カステラ風の生地であんを包んで焼いた東京の伝統的な土産品。発祥地は日本橋人形町だ。江戸時代に歌舞伎や浄瑠璃、人形芝居などで賑わい、人形を作る職人や人形を操る人形遣いが多く住んでいたため、人形町と呼ばれていた。芝居の見物に訪れる人たちが茶屋などで好んで食べた「焼きまんじゅう」が地名にちなんで人形焼と呼ばれるようになった。
人形焼きは文楽人形や七福神の型を用いたものが多い。当初は全身像だったが、現在は顔だけでふっくらしている。
大正時代に浅草に移り住んだ職人が、浅草の名所にちなんで雷様、五重塔、ちょうちん、ハトなどの型にしたものを浅草仲見世で実演販売したところ、人気を集めたとされる。今でも鉄製の焼き型で手焼きする老舗店が人形町と浅草にある。その他の店や土産物店では、機械で焼いて密封した賞味期限の長い商品も販売している。
(ブランド総合研究所 田中章雄)
※当記事は、2013年1月7日発行の日経MJ(日経流通新聞)に「地域ブランド AtoZ」として掲載しています。記事は日本経済新聞社の許諾を得ています。 無断での複製・複写・転載を固く禁じます。

第123回人形焼
2013年01月07日更新
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