大阪府の泉州地区は日本のタオル産業の発祥の地。明治20年に佐野村(現泉佐野市)の白木綿業者・里井圓治郎がタオルの製織に成功し、国内初のタオル製造を始めた。
当時から後晒(あとざらし)製法と呼ばれる手法で製造した。タオルが織り上がった後で漂白や水洗いをし、材料の綿糸に付着している油分や不純物を取り除く。そのため、“綿”が本来持っているすぐれた吸水性が生かされ、汚れも洗い落とされるため、購入したまま洗わずに使用することができる。肌触りもよく、吸収性に優れているのが特徴だ。
大口の販促品としての需要低迷や、中国産などの安価な輸入タオルが多く流通して価格競争が激化したため、輸入品にはない独自性が求められてきた。そこで化学薬品を使用しない「グリーンタオル」の製品化や、JAPANブランド支援事業として「泉州こだわりタオル」を事業化、「安心・安全・高品質」での差異化を進める。
(ブランド総合研究所 田中章雄)
第87回:大阪泉州タオル
2012年04月16日更新
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