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第82回:あぶら麩

第82回:あぶら麩

宮城県および岩手県南部で食される、フランスパンのような形をしている揚げ麩(ふ)のこと。仙台麩と呼ぶ地域もある。小麦粉に水を加えて練り、でんぷん質を洗い流して残ったグルテンを熟成させ、油で揚げて作る。製造方法はほぼ同じだが、店によって形や味がやや異なる。

麩は鎌倉時代に中国より伝わり、禅僧たちの精進料理の材料に用いられていた。その麩を使い、明治初期の頃に油揚げの代わりとして開発されたのがあぶら麩。特に夏場の暑い時期のスタミナ源として好んで食べられる。輪切りにして味噌汁やうどん、そばの具として使うことが多い。

30年ほど前に、あぶら麩を卵でとじてご飯の上に乗せた「油麩丼」が宮城県登米市の旅館の女将によって考案された。いわばカツ丼のカツの代わりにあぶら麩を使った丼。これがご当地グルメの大会などにも登場するようになり、注目を集めている。

(ブランド総合研究所 田中章雄)

※当記事は、2012年3月12日発行の日経MJ(日経流通新聞)に「地域ブランド AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得て います。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。

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