愛媛県の南部で食されている揚げかまぼこのことで、「皮天ぷら」とも呼ばれる。宇和島の近海でとれるホタルジャコなどの小魚の頭と内臓を取り、皮や骨ごとすり潰したものを厚さ1センチくらいの板状に成形し、油で揚げて作る。
ちなみに皮や骨が入っていないすり身を揚げたものは、宇和島では「天ぷら」と呼ぶ。
宇和島藩の初代藩主・伊達秀宗が郷里の仙台から職人を連れてきて、近海でとれる小魚や雑魚(じゃこ)で作らせたのが始まり。
表面の色は灰色がかったきつね色で、中身は灰色。市内には店頭で揚げたてのじゃこ天を販売する「蒲鉾(かまぼこ)店」が多く存在する。1枚150円前後で、揚げたてのものをそのままがぶりと食べるのが一般的。食べ歩きをする人も多い。じゃこ天をうどんに乗せた「じゃこ天うどん」のほか、カレーの具に使った「天ぷらカレー」も宇和島では人気がある。
(ブランド総合研究所 田中章雄)
第89回:宇和島じゃこ天
2012年05月01日更新
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