梅雨といえば傘。日本の伝統的なものに岐阜和傘がある。竹で骨と軸を作り、美濃和紙を張ったもので、天候に応じて開き加減を変えることができる。開いたときに末広がりの形に見えることから縁起物として、結婚の際に使われることが多い。
岐阜での和傘作りは1639年に始まった。1756年に加納藩主となった永井直陳が、藩の財政難や下級武士の生活難の救済のために和傘作りを武士の内職として奨励したことで広まった。江戸時代には年間50万本を超える和傘が作られ、全国に出荷されていた。
昭和初期には年間1500万本が生産されたが、戦後は洋傘に取って代わられ、出荷は減少した。10数人の熟練した職人によって100を超える工程を経て作られるため、量産が難しい。現在は数人から数十人までの規模の事業所が分業体制で年間数万本を製造している。
(ブランド総合研究所 田中章雄)
第143回 岐阜和傘
2013年06月03日更新
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