全国的な人気となった。

（ブランド総合研究所社長　田中章雄）

※当記事は、2011年3月14日発行の日経ＭＪ（日経流通新聞）に「地域ブランド　AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得て います。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。