福井県の越前市で生産される和紙。同市の岡本川に沿った五箇地区には和紙業者が軒を連ね、紙すき職人が多く集まっていることから「紙すきのまち」と呼ばれている。かつての街並みと和紙の町としての風情が残り、「美しい日本の歴史風土100選」に選ばれている。杉の大木が立ち並ぶ岡太神社・大瀧神社には、この里に紙漉きの技を伝えたとされる「紙祖神」が祀られている。
越前和紙は室町時代には公家・武士階級の公用紙として使われ、江戸時代には日本最初の藩札として発行された福井藩札に使われ、明治新政府が各藩の藩札に代わって発行した日本統一紙幣「太政官札」にも採用された。
フランスの化粧品「ゲラン」のパリなど7店舗のディスプレイで大きな手漉きの越前和紙を使ったディスプレイが登場するなど、欧州でも注目を集めてる。
(ブランド総合研究所 田中章雄)
第176回 越前和紙
2014年02月03日更新
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