有明海で作られる海苔(のり)。つやのある黒褐色をしていて火であぶるとサッと緑色に変わる。口にした感じが柔らかく、甘さとうま味が強く、贈答用に人気がある。有明海で生産される海苔は年間約50億枚で日本の約4割を占める。
有明海の広大な干潟のうち、海苔の養殖は最も奥まった場所で行われる。河川からの淡水と海水がぶつかる栄養豊かな汽水域で、最大6メートルに及ぶ潮の干満の差を利用した支柱式栽培を行っている。
2007年に佐賀県有明海漁業協同組合が発足し、海苔のおいしさの評価基準をわかりやすく定義した。最も品質が優れると評価されたものは「佐賀海苔有明海一番」というブランド名で販売されている。
条件としては一番摘みで、うま味のもととなるタンパク質含有量が乾海苔(ほしのり)で50%以上あり、色・ツヤ・形が美しく柔らかさや香りなどが優れるなど、7つの基準を満たす必要がある。
(ブランド総合研究所 田中章雄)
※当記事は、2013年1月27日発行の日経MJ(日経流通新聞)に「地域ブランド AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得ています。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。
第126回有明海苔
2013年01月28日更新
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